「ナタ 魔童の大暴れ」
日本で言えば「わんぱく王子の大蛇」(1963)を中国的な資本力で桁違いにスケールアップしたような世界観で、仙人、魔物、妖怪、人間などが善悪入り乱れて戦っている。
神仙物語に日本の格闘アニメや特撮怪獣ものなどの要素を織り交ぜ、ハリウッド的な壮大なスケールで再構築したような感じにも見え、登場キャラの関係性などはかなり込み入っており、1作目を見ていないことも加わって、一見しただけでは把握しにくい。
主役ナタは、ゲゲゲの鬼太郎のように生まれながらに強力な魔力を持っているようで、異形のものとも互角以上に戦える超パワーを秘めているようだ。
ただ「西遊記」や「白蛇伝」のように、日本人でもある程度設定を知っているシンプルな世界観ではないので、字幕で読んでも難しい用語も多く、ストーリー的にはついていくだけで精一杯という感じだが、なんとなく日本人にも共感できる要素は多いと思う。
さらにCGIアニメの技術的にはもうハリウッドと双璧のレベルではないかとさえ感じる超大作で、CGIとかVFXは、かけた予算にほぼクオリティが比例すると言われているだけに、一体何百億円投じているのか予想もできないスペクタクルとアクションの連続に「空いた口が塞がらない」とはこのことで、全編圧倒されること請け合い。
ただCGIアニメ特有の「作家の個性が希薄」という部分はあり、中国用にディズニーが作ったアニメと言われても信じるかもしれない画風ではある。
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