「宝島」
日本映画離れした文芸大作。
ある人物の失踪に関係する人物たちが、その後、いろいろな立場から、その人物を探していくうちに、それぞれ沖縄に起きた悲劇や闇の部分に巻き込まれ、やがて意外な形で失踪していた人物と再会するまでを描いていますが、ミステリというよりは、戦後の沖縄の悲劇性を描いた社会派の内容になっている。
ラストの謎解きに関しては若干お涙頂戴を意図した作り物感が強く、無理を感じないではないが、それはある意味本筋のサイドストーリーみたいな部分であり、そこに至るまでの沖縄描写の丁寧さに満足感がある。
エキストラやセットなど、想像以上の予算をかけた感じがあり、従来の日本映画にありがちな安っぽさは感じられない。
メインの役者たちも皆熱演しているが、塚本晋也さんやピエール瀧さんといった脇役、またエキストラに近い庶民の方々も、みなリアルな人々に見えるのがすごい。
久々に見応えを感じた力作だった。
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