「だいじょうぶマイ・フレンド」
バブル期の直前の時期、東宝特撮が協力したSF映画なのに、ほとんど世間に知られてないカルト映画。
おそらく、今ではTV放送しにくい「精神病院」の描写や「ロボトミー手術」を連想させる描写などがあったり、「キ⚪︎タマ」などという放送禁止用語も唐突に出てきたりするので、作品の認知度が広がらないのかもしれない。
一見スーパーヒーローもののような設定で、ホラーやミュージカル要素もあるのが、全体的に映画的な見せ場に乏しく、わかりやすい娯楽というよりは、現代小説の世界観というか、作家映画風の雰囲気になっているために、子供や大衆向け娯楽作品になりきっていない気がする反面、尺は2時間近く長すぎる。
低予算の日本映画ので、ハリウッド映画のような派手な展開にはならないだろうと言う読みの通り、スーパーヒーローらしからぬ地味なと言うか緊迫感の薄い展開の連続なので、盛り上がりようがない。
ミュージカル要素も、映画を盛り上げると言うより盛り下げるような使い方になっており、意図的なのかもしれないが、観客としては乗りようがなく退屈なだけ。
クライマックスの追跡アクションもありきたりだし、なんだか70年代くらいの「007」を模したようなアクションは興醒めするくらい。
内容的には「時計仕掛けのりんご」を連想させるような部分があり、ある種の風刺劇だとは思うが、どこかで見たような…と言う印象は拭いきれないし、60年代くらいの作品ならともかく、80年代の作品にしては古臭く見えなくもない上に、ストーリー展開的にも、どうなる?どうする!と言ったサスペンス性が希薄なので、もう一つ話にのめり込めない。
ピーター・フォンダは英語を喋り、日本人たちはそのまま日本語を喋っており、互いに意思は通じるという設定なので、字幕が出たり出なかったりという手法になっている。
ピーター・フォンダ演じるゴンジーなる存在が過去を語るとき、インスマウスと言う地名や化け物という用語が出てくるので、ラブクラフトなどを意識しているようなのだが、そういうモンスターや暗黒神話的な描写は一切ないため、今は人間の姿をしているゴンジーの正体が今一つ掴みにくい。
途中、ハングライダーでピーター・フォンダが空を飛ぶ時、カイトを上から支えている仕掛けが丸見えのシーンもあるのだが、編集段階で誰も気づかなかったのだろうか?
メインの若者たちは、当時まだ無名に近い新人だった広田玲央名さんや渡辺裕之さん、脇で出ている根津甚八さん、タモリさんや研ナオコさん、岸部一徳さんや団次郎さん、小松政夫さんに武田鉄矢さん、苅谷俊介さんと、今の目で見ると一見豪華に見えて珍しい映像だが、当時このメンツで客を呼べたかと言うとこれも微妙な気がする。
タモリ、武田鉄矢、小松正男といった面々がみんな博多出身なのは、たまたま当時の売り出しタレントだったからか、村上龍さんも長崎出身だったことからの地元九州贔屓なのかわからない。
特殊撮影の神澤信一さん、美術の山口修さんなどは、円谷プロのテレビ番組「スターウルフ」(1978)のスタッフだった方々である。
良くも悪くもバブル時代らしい映画かもしれない。
【以下、ストーリー】
1983年、キティ・フィルム、村上龍 原作+脚本+監督作品
夜の都会のセットの前で少女ミミミ(広田玲央名)が、外国人と踊っている。
やがて、クラシックカーがやって来て、中に乗っていた男たちが機関銃を乱射する。
その車が通り過ぎた後、少女ミミミは薄暗い路地のセットの前に一人取り残される。
ミミミが歩いていくと、そこは巨大な全裸のミミミがベッドで眠っている部屋で、傍に置かれた電話機が鳴っていた。
裸のミミミが受話器を取り上げると、あ、もしもし?俺、昨日はどうも、今、プールに来てるんだよ、ちょっと来いよ、誰もいなくて気持ち良いぞ、起きれるか?おい、ちゃんと来いよ、来れるだろ?と声が聞こえたので、行くよとだけミミミは答え、受話器を置き、ちょっと背伸びして、良い夢だったな…と考える。
タイトル(西新宿の高層ビルを背景に)
高層ビルが見えるプールに来たミミミは、ボーイフレンドの一人がシャンパンを持って来てグラスに注いだので、それを飲み出した時、不思議な音が空に響いたので見上げる。
何?とミミミが呟くと、ボーイフレンダは、こっちに落ちてくるよと言う。
空から降って来たものはプールに落下し、その時の水飛沫で、泳いでいた男がプールの外に押し流され、ミミミとボーイフレンドも津波のようなプールの水に押し流されてしまう。
プールの底には大きな陥没痕が出来、調査しに来た刑事たちがプールの様子を観にくる。
君たち名前は?とサングラスをかけた頬刑事(タモリ一義)が聞いて来たので、僕がモニカ(乃生佳之)で、こいつがミミミ、野上ミミの名前で、こいつはハチ(渡辺裕之)、喜八のハチとには小波が堪える。
そのハチの前に来た頬刑事は、右手で頬を押さえながら、あのね、俺、歯が痛いのと奇妙な自己紹介をすると、早く済ませたいの、分かる?と言うので、ハチは思わずくしゃみをしてしまう。
困った表情の頬刑事は、なんで爆弾なんか仕掛けたの?などと聞いて来たので、違うよ、空からなんかおっこって来たんだよとモニカは答える。
見てたのかね?と、寒さでくしゃみをするハチを頬刑事が指差すと、ハチは見てないよ、泳いでいたからとミミミが教える。
見た?と頬刑事から聞かれたミミミとモニカは、見ましたと答える。
何度もくしゃみをするハチに、そんなに寒い?ときいた頬刑事は、見てなかったね?と再確認する。
ハチが頭を横にふると髪の水飛沫がかかったので、もう良いから着替えてと迷惑顔の頬刑事は指示する。
更衣室に戻る途中、ハチは振り向いて、頬刑事に中指を突き出して見せる。
更衣室に入ったハチは、自分のロッカーを開けると、そこに見知らぬ男(ピーター・フォンダ)が入っていたので悲鳴をあげる。
中の男は、ずぶ濡れのカラーシャツにネクタイをしている外国人風で、口に指を当て静かにしろと言うので、さっきプールに?ああびっくりした!とハチはぼやくと、どこも怪我してないんですか?と聞く。
ロッカーの中の男が首を横に振ったので、頑丈なんですねとハチは感心する。
中の男は、角待ってくださいと英語で話しかけてくる。
警察の調査が続いていた水が亡くなったプールでは、君たちは、空から人間が落っこって来てプールを破壊して、どこかに姿を消したと、こう主張していると頬刑事がモニカとミミミに尋問を続けていた。
2人が頷くと、そんなバカなことを報告書に書けると思ってるのかね!と頬刑事はキレる。
その刑事の高圧的な態度にモニカとミミミが引くと、爆発物が仕掛けられた様子はないんだよな~と頬刑事は一人で呟くが、目の前で鑑識係が写真を撮ろうとすると、その前に顔を突き出し笑顔を見せる。
気象庁からの報告がある、ちょうど同じ頃、地球に向けて秒速4kmで、彗星が落下して来ておる、氷の塊だねと頬刑事はモニカとミミミに説明する。
これは防衛庁のレーダーでもちゃんと捉えられとると、二人に頬刑事は資料を見せて説明する。
その頃、ロッカーの中にいた謎の男と一緒に更衣室を出て階段を降りていたハチは、さっきから気になってるんですけど、あんたが喋ってるのは英語ですよね?と謎の男に聞く。
俺、英語はずっとダメで、いつもがんばろうだったんです、中学でも英語の成績が良いやつは「大変良い」、次は「良い」、次は「がんばろう」で、ペケは「がんばろう」、英語は全然ダメなのに、どうしてあなたの英語はわかるんだろうといいながら、ハチはドアを開こうとするがなぜか開かない。
謎の男は、さあね、世の中はわからないことだらけさと英語で話してきて、彼がドアの部を握ると、一発でドアは開く。
プールではミミミが、彗星だったことにしても良いよと頬刑事に譲歩していた。
話、わかって来たね~と頬刑事が喜ぶと、早く帰ってコーヒーを飲みたいし…とミミミは答えると、そうだ、そうだと頬刑事は頷き、ミミミは彗星だったかもしれないと言うので、いいね~、勘違いはよくあるんだよ頬刑事が確認すると、でも人間の形してたよとミミミが言い、モニカも、うん、そうだよと同意する。
すると頬刑事はミミミの腕を掴み、よ~し!精神鑑定をしてみよう、な!といい出す。
「世界の若者を良い子にする会」「DOORS」とシールが貼られた救急車が到着し、頬刑事と警官に連れられたモニカとミミミは、この二人ですと頬刑事から救急隊員たちに伝達される。
その頃、ハチと謎の男は旅館に隠れていた。
ここなら絶対見つかりませんよとハチは言うが、謎の男は旅館の部屋に置かれた和風の調度品を興味深そうに見ており、ソファ亜などを触っていたが、音楽はない?と言うので、ハチは部屋にあったラジカセのスイッチを押すと、俺、ドラマーなんですよと教え、ところで、あなた、何者なんですか?と聞く。
私は…、君は信じないでしょうと答えた謎の男は、空の上で何をしてたんですか?とハチから聞かれると、別に…と言うので、じゃあ、なんとなく飛んでただけ?散歩みたいにさ?とハチは聞く。
すると謎の男は、いや、帰ろうと思って…と言うので、帰るってどこへ?とハチが聞くと、私の故郷です、2963光年離れているなどと言い出す。
故郷って、じゃあ、地球じゃないわけ?とハチが驚くと、男は首を横に振る。
じゃあ、エイリアン?と八が男を指差すと、地球生活が長いから人間と同じさとおことは答える。
あんた、有名人?とハチが聞くと、私はゴンジー・トライメライと男は名乗る。
ゴンジー・トライメライ?じゃあ、違うな?と首を傾げたハチは、じゃあ、誰に追われている?と聞く。
するとガンジーは、ドアーズと答える。
ドアーズ?とハチが繰り返すと、そう…とガンジーは答え、私の皮膚を欲しがる悪者だとゴンジーは言う。
ふ~ん、やっちまえば?皮膚の切れ端くらいと八が進言すると、それはできない、私のパワーは人の10万倍だから、その遺伝子が欲しいとゴンジーは説明する。
奴らは私の細胞からクローンを造り、それを再生して、何千何万の私を作ろうとしている、そして私のコピー人間達を思うままに操れば奴らの天下だ、史上最強の軍隊だとゴンジーは指摘し、卓上のリモコンスイッチを叩いてしまう。
すると、テレビにはエロ動画が映し出されたので、すごいおっぱいとゴンジーは感心するが、それんじ…、連中は女を憎んでいる、生命の神秘をバカにしていると断ずる。
それを聞いたハチは、女?と言うと、ああとゴンジーが肯定したので、憎んでるって?よくわかんないけど、確かに悪い奴らだなとハチは驚く。
ウンと答えたゴンジーだったが、急にしまった!と言い出し、テレビのリコモンスイッチを切る。
なんだよ?とハチが驚くと、君の友達…、プールで私を見ているから、ドアーズが狙うぞ、彼らには遺伝子向上とファミリーレストランと精神病院が世界中にあるとゴンジーは指摘する。
遺伝子工場?とハチが聞き返すと、ゴンジーは頷き、その場で神経を集中し、どこかの映像を思い浮かべる。
2人は既に捕まっているとゴンジーは念視を通じて判断し、透視がダメだと打ち明ける。
「DOORS」と書かれた回転看板が回っている施設。
中庭で一人踊っていた執事風のとこに、別の男がジュリアス!と呼びかけ、近づいて来た執事風の男(リチャード・ライト)と共にその場を離れる。
待合室のようなところに座っていた男は、係官から男ですか?と聞かれ、サングラスをずらしながら、女に見えると答えていた。
モニカとミミミは、近くに座っていた他の不良から、なんだこのやろう、どこの野郎だ?と因縁をつけられ足蹴にされていた。
静かにして…と係員は不良に注意する。
そこに先ほど中庭で合流した執事のような男と一緒にマオカラーの制服姿の男がやってくると、先生、あそこにおります2人、ゴンジー・トロイメライを知ってますよと全身白服の係員が報告する。
ドクター(根津甚八)は前に進み出ると、そこの二人、君たちから先に診るからとと、モニカとミミミに声をかける。
白服の係員が二人を特殊な椅子に腰掛けさせると、ドクターは始めるぞと係員に指示する。
部屋が暗くなり、スライド写真のようなものが二人の前に映し出される。
一枚の写真を静止すると、これは何に見える?言いなさいとドクターは2人に聞く。
ミミミが鳥だ!と答え、モニカは変わり目雪鳥…、いや南町鳥かな?やっぱり、青い銀鳥!と答え、そばにいた係員にね?と確認する。
写真が変わり、これは何に見えるとドクターが効くと、飛行機だとミミミが答え、ビーチクラフトスーパー4A200とモニカが答えると、君たちは空を飛ぶものに関して異常なまでにコンプレックスがあるようだね?これが?飛行機に見える?良くない傾向だな~、治さなければいけないとドクターは指摘する。
飛行物体へのコンプレックスは幼児期の過保護、および性的欲求不満が原因だとドクターが言うと、何を言うの?言いくるめようと思って…とミミミが抗議する。
するとドクターは、何時?チューをして欲しい?と言いながら迫ってくると、治療してやると言う。
白衣の係員(団次郎)が、ミミミとモニカにヘッドホンをつけ、目の前に眼科の器具のようなものを設置する。
ではもう一度絵を見てと指示したドクターは、これはなんに見えると、最初の写真を指す。
鳥だとミミミが答え、青色ネズミ鳥とモニカは答える。
するとドクターは、違う!これはりんごだ!と訂正する。
そうだな?りんごだな?とその部屋にいた係員達にドクターが問いかけると、そうです、りんごですと係員達は一斉に答える。
りんごじゃないよ、青エリ…とモニカが反論しかけると、目につけた装置から何か電気ショックのようなものを受けたように、苦痛で顔を歪ませ、悲鳴をあげる。
ドクターは2枚めの写真を見せ、これはなんだ?と効くと、ミミミが飛行機と答えたので、違う!とドクターが叱ると、旅客機!とミミミは答え直す。
するとドクターは、これはバナナだ、良いかね?これはバナナだ!と訂正する。
すると係員達も、そうです、バナナですと復唱する。
馬鹿馬鹿しい、飛行機よとミミミが言い返すと、彼女も目につけられた装置から電気ショックを走ったのか悲鳴を上げる。
ドクターはまた一枚めの写真を見せ、これは何だ?すぐに答えろと指示するが、モニカは口を開いても唾の泡が充満しておりきちんと話せなかった。
モニカは目の装置からの電気ショックで、泡を吐き出すだけだった。
モニカに近づいたドクターは、りんご!と言い聞かせたので、モニカはそれに合わせてりんごと答える。
そうだ、あれはりんごだと、ヂクターは満足したように答える。
これは何だ?と飛行機の写真を見せられたミミミは、バナナと泡を拭きながら答えたので、良しとドクターは喜び、私は元来、とても優しいい男なんだと付け加える。
君たちは見たんだろう?空を飛ぶ人間を?とドクターが確認すると、知ってるんだろう?プールにちてそれからどこにいった?と2人に問いかける。
ミミミはりんごと答えたので、もう良いと止めたドクターに、空から降りて来たのはやっぱり人間なのねとミミミは聞く。
するとドクターは、人から質問しているのに質問を返したりしちゃいかん、私はそう言うのは嫌いだと注意する。
ミミミはバナナ、バナナと答えると、どこに行った!とドクターが怒鳴りつけて来たので、知らないよ、本当にとミミミは答える。
良し、これから面白い実験を見せてやろうとドクターは言い出し、2人を手術室に連れて来いと係員達に命じる。
白衣の男(岸部一徳)が待つ部屋に連れてこられたミミミとモニカは、拘束服のようなものを着させられる。
ドクターは、拘束服を着せられた男が手術室に連れ込まれる部屋の前室でそう説明する。
私たち「ドアーズ」は福祉事業もやっている。どうしようもない若者を再教育して、私たちの工場で働かせているんだとドクターは言う。
産業用ロボットを使えばコストは安くなるが、私はどうも、ロボットというのが嫌いでね…、人間の方が好きだとドクターは続ける。
隣の手術室では、柳口少年刑務所より送致、集団暴走、障害、恐喝、矯正不可能、Tリング手術No.30334、両親保護師の承認なしと係員が呼び上げる中、スキンヘッドの青年が装置に拘束されていた。
その青年の前に立ったドクターは、これから手術をするが、怖がることは何もない、君は生まれ変わるんだよと話しかける。
その様子をミミミとモニカも見ていた。
あ~あ、本当にかわいそうだよな~とドクターは青年に同情する。
実は親から知能も才能もない、下等な遺伝子をもらった可哀想な子供なんだ、希望なんかあるわけがないとドクターは言う。
劣悪な遺伝子を受け継いだ子供に、少年よ、大志を抱けという方が無理だ、そこで君はそれを悲観して、世の中に反抗したりしているんだ?とドクターは問いかける。
ドクターは、何か小さな部品を手に取って、これがTリングだ患者に伝える。
トランス・ナイレーションウィン…、つまり「生まれ変わり」のためのリングだと言う。
これを脳に埋め込むと、興奮しなくなる…、興奮系の物質、アドレナリン、ドーパミン、セラトニンなどの作用を抑制する、つまり、感情から怒りというものが綺麗に取り除かれるわけだ、わかるかね?うん…とドクターは患者に説明する。
Tリングを手術器具に装着したドクターは、彼には平和が訪れる、永遠かつ全面的に…と、側で聞いていたミミミとモニカに説明する。
手術用具のスイッチを入れたドクターは、貴様はカスだ!他人が生きるために邪魔なカスだ!頭の中を綺麗にすれば、世の中のために働くこともできる…と患者を罵倒する。
見かねたミミミが辞めてよ!と声を上げると、お節介!あなたこそおせっかいはやめなさい!とドクターは言い返す。
患者の青年の頭に被せられたヘルメットの上部から手術用具を差し込む様を目の当たりにしたミミミとモニカは怯える。
数秒経つと、患者の表情が緩み、ヘルメットなど器具が外されると、もはや青年の目から正気が失われていた。
言語も意味不明になっており、その顔を触るドクターは、なになに?と優しく語りかける。
ちょっと見てご覧、みんな味方だよ、誰も君のことを嫌っていない、みんな君のことを大好きなんだ…とドクターは語り続ける。
患者の青年は、辿々しい口調でありがとうございましたと礼を言う。
ドクターはミミミとモニカの方を見ると、あ、お待たせと微笑んだので、2人は身をすくめる。
白衣の男達が、ミミミとモニカの顔に猿轡のような器具を装着し始めたので、何するのよ!と2人は抵抗する。
手術を終えた青年は連れ出され、代わりにモニカが座らせらると、君たちのことは調べがついてる、君は欲求不満だ、定期的な欲求不満に陥るとミミミに向かって指摘したドクターは、君は一人息子だ、過保護の典型だとモニカを指差して言う。
君らは二人とも、下等でゴミのような人間だ!とドクターは断ずる。
とにかくTリングを入れてあげると言い、ドクターは手術器具のスイッチを触り、そしたら知ってることは全部喋ると告げる。
あんまりモニカが暴れるので、静かにしなさい!と白衣の男(苅谷俊介)がモニカの頭を叩いてヘルメットを装着しとうしたその瞬間、手術室の壁が突然壊れ、ゴンジーとハチが部屋に入ってくる。
白衣の係員達がゴンジーに飛び掛かるが、全く歯が立たず、投げ飛ばされ、ハチも係員を殴り倒す。
ゴンジーは手術台に縛られていたモニカを吸捨するが、その時、ジュリアスがチェーン層を取り出し、ガンジーに襲い掛かろうとする。
ゴンジーは念力で、チェーンソーを弾き飛ばすと、ジュリアスを手術台に投げ飛ばし、ジュリアスは手術台ごと吹っ飛ばされる。
建物の外に逃げ出した、ゴンジー、ハチ、ミミミとモニカは、施設内の人目を警戒しながら駄出しようとする。
先頭を走っていたハチが停まっていた救急車を見つけ運転台に乗り込むと、早く乗れ!これで逃げるぞ!とミミミとモニカ達に呼びかけろ。
ゴンジーは、君たちはその車で行け!私は彼女と行く!と答える。
これで一緒に逃げようよとハチは勧めるが、彼女と東京の空を飛びたいんだとゴンジーは主張する。
おじさん、誰?とミミミが聞くと、後でねとゴンジーは答える。
私結構重いよとミミミが言うと、人工衛星でもOKさとゴンジーは答える。
空を飛ぶの寒いだろうな~とミミミが呟くと同時に、ゴンジーはミミミの体をお姫様抱っこすると、そのまま空中に飛び上がるが、途中で力尽きたように地上に降りてくる。
その時、ミミミは膝を擦りむいてしまう。
敵が迫ってくるのが見えたので、ハチは救急車をバックさせ、やむなくゴンジーとミミミもその車の後部座席に乗り込むとすぐに発進する。
その背後から敵の一味が追いかけてくる。
トンネルをつけたあたりで、モニカはさっきミミミが擦りむいた膝の消毒するが、それを気まずそうにゴンジーは見ていた。
おかしい…、どうしたんだ?とゴンジーは不思議そうに呟く。
楽器などが置いてある倉庫にとりあえず逃げ込んだハチたちだったが、ミミミはずっと落ち込んでいるゴンジーのそばに行き、無言でリンゴを一個差し出す。
それだけ免許取るのにさあ、2万時間くらいかかってるんだぜよ、ドラムの前に座っていたハチが言うと、バカね、ゴンジーに免許なんかいるわけないじゃないとミミミが言い返す。
ねえ、昔は空を飛べたわけ?とモニカが聞くと、2日前まで…とゴンジーは言う。
結婚してるの?とミミミが聞くと、私は本当は人間じゃないんだとゴンジーは答え、ずっと昔、そう、昔に話だ…、誰もが子供のように目を閉じないで夢を見られた…、そんな向い、私は米国東海岸のインスマウスで人間に拾われ、見せ物にされた、腐った魚の臭う石の小屋で…と思い出を語る。
リミチカという名の美しく立派な整形外科医に育てられた、初めて習った言葉はメリー・クリスマス、私には声帯がない、だから喉を震わせて微かな音を出した、メリー・クリスマス、メリー・クリスマス、毎日リミチカと練習した、クリスマス・イブ…、彼女は人々に訴えた、「この子は化け物だが人間の言葉を喋ってるよ…、聞いてやって」と、私は言った、メリー・クリスマス、メリー・クリスマス、リミチカは私を抱きしめた…とゴンジーが語ったので、それを聞いていたミミミはロマンチックね~とうっとりとする。
昔のことさ…とゴンジーは言う。
リミチカって、良いお母さんだった?とミミミが聞くと、悪いお母さんなんていないよとゴンジーは答える。
おはようございます!今日もユーモアの勉強をいたしましょう、ユーモアは人間生活を送る上で必要かつべからざるもので、私たちドアーズに最も欠けているものでございますと、ドアーズの建物内でDJ(三遊亭円丈)の放送が始まる。
それで今日はとびきり面白いジョークのいくつかをご紹介しますから、皆さんは仕事の手を休めても良いですから、思い切り笑いましょう、しかし下品な笑いはいけません、ゲッゲ~!こういうのはいけません、明るく格闘高くハッハッ、これが理想的な笑いですとMCのお喋りは続くな、建物内で笑う人間など一人もいなかった。
海外旅行で加湿器焼いたんだって?どこでやったの?チリ!ハハハハハ…
魚が犬のように吠える国ってどこ?タイワン!ハハハハハ…
この辺の土ってどこで買ったか、わかるんだって?ペキ~ン!ハハハハハ…
そんな中、ドクターはニコリともせず、建物内の研究施設を見回っていた。
ゴンジー・トロイメライ捕獲作戦なる文字が建物内のモニターに映る。
続いてモニターに映ったドクターが椅子に腰掛け、英語で話し始める。
過去238年の間に地球上で異性生物は142種発見されている。
これは発表されてない米ソの科学者間では自明の事である、142種の内神経組織を持った数は39…、の運発達した生物は…とその放送を見入っていたスーツ姿の青年の部屋に来たドクターは、諸君、おはよう!と英語で語りかけると、ちゃんと勉強しとるかね?と日本語に切り替えて話しかける。
青年たちは一斉に立ち上がり、ドクターに向かって直立不動の姿勢になる。
女は劣悪だ、劣悪な子孫をペロリと産む、メスの子宮は必要ないと、ドクターに同伴していたジュリアスが英語で青年たちに語る。
すると整列してた青年たちは声をそろえ、我々は原質操作によるによる種の保存が実現する日まで戦う、キンタマ!と言うと、またモニターの前に座って画面に見入る。
恐るべきパワーと超能力を有するゴンジーを3人目としてエイリアンに加えるのは簡単だが、ドアーズは別の見解を持つ…、それはガンジーが人間の細胞とがん細胞の融合体というものだとモニターの中のドクターは発言し、それを日本語訳で放送していた。
最初ゴンジーはぐにゃぐにゃしたゼリー状の生物だったと想像される、インスマウスの港では西インド諸島からの出稼ぎ漁師の見せ物にした…と続けたテレビモニターのスイッチを消したドクターは、なんとしても、ゴンジー・トロイメロイを捕まえなくてはならないと青年たちに言う。
出撃!電気ドリル、電気チェーンソー!脇の下、キンタマ!袋の裏側を剥ぎ取る、ゴンジー・トロイメロイ死なない、痛み感じない、タマ!とジュリアスが指示する。
その頃、モニカ、ハチ、ミミミの3人はスーパーで食料品の買い出しをしていた。
ゴンジーも同行しており、洋酒の瓶を大量に購入する。
さらにゴンジーは大量のアイスクリームを購入するが、その直後、意味不明な言葉が聞こえたゴンジーの様子がおかしくなったので、それに気づいたハチが、どうしたんですか?と聞くが、ゴンジーはなんでもないと言うだけだった。
ミミミも心配し、どうしたん?と聞くが、ゴンジーは微妙に体を震わせ、トメート、トメートというだけだった。
目の前にトマトが積んであったので、トマト食べたいの?とミミミが聞くと、違う!と急にゴンジーが叫んだので、3人はびっくりする。
その後、スーパーからん帰り道、えらい目に遭いましたねとハチが話しかけると、50cm以内にトマトが来るとパワーがなくなる、私の小屋の隣にトマト畑があって、いつも声がしていた、トマト語でねとゴンジーは打ち明ける。
トマトはなんて言うの?とミミミが聞くと、それがね…「お前なんか大嫌い」って…、ジュースは良いんだけどとゴンジーが説明したので、誰でも怖いものあるよとミミミは答える。
大丈夫?とゴンジーが聞くと、そう、大丈夫、マイフレンドとミミミは答え、自分が持っていた荷物をゴンジーに持たせると、急に歌い、踊り始める。
とうとうシューズを脱いでハチとモニカに投げ渡すと裸足で踊り、背後に泊まった車がスポットライトのように灯りをつけたり消したりしたので、それを見たゴンジーは嬉しそうな表情になる。
サファリの絵が書いてある大型トラックの中で生活するようになった4人だったが、ミミミとゴンジーはスーパーで買ってきた食料で料理を始める。
そこに、あ~あ、腹減ったと言いながらハチがやってくる。
ゴンジーが饅頭生地のようなものにアイスを詰めているので、それ、中まで火が通らないんじゃないの?と聞くと、外が熱々、中はヒヤヒヤが良いんだとゴンジーは言う。
その饅頭のようなものの生地に瓶の液体を振りかけていたので、それはなんですか?とハチが聞くと、リキュール、ゴールド・ウォーターとゴンジーは教える。
中に入っているの、金箔?とミミミが聞くと、そう、綺麗だろう?とゴンジーは言う。
ちょっとその液体を味見させてもらったミミミは、甘~い!と喜び、ゴンジーは、私の飲み物だと教える。
その時、モニカが瓶ビールの蓋を開けようと苦心していたので、ゴンジーが横から便を受け取って、見ててと言って念じると、蓋が光って吹っ飛び、ビールが噴水のように飛び出す。
飛んだ蓋は近くに置いてあったエレクトーンの鍵盤にぶつかり、音楽を奏でたりしたので、ちょっとやめてよとモニカは注意する。
でも、どうして飛べないの?とハチが聞くと、わからないとゴンジーが言うので、歳のせい?とハチが重ねて聞くと、ひどいな~とゴンジーは不機嫌そうに答える。
テーブル上の鍋で煮ていたものを、モニカは小皿に取って食べようとするが、ゴンジーが手を出さないので、ミミミが食べないの?と聞くと、ゴンジーは左手で鍋の湯の温度を確認し、適温と判断したらしくいきなり用意した饅頭か餃子のようなものを湯の中に入れたので、鍋の中はいきなり沸騰し、水蒸気が巻き上がり、モニカやミミミ、ハチたちは慌ててテーブルから逃げ出す。
天井の照明器具もショートして火花が散る中、ゴンジーだけが何事もなかったかのように、饅頭生地のようなものを鍋に入れ、ゴールド・ウォーターをうまそうに飲んでいた。
トラックの外に逃げ出したモニカやハチたちは恐々中を覗き込むと、ゴンジーは買ってきた調味料などもビンゴと鍋に入れたりしていたので、モニカはやめてよ、僕の汁めちゃめちゃじゃないかよ!と絶叫する。
車に積んであったシンセサイザー類はショートし、エレクトーンは謎めいた音を発したりし、モニカはハチから抑えられながらも、止めろよ!返せよ!とパニック状態になり、あ~あ、やだよ、こんなの…と絶望する。
トラックで倉庫に戻ってきた後、壊れたシンセサイザーの始末をしようとしていたモニカは冗談じゃないよ、全く!と癇癪を起こす。
流石に自分の行動がモニカを怒らせたと悟ったゴンジーは、この金貨でシンセとトレーラーを買ってくれとポケットから金貨を出して申し出る。
わかってないよ、違うんだよ!わかってないんだよ、なんでも金で解決しようとするんだ、僕の親父と一緒だよ、金で買えるようなシンセじゃないんだよ!僕がコツコツ作った赤ん坊みたいなものだったんだ、あんたが赤ん坊を殺したんだよ!とモニカはゴンジーを攻める。
それを聞いていたゴンジーは、君は妊娠していたのか?と勘違いしたので、例えだよ、ものの例え!そんな大事なものだったんだよ!あんたは人の気持ちを金で保証しようとしてるのかよ!とモニカは逆上する。
それを側で研磨作業をしながら聞いていたハチは、あまりキツくいうなよと嗜めたので、あれ?ハチ、お前関係ないんだから黙ってろよと文科は言い返す。
するとミミミも、モニカ大声出さないで、みっともないよと注意してくる。
これにはモニカは、あれ?なんで可哀想な僕がみっともないなんて言われなくちゃいけないんだ?ハチ、お前は知らないんだよ、ミミミはね、惚れてるんだ、この化け物に…、みんなそうだよ、日本のノータリンな女ものどもはみんなジンガイに弱いんだから…と言い出したので、何言ってるの、あの楽器だってみんな家の人に買ってもらったものじゃない、そんなあんたがみっともないって言ってるのよとミミミは言い返す。
するとモニカも、そんなあんたはどうなのよ!と言い返す。
それは無視したモニカは、ハチ、こいつはね、ミミミはね、シャンパン飲ますとすぐやらせてくれるんだぜとチクる。
プールでこの化け物に会う前の夜だよ、僕やったんだから!シャンペン6杯ですぐやらせちゃうんだから、お前もやってみろよ!とモニカの悪口は止まらない。
黙れよとハチは小声で注意するが、ミミミはな~…とモニカが続けようとするので、うるせえ!と怒り出したハチはカップを投げ捨てたので、たまらなくなったミミミはやめてよ!と叫ぶ。
流石にモニカは反省したのかミミミに近づいてくるが、それを避けたミミミは、ゴンジー、どこ行ったの?と探し始める。
それを見たモニカは、あいつバカかよ、あんなジジイ、放っときゃ良いじゃないかよと悪態をつくと、詰め寄ってきたハチが、バカはお前だよと言いながらモニカの胸ぐらを掴むと叩きつけ、ミミミを探しに行く。
倉庫の外は暗くなっており雨が降りしきっていたが、ハチはミミミを追いかける。
土砂降りの雨の中、ゴンジーを探して外を歩いていたミミミに、小降りになった時、ハチが追いついたので、それに気づいたミミミは、ハチ、ごめんねと詫びたので、ごめんって何だよ?とハチは聞き返す。
モニカが言ったことは本当なのよとミミミが言うと、俺に謝るってどう言うことだ?とハチは聞く。
でも…とミミミが言うので、関係ない話なんてするなよとハチは叱る。
側に腰掛けたミミミが、私ね…と言いかけたので、良いよ、分かって、だいたいわかってるんだ、何も言うなとハチは答える。
うん、まあねとミミミが言うと、元気ねえからさ、俺のことなんてとハチは答え、ミミミの横に腰掛け、全然リアリティねえからな、お前はイカしてるよ、足とか目とか色々な…、喋れるとことかよと答える。
その~、俺はお前だけで良いんだよ、他のことや他の奴のことなんかどうでも良いんだ、お前は何も変わってねえし、そう変わるもんでもねえし…、ミミミは全然変わってないよと笑って話しかける。
ハチの言葉を聞いたミミミは頷きかけて泣き出してしまう。
ハチも立ち上がり、ポケットからハンカチを取り出すが、びしょ濡れだと気づいて急いで絞ってミミミに手渡す。
でもよ…とハチが言うので、何?とハンカチで涙を拭いながらミミミが聞くと、お前と裸でロップに入ってそっと抱き合ったら嬉しいだろうな?とハチが言うので、ミミミが唖然とすると、冗談だよ、冗談!冗談に決まってるじゃないかとハチは慌てて言い訳し、どこ行っちまったのかな、全く…と、ゴンジーのことを思い出し、ま、風邪は引かないだろうけどなと冗談を言う。
やがて、ビルの夜景を眺めながら、ゴールド・ウォーターを眺めていたゴンジーを二人は発見する。
ゴンジー!とミミミが声をかけると、振り向いたゴンジーは、何?と聞いてくる。
ミミミが近づき、それ、飲ませてくれない?冷えちゃった…と頼むと、ゴンジーはハンカチを取り出し、飲み口を拭いた上で手渡してくる。
一口飲んだミミミが、甘~いというと、俺も飲んで良い?とハチも聞いてくる。
ゴンジーは良いよと快諾したので、ハチもミミミから受け取った瓶の中身を口にする。
そして、ずっといれば良いじゃない、地球にとハチはゴンジーに語りかける。
しかしゴンジーは、帰りたいんだと夜空を見上げながら答える。
その時、ハーモニカのメロディーが近づいてきて、それはモニカが噴きながら近づいているのを3人は気づ木、ハチとミミミ、ゴンジーらは互いに顔を見合わせて笑い合う。
4人は仲直りし、また倉庫の中に戻ると、モニカとハチはエレキとドラムで音楽を奏で、ミミミはゴンジーが運転するスクーターの後ろに乗っていた。
これからどうしようか?ここもいずれ見つかるぜとハチが言い出すと、またドアーズが追いかけてくるだろうしとモニカも賛同する。
ハチは、どうやったら飛べるようになるのかな?と言うので、練習するしかないよ、その度に練習しなくちゃ…とスクーターの後ろに乗ったミミミがハンドスピーカーを使って答える。
ねえ、飛べなくなった原因は?と、エレキを弾きながらモニカが聞くと、バランスの問題かな?とゴンジーはミミミが差し出したハンドスピーカーに向かって答える。
するとハチも、バランスの問題か!と納得したようにドラムを叩き出す。
そして、あるよ、あるよ、最高の練習法!とハチは思いつき、スティックである方向を指す。
ハングライダーねとミミミも気づく。
ねえ、どこでやる?とエレキを弾きながらモニカはハチに聞く。
最高のポイントはサイパン!と言いながら、ハチは壁に貼られた観光ポスターを指す。
早速4人は飛行機に乗ってサイパンへと向かう。
窓から外を見たハチが、飛んでる時ってこんな感じ?とゴンジーに聞くと、もっと早いよとゴンジーは答える。
サイパンに到着した4人はジープでレイ子(青地公美)の住まいに到着すると、ハチ!と出迎えたレイ子は喜び飛びつくと、久しぶり!と言い、遅れてジープから降り立った3人に、いらっしゃい!どうぞと家を指す。
ハチはそんなレイ子に変わってねえなと言うので、レイ子はそう?と答える。
室内に落ち着いたレイ子は、ゴンジーを見て、この人は?と聞いてきたので、自殺岬から飛ぶんだよとハチが教えると、ちょっと冗談はやめてよと玲子が不機嫌になったので、冗談じゃなくてさ、この人すごい人なんだよとハチは紹介する。
事故でも起こしたら指導員の免許取り上げられちゃうのよ、そっちが死ぬのは勝手だけどとレイ子は注意する。
それが死なないの!とハチが断定したので、ハチ、知ってるじゃない!自殺岬はプロでも飛べるのよと玲子が言うと、知ってるよとハチが言うので、落ちたら死ぬのよとレイ子は念を押す。
あの〜、それが絶帝に死なないんですと、ビール片手に話を聞いていたミミミが答え、うん、死のうとしても死なないんですよとモニカも続けたので、あんたたち、ふざけるのもいい加減にしてよとレイ子は怒り出す。
するとミミミが、オオハシの玩具を見ていたゴンジーに、ちょっと良い?と言いながらビールを手渡すと、ゴンジーは受け取って、オーケーと承知する。
ハチも、ちょっと見てご覧とレイ子を誘ってソファから起き上がる。
レイ子は、何?と言いながら、ゴンジーが向かった窓辺に近づく。
するとゴンジーの持っていた瓶ビールの栓が銃弾のように外に向かって発射し、外に干してあった洗濯物を落としてしまう。
な?とハチが言うと、呆気に取られながらも、うんと答えたレイ子は、じゃ、ちょっとやってみようかと言い出す。
ジープ2台で岬に向かった一向だったが、ゴンジー、このカイトはあくまでも人間に合わせて作ってあるんだからね、ゴンジーがもし全力で走ったら折れちゃうとハチは忠告する。
ゴンジーはわかってると答える。
ゴンジー、念を押すけど、ほどほどに走るんだよと、カイトに体を装着したゴンジーにハチが再確認する。
ゴンジーはまたしても、わかってると答え、カイトを持ちあがて立ち上がると、ゴンジー!とそばで近所の子供達と腰を下ろして見物していたミミミが声をかけて来たので、ゴンジーは思わず笑顔になる。
ゴンジーがカイトを持ったまま走り出すと、ハチとレイ子、子供たちも一斉に立ち上がり一緒に走り出す。
しかしゴンジーは転んでしまったので、それを見た子供達は笑い出す。
ハチがすぐに駆け寄り、カイトを起こし、そこの方が風が良さそうだなと、レイ子の助言で別の方向を指差す。
レイ子!とカイトを支えていたハチが声をかけると、良いわよこの辺で、とカイトの先っぽを持って誘導していたレイ子が答える。
放すよ!とハチが言うと、オーケーとレイ子も答え、カイトを地面に置く。
子供達はちょっと距離を置き、腰を下ろす。
ゴンジーは再び立ち上がり、カイトを持ったまま走り出す。
ハチとレイ子が並走し、ハチが飛べ!と声をかけるが、またゴンジーは転んでしまう。
子供達はまた笑い出し、ミミミは心配そうに見守る。
レイ子とハチがまた駆けつけ、大丈夫かと確認すると、ああとゴンジーは寝そべった格好のまま答える。
ミミミたちに近づいたレイ子に、どう?と声をかけたミミミは、どこが悪いの?と聞くと、あのおっさんにはバランス感覚がないのよ、きっと自転車に乗れないでしょうとレイ子は言う。
それを聞いたモニカは、そうだよな〜、空を飛べたんだもの、自転車に乗る必要なんてあったわけないよな〜と言うと、ミミミもそうねと同意したので、人間の作った道具なんか全く必要なかったんだろうねとモニカは指摘する。
もう一度頑張ろうか?とハチが声をかけると、ダメだよ、こんな原始的な乗り物とゴンジーは答える。
それを聞いたハチはその万事あぐらを組み、ゴンジー、人間の作ったものを馬鹿にしちゃダメだよ、地球には人間の作ったものしかないんだから…、カイトを信頼しなくちゃ…と注意する。
OK、やるよとゴンジーは答え、再び体勢を整える。
良いな?とハチが声をかけると、頼むよ…、頼むよとゴンジーは答える。
そっちは崖だよ!とハチが走り出したゴンジーに警告するが、そのままゴンジーは崖から空中に飛び出す。
それを見たハチは、飛んだ…、飛んだ!と喜び、そばで見ていたミミミや子供達も駆け寄ってくる。
ゴンジーはカイトを操り、島の周辺を飛び続ける。
それを見て地上から声援を送る子どもたち。
夜、バンド演奏を聴きながら夕食を取っていたゴンジーは、明日飛べたら、そのまま帰ると言い出す。
それを聞いていたレイ子は、結構男男していると思っていたけど可愛いのねと言い、ね、彼女、飛ぼうねとミミミにも声をかける。
ミミミは、うん、最高!と上機嫌で、ゴンジーはハチに、男が可愛い?変だねと語りかけ、ああとハチも答えるが、それを聞き咎めたレイ子が、あら、男と女にはね、それぞれ二種類ずつしかいないのよ、退屈しない女と退屈な女、可愛い男と可愛くない男と断ずると、うん、それ言えるよとミミミも賛成する。
その時、アロハ姿の現地人がいきなりゴンジーのポラロイド写真を撮り、いかが?と差し出してきたので、断ると、そのカメラマンはその写真をレストランの支配人に持っていき、支配人はその場で自分が持っていた別のゴンジーの写真と今渡された写真を照合してみる。
確認した支配人はその場で電話をかけ、東京へ国際電話と告げる。
閉店後のレストラン、一人椅子に腰掛けていたミミミは、ゴンジーが明日飛べたらそのまま帰るという言葉を思い出し、寂しがっていたが、それに気づいたモニカがラジカセを持って横に座り、うわ〜、すげえ、海に星が写ってるよ、ミミミ、君の瞳にも星が写ってるよと甘い言葉を投げかける。
するとミミミは、モニカ、君の瞳にも何か写ってるよと答えたので、何とモニカが聞くと、やりたい、やりたいってとミミミが答えると、分かる?とモニカも言う。
しかしミミミは、私もうモニカとは寝ないよと宣言したので、ええ!そんなこと、誰が決めたの!とモニカがマジになると、決まってるでしょう、バカ!とミミミが言うので、そんな大事なこと一人で決めちゃダメだよとモニカは抗議する。
とにかくもう寝ないから!とミミミが強調すると、あのな、周りを見てみろよ、海だろう?星だろう?椰子の木だろう?ここはサイパンだろう?こう、官能的になんないの?こんな夜にやらなくていつやるの?サイパンでやらずしてどこでやるの?とモニカは迫り、あ、お前、ハチに気兼ねしてるんだろう?と指摘する。
大丈夫だよ、大丈夫、あいつはレイ子ってこと出来てるからとモニカは勝手な推測を言う。
ハチは関係ないとミミミが断言したので、そう…、じゃあやろうよとモニカが誘うと、イヤ!とミミミは拒否する。
大声出すぞとモニカが脅すと、怒るよ!とミミミも言い返し、席を立ったので、その後を追ったモニカは、じゃあミミミはもう僕のこと嫌いになったの?と聞くと、もうやめよう、もんか、疲れたよとミミミは答える。
そうだな、疲れたな…、しっかし僕たち疲れやすいと思わないか?きっと日本始まって以来の疲れやすい世代だよな、こんなところで疲れてていいのかな?などとモニカは夜の海辺に近づきながら言う。
こんなとこって何よ?とミミミが聞くと、昔の人はここで戦争してたんだろう?とモニカが教える。
翌日、万歳岬の突端に立ったゴンジーは、スーツを着て、アメリカ国歌が流れる中、準備されていたカイトに近づく。
ハチはゴンジーの服の中をチェックし、ゴールド・ウォーターの瓶を見つけると、なるべくいろんなものは持って行かない方が良いんだけどなと注意する。
するとゴンジーは、長旅なんだよ、暗くて本も読めないんだからと言い訳をする。
ハチは仕方なさそうに、わかったわかったと答え、ゴンジーに装具をつけさせる。
くれぐれも忘れないでねとハチが念を押すと、君たちを忘れるものかとゴンジーは答えるが、違うよ、あんまり張り切ると、カイト、折れるんだからねとハチは忠告する。
ゴンジーは、ウンと答え、カイトを抱える。
そばにいた楽団は、シューマンの「トロイメライ」を演奏し始める。
その時、見送っていたミミミがゴンジーに駆け寄ってキスをする。
楽団の指揮をやっていたモニカがそれに気づいて、何やってんだ、あいつ?とハチに聞く。
ゴンジーが、え?と驚くと、人間の女と寝たことはある?とゴンジーの首に手を回したままミミミが聞いたので、ちょっと考えたゴンジーは、あるよ、一度だけ、お口でね、私の精液は弾丸より速いから…、即死だった…と答える。
ミミミはすごい!と感心するが、思い出しても心が痛むとゴンジーは悲しげに言う。
ミミミはその後も2度続けてキスしたので、見ていたハチやモニカは唖然とする。
笑顔になったゴンジーは、諸君、いろいろありがとう、グッバイ、さよなら…とモニカやハチたちに礼を言い、走り出すとカイトは浮上するが、すぐにカイトが壊れ、ハチがダメだ!と叫ぶと、カイトが崖下に墜落する。
その頃、サイパンの飛行場には東京から怪しげな日本人たちが降り立っていた。
ジープで崖下に向かう途中、運転していたハチは、ミミミが悪いと助手席のミミミに文句を言うので、何で?とミミミが聞くと、キスなんてするからゴンジー興奮して全力疾走しちゃったんだぞと言う。
後部座席のモニカも、反省しろ、お前!などと罵倒してきたので、ゴンジーの唇ってすんごいよ、立体みたいなんだもんと嬉しそうにミミミが言うので、男たちは黙ってしまう
やがて、ハチが、あ、あそこだと墜落場所を見つけて指差す。
地上に座り込んでいたゴンジーを発見したミミミは、ゴンジー、怪我はない?と声をかける。
怪我なんてするわけないだろうとハチが言うと、失敗しても怪我もできないんだ、辛いだろうな…とモニカは同情する。
ゴンジーの筋肉は君たちの一万倍の強さだ、男性の平均筋力の9985倍、特に右手の握力は600トンもあるなどと、サイパンの教会の中でジュリアスが日本から来たサングラスをかけた青年たちに説明していた。
捕まえる時には上腕二頭筋と前脛骨筋と大殿筋を押さえる、そこなら我々の十倍程度だから何とかなるとジュリアスの説明が終わると、それまでオルガンを弾いていたドクターが、最悪の場合はゴンジー・トロイメライにくっついている女の子を誘拐すると指示する。
すると、サングラスの青年の一人が、僕、女嫌いと発言し、ジュリアスも、そう、女は豚だ!と罵倒する。
教会内に音楽が流れ、女も子供の頃はかわいい、一番悪いのは彼女らの子宮だ、俺たちは死ぬまで、あったかくて気持ちいい子宮を忘れない、子宮は必要ないとジュリアスが歌い踊り始め、サングラスの青年らが踊り始める。
ジュリアスの背後には黒の下着姿のドールが寝かされているベッドが出現する。
そんな様子をドクターは含み笑いしながら眺めていた。
女と無関係に生きよう、女は汚い、思い出してみよう、俺たちはなぜ寂しかったか、ギャアギャアわめきゲロゲロ吐いて、愛に飢えて街角をさまよった、くそ!子宮が恋しかった!子宮のせいなんだ、兄弟もうやめようぜ、世界を汚しちゃいけないんだ、俺たちは世界をクリーンにする、単性生殖だ、もう子宮はいらないなどと歌に合わせ、ジュリアスが女性型ドールと一緒に踊り狂う。
ドアーズはここに宣言する、豚も牛も羊も人間もメスは必要ない!と歌ったジュリアスは女性型ドールを蹴飛ばす。
一方、雨の降るなか、ホテルに戻ったゴンジーは、暗い室内の中で汚れたスーツにアイロンがけしていたが、それを見ていたミミミが、アイロン上手ねと褒める。
リミチカ亡き後、ずっと一人さとゴンジーは教える。
窓の外を眺めていたハチは、パラシュートか…と思いつき、ゴンジーを雨上がりの夜、テニスコートに呼び出すと、コートに説明図を描き始める。
コートの横では、ミミミとモニカがテニスをする真似をしていた。
そんなコートの様子を謎の一軍が近くから監視してた。
ハーネスは?とゴンジーが聞くと、ハチはコートに説明図を追加し、これを外してボン!と身振りも交え説明する。
それで飛ぶんだね?とゴンジーも理解する。
双眼鏡で監視していたのは謎の青年たちで、その横ではジュリアスとドクターがカードをしていた。
翌朝、ゴンジーは再び正装し、出発の時間を待ち侘びてた。
一方、ドクターは、5人のサングラスの青年たちに見守られ、海辺に用意していたヘリに乗り込んでいた。
じゃあなとドクターが言うと、サングラス青年たちは用意されていたバイクのそばに整列し、飛び立つヘリを見送る。
ハチはミミミとモニカと乗ったボートからロープで繋いだパラシュートを背負ったゴンジーに、良し行くぞ、ゴンジー!ボートが走り出したら軽く砂浜を蹴るんだぞ、軽くなと呼びかける。
わかったとゴンジーは答える。
ハチはボートのエンジンをかけ走り出すと、ボートのロープに引かれたゴンジーのパラシュートが浮かび上がる。
後1分で上昇地点を通過するぞとボートを操縦雨していたハチがモニカに伝える。
ああ、ねえ、信号弾は僕が撃つよとモニカが答え、信号弾を手にする。
良し、ベストポイントだとハチが判断し、撃て!と命じたので、行くぞと答えたモニカは信号弾を発射する。
パラシュートの近くで信号弾が破裂し、それを合図にゴンジーはパラシュートを切り離し、両手を伸ばして飛ぼうとするが、全く飛ぶことはできず、そのまま海面に落下してしまう。
ボートでそれを見ていたモニカはあっと驚き、ミミミは思わず笑ってしまう。
ハチはボートを旋回させ救助に向かうが、一足先に接近したヘリにドクターと一緒に乗っていたジュリアスは、ゴンジー、落ちた!とハンドマイクを持って嘲る。
ドクターも笑いながら、ハンドマイク越しに、飛べないんだ、良し、追え!と操縦士に命令する。
ボートから浮き輪を投げたモニカだったが、ヘリが接近していることに気づくと、あ、あいつだよ!と驚く。
ドクターはヘリからハンドマイクを使ってお早う!元気かね?と呼びかける。
ハチとミミミが手を貸してゴンジーをボートに引き上げると、それをドクターの乗ったヘリが追尾してくる。
着岸したボートから4人が降りてジープに乗り込むと、ジープを見失うな!とジュリアスが無線で命じる。
やがて走るジープの前に後部ドアを開けっぱなしにしたトラックが割り込み、荷台から青年らが乗った5台のバイクが降りてくる。
逃げるジープを5台のバイクとヘリが一斉に追跡する。
運転していたハチはジープを道路脇の砂浜に向かわせるが、バイクもその後を追ってくる。
ヘリも海面スレスレを飛んで追って来て、やがてドクターがヘリから手榴弾を投下してくる。
バイクが二台転倒し、脱落。
残った三台が追跡を続行、落ちた爆弾で炎上した建物の中をバイクが突っ切る。
そんな中、「サイパン トマト フェスティバル」と書かれた看板の前で、トマトを大量に飾ったイベントが行われ、一人の日本人(小松政夫)が現地の人たちを前に挨拶をしていた。
私がステイヒア、この地にトマトを栽培しようと思ったのは、忘れもしません、私の戦友の一人がジャングルで死に至る時に、私の手を取って、あ〜、トマトを食いたいな、しかも今成のトマトが食いたいな…と話していると、感極まったのか急に泣き出し、アイムソーリーというと、やっと私はこの地サイパンで、トマトの栽培にサクセス、成功したわけでございます…と続けるが、その時、クラクションと共に、ジープとバイクが接近し、驚く日本人や観客を前に通過していく。
ジープに乗っていたゴンジーは、通過する道端に置かれている大量のトマトからまた謎の声を聞き、能力が弱っていく。
現地の人が被った大きなトマトの被り物キャラにもゴンジーは驚く。
ジープとバイクはイベント会場を走り回ったので、次々に台に置かれたトマトが地面に落下していく。
ゴンジーは周り中から聞こえてくるトマトの声に発狂しそうにな李、車内で、トメイトー!と絶叫する。
ハチはその音量で手元が狂い、ジープはトマトの山に突っ込んで転倒してしまう。
バイクから降りた青年たちは、頭を負傷して動けなくなったハチと口をパクパクさせているだけのゴンジーを発見、そこにドクターらのヘリが着陸する。
嬉しそうなジュリアスと共にヘリから降り立ったドクターは、まだハンドマイクを持ってグッドアフタヌーン、エブリボディと挨拶し、青年たちもメットを外し、グッドアフタヌーン、マスターと答える。
トマトの中で倒れていたゴンジーに近づいたドクターは笑いだし、そうか、お前はトマトに弱いんだと指摘し、ゴンジーの頬を叩いて、自分は落ちていたトマトを拾い上げ齧り付く。
そして青年たちに手で合図をすると、青年たちはすぐさまゴンジーをジープの中から連れ出す。
それを見守る観客の背後の木陰の中にはモニカがおり、その様子を心配そうに見ていた。
ドクターの前に連れてこられたゴンジーには、トマトが近づけられ、さらにはトマトを描いたお面まで」頭につけられた状態で、こんにちは、ゴンジーさんと、ドクターと親しいらしき現地人が挨拶する。
ゴンジーはすでに廃人同然だった。
やがてゴンジーは、トラックが何台も出発していた日本の「ドアーズ本部」に連れてこられる。
本部内では、Tリングを脳に入れられ、無感情になった若者らが調理室で作業を行なっていた。
その中にはハチも混じっており、無表情なままドラムを叩く振りだけする青年に成り果てていた。
館内放送では、業務連絡、冷凍エビフライ部門、485号、エビフライが足りないぞ、すぐに補充するんだ!485号、485号!無視するなと注意されていた。
そこに警備係の看護人(武田鉄矢)がやって来て、485号と呼び掛けられているハチに近づき、何やってんだ、こら!と声をかける。
エビフライが足りないんだろう、おら!と言いながら、ハチの後頭部にジャックを差し込み、ほらほら、しっかりやんなきゃと注意する。
ドラムを叩く真似をやめたハチは、他の作業員に促され、冷凍エビフライの箱をベルトコンベアに乗せる作業を再開する。
その頃、ゴンジーは周囲にトマトを積まれた手術台に寝かされ、チェーンソーを使って解剖されかけていたが、ダメか?届くたが聞くと、どうもこいつ、筋肉を硬くしているみたいで、皮膚を剥ぎ取るまでいかないですねと白衣の男(岸辺一徳)が答え、もう一度ちょっとというと作業を再開する。
しかし、チェーンソーはゴンジーの胸の一部に接触しただけで歯がこぼれてしまう。
ダメだという白衣の男に、特殊なニトログリセリンで吹っ飛ばしてみたら?とドクターがアドバイスすると、う〜ん、どうですかね〜と白衣の男は迷う。
レーザーか?ともう一度どげが提案すると、それしかないでしょうと白衣の男も同意する。
ドクターは、レーザーは明日アメリカから届くことになっていると言う。
その時ゴンジーの顔を見た白衣の男が何か言ってますよと気づいたので、ドクターは収音マイクと指示する。
ゴンジーは、私の細胞はトマトで弱りきっている、切り取っても無駄だ、地球人なら死にかかってる重病人だ、培養液に漬けてもすぐに死ぬと言っていた。
それを聞いた白衣の男は、そうなんだよな〜と納得していた。
だけどトマト取っちゃったら、また暴れて、とっても怖いもんねと同じくひげの白衣の男(苅谷俊介)が言う。
できたらこいつの一番元気な時の細胞か、ベストコンディションの遺伝子が欲しいですねと白衣の男が言うので、そんなのわかってる!とドクターは怒鳴りつける。
その時、何かを思いついた白衣の男が、なんとか空を飛ばすことはできないですかね?データによるとこの人の筋力は空を飛んでる時がピークなんですと指摘したので、こいつはもう空を飛べないんだとドクターは教える。
飛べなんですよね〜と白衣の男が落胆すると、髭の白衣の男が、うん、そうだ、なんかにいわりつけて縛り付けてくくりつけて飛ばしたらと思いつく。
それを聞いたドクターも、そうだな…と思い直し、ロケットは?と提案すると、言い出しっぺの義解の白衣の男も頷く。
ドクターは、おい、テレックスを打ってくれ、レーザーと一緒に小型ロケットを送れと伝えると、部下の二人がはいと返事し、部屋を出て行こうとするが、ああ、2000mも上がってすぐに落ちてくるような中古品で良いとドクターは付け加える。
手術台の元に戻って来たドクターに白衣の男がドクターと呼びかけ、集音器に向かってゴンジーが再び話しかける。
明日、私は筋肉を緩めて君達に協力しても良いと言うので、何?とドクターが困惑すると、その代わり、みみをとハチを釈放してくれとゴンジーは頼む。
う〜んとちょっと腕組みをして考えたドクターだったが、良し、いだろう、あの娘の手術は明日だ、オーケー、今すぐ釈放しようとドクターは伝える。
その頃、赤い振袖に着替えさせられて閉じ込められていたミミミは、ゴンジーのことを英語で説明するドクターの映像が流れるモニターを見ていた。
最初ゴンジーはぐにゃぐにゃしたゼリー状の生物だったと想像される、インスマウスの港では西インド諸島からの出稼ぎ漁師の見せ物にした、魚倉庫が見世物小屋だった、ゴンジーは魚の骨と血を主な食糧として育ち、自ら造形運動を行なっていったと思われる…と日本語訳の吹き替えを聞くミミミ。
そんなミミミをジュリアスはモデルにして写真を撮ろうとしていた。
地球上の生命進化の過程、大気の背景運動過程、ひとりでに歩み始めたのである、その当時、彼の世話をしたのは精神分裂病の女だった…と吹き替えはまだ続いていた。
ヒミチカ?と思わずミミミは呟くと、そうだとジュリアスが答えたので、テレビ消してよとミミミは頼むと、君が見たいって言ったんだ!とジュリアスは抗議する。
テレビの中では、古い時代の人物写真がアップされようとしていた。
女はなんでも見たがるが、真実からは目を逸らすとジュリアスが皮肉を言い、ブス、死刑と言いながらテレビのスイッチをリモコンで消す。
ゴンジーは、ヒミチカは綺麗な人で整形外科医って言ってたよとミミミがテレビに背を向けて言うと、嘘に決まっているとジュリアスは断定する。
それでもミミミは、それでもヒミチカはゴンジーに言葉を教えたのよと主張するので、相手は化物だぜ、ヘレン・ケラーだって無理だ、ばか!とジュリアスは言い返す。
ゴンジーに故郷はないんだとミミミは気づく。
その時、強いていえば海の中かな?と声が聞こえる。
ジュリアスは見栄だ、夢物語だ、夢を語ると若いパーの女にモテると思ってる、オジンは見栄っ張りと言うが、そこにやって来たドクターは、君は釈放だよ、来なさいと言いながらミミミの肩に手を乗せる。
耳みは、ゴンジーの手術台のところに連れてこられるが、そこでは3人の白衣の男らがゴンジーの口元に何か液体を注入しようとしており、日向白衣の男がゴンジーの腹部を押さえつけながら、こうしないと食べてくれないんだよねと言い訳する。
ドクターが白衣の男たちに、おい、少し話をさせてやれと命じる。
ゴンジーと話しかけた耳みは、襟元からハンカチを取り出すと、集音器をどかして、ゴンジーの汚れた口元を拭いてやる。
良し、もう良いだろう?とドクターが言うと、ジュリアスがミミミの肩を引いて下がらせる。
その時、ゴンジーが、ミミミ!と呼びかける。
ミミミが顔を近づけると、大丈夫?マイフレンド…とゴンジーは呼びかける。
その優しい言葉に感動したミミミは泣きながら建物を後にする。
泣きながら都内のマーケットに戻って来たミミミだったが、ちょいとそこのかぐや姫、何を泣いているの?と呼びかける口元を隠した物売りの女(研ナオコ)がいた。
私のこと?私、かぐや姫じゃないよとミミミが答えると、口元から手を退けた女は、アメリカ製のジューシーキャンキャンはいかがかな?と商品を手に勧めてくる。
どんな野菜も果物もこれを振りかけると、あっという間にジュースになってしまうんだよと物売り女は言う。
ミミミは呆れて通り過ぎようとするが、女がスプレーを目の前に置かれた皿の上のリンゴに吹きかけたのに気づいて振り返ると、リンゴは見る間に萎んで行き、ジュースになったので、あっという間に果物がジュースになるの!と戻って来て確認する。
女はその通りと親指と人差し指を合わせながら言うので、トマトも?とミミミは聞くと、トマトはトマトジュースになるんだよと教える。
コップに入ったリンゴジュースを飲んでみたミミミは、おばさん、全部買うよと言い出す。
スクーターにジューシーキャンキャンの箱を連結し、モニカの倉庫に帰ってきたミミミは、卑怯者!と罵倒したので、そこにいたモニカはあの時僕に何ができたって言うんだよ!な〜んちゃってね、そうだな、みんなを置き去りにして逃げちゃったんだから、妥当な遺伝子を持ったカスなんだよと答える。
ちょっとエレクトーンを弾いてみたモニカは、キーボードが壊れていたので、僕と同じ、もうおしまいだと言う。
砂糖だろうがコアだろうが、しようがないよ、自分の遺伝子なんだもんと答えたミミミは、そうだ、しようがないよなとやけになって寝そべったモニカに、ちょっと手伝ってよ、考えてばかりいると病気になるよと言いながら、ジューシーキャンキャンの箱を下ろし始める。
うん、なんだよこれ?とモニカが箱を見て聞くので、箱からスプレーを一本出してみたミミミはその場で空中にシュッと吹き出して見せる。
翌朝「ドアーズ」の敷地内では、ドクターとジュリアスと作業員たちが、ストレッチャーに乗せたゴンジーを運んでいた。
そのストレッチャーにも、芝生が敷き詰められた敷地内にも、大量のトマトが置かれていた。
その場には感情をなくしたハチも待機していた。
ストレッチャーに近づいたジュリアスは、ゴンジーに、トマトが三トンあると言って脅す。
ヒゲの白衣の男が、良いか、合図があったらみんな全力でこいつにトマトをぶつけるのよねとおねえ言葉で指示する。
一人ずつトマトが入ったカゴを持った作業員たちがはいと返事をし、ハチも同じように返事していた。
ストレッチャーからスーツ姿に着替えさせられていたゴンジーの体を白衣の男たちが持ち上げて外に立たせる。
ふらつくゴンジーは、白衣の男に支えられながらも、側に置かれたロケットを見て、中古品?オンボロ!とぼやくが、そのままロケットの下部に体を固定させられる。
一つだけ頼みがあるとゴンジーは訴えるが、白衣の男たちは無言で作業を進める。
最後なんだ、頼むよとゴンジーは懇願するが、誰も相手をしないので、お願いだ!と側で監視していたドクターに呼びかける。
近づいてきて、何だ?タバコか?とドクターが聞くと、嫌というと、ゴンジーはドクターの耳元に顔を近づけ、マスターベーションだと伝える。
それを聞いたドクターは、お前ちょっとおかしいんじゃないか?とゴンジーの顔をまじまじと見る。
だめ?とゴンジーががっかりしたので、変なやつだな〜とドクターは答える。
最後の頼みなんだぜとゴンジーが訴えるので、頷いたドクターは早く終われよと指示する。
するとゴンジーは、私は早い、早いよと言いながら一旦ロケットから離れる。
少し離れた場所に立ったゴンジーはズボンのチャックを下ろすと、ロケットの位置を指先で確認する。
建物の脇道の停めた車の上から双眼鏡で監視していたミミミは、わ、大きい!ダメだと叫ぶ。
その時、ドクターは、しまった!トロイメライは弾よりも早くザーメンを発射するんだ!と気づき、トマトだ!と叫ぶ。
それを聞いた白衣の男たちも作業員たちに、トマトだ!トマトを投げるんだ!と命じる。
作業員たちがみんなトマトを手にしたその時、ゴンジーが叫ぶと、射精されたザーメンがロケットの一部に穴が空けたので、ゴンジーはチャックを上げながら突進する。
白衣の男たちが追え!と作業員たちに命じる中、噴射したロケットはその場で爆発し、ゴンジーは逃げ出す。
作業員たちはそんなゴンジーを追って走り出す。
炎上したロケットと発射台が点灯したので、監視していたミミミは、やった〜!と大喜びする。
本部の中に逃げ込んだゴンジーだったが、そこにも大量のトマトが置いてあったので立ち止まる。
そこに作業員がトマトを満載した車両で近づいてきて進路を塞ぐ。
作業員や白衣の男たちもトマトを手に迫ってきたので、ゴンジーは窮地に陥る。
無駄な抵抗はやめろ、今からでも決して遅くはないというドクターのアナウンスが部屋に響く。
今、2時26分だとドクターが呼びかけた時、突然、部屋の壁を突き破って、モニカが運転するトラックが突進してくる。
ゴンジーと叫びながら、ミミミはジューシーキャンキャンのスプレーをゴンジーに投げ渡したので、それを受け取ったゴンジーは、そばにあったトマトにスプレーを噴射していく。
するとトマトはたちまち萎れてジュースになっていく。
それを放送室から見ていたドクターは、何だあれは?あのジューシーキャンキャンは我が社の製品じゃないかと気づく。
部屋に飛び込んできたミミミとモニカもトマトにジューシーキャンキャンを降りかけてゆく。
2階通路にいた作業員たちがそれを止めに来ようとしたので、ゴンジーが睨みつけると、壁に穴が空いてゆく。
部屋に作業員やガードマンが駆けつけると、ゴンジーの超能力で、床面が剥がれてガードマンたちに襲いかかる。
ミミミとモニカと合流したゴンジーは、さらにパワーを発揮し、巨大な装置を念力で動かして作業員たちを追い払う。
放送室では、逃げよう、ヘリはあるか?とドクターとジュリアスが会話していた。
それを聞き咎めたゴンジーが、室内で一番巨大な装置を移動させ、放送室を破壊する。
さらにゴンジーが指パッチンすると、部屋中が破壊されていったので、作業員もガードマンたちも逃げ出してゆく。
破壊された放送室の中に倒れていたドクターは、ジュリアス、大丈夫かと呼びかけながら、手を差し伸べるが、すでにジュリアスは死んでおり、その手を掴んだドクターも息絶える。
ゴンジーたちのいる部屋に、Tリングを脳に入れられ洗脳された作業員たちが入ってくる。
その中にはハチもおり、あ、ハチだ!とミミミが気づく。
ハチ、来いよ!とモニカが呼びかけ、こっちよとミミミも声をかけるが、ハチは無反応だった。
様子がおかしいことに気づいたゴンジーだったが、何とかしてやってよ、ほらと言いながらミミミが指パッチンの真似をしながら頼むが、だめだ、災害や事故は防げるが、精神は救えないとゴンジーは言う。
その時、ゴンジーはモニカが持っていたハーモニカに気付きうなづいたので、その意味を悟ったモニカはその場でハーモニカを吹き出す。
その音色を聞いたハチの表情に変化が起きる。
ハチ、思い出して、スーパージルバだよとミミミは声をかける。
ハチの頭の中に音楽が蘇り、両手でドラムを打つ真似をし始める。
同時に、他の作業員たちにも変化が生まれる。
するとゴンジーの体が光り出す。
ゴンジーの目には、踊るミミミやハチやモニカや作業員たちの姿が見える。
君たちは良いなあと呼びかけるゴンジー。
踊りと歌と音楽があってとゴンジーは称賛する。
自分の星に住んでいる、私は帰ると言うので、ゴンジーと踊っていた耳みが声をかけると、大丈夫、マイフレンド…とゴンジーは答える。
ゴンジー!とまたミミミは呼びかけるが、振り向いてグッバイと答えたゴンジーは、その場から飛び上がり、天井ガラスを突き破ってそのまま宇宙へ向かって飛び去ってゆく。
それを見上げるミミミと正気に戻った若者たち。
ゴンジーは飛びながら、胸元からゴールド・ウォーターを取り出し一口飲んで、また上昇する。
夜の街を歩いて帰るモニカ、ミミミ、ハチの3人。
ゴンジー・トロイメライなんていなかったんだ、みんな夢だったんだって、ミミミが言ったんだぞと、モニカが、立ち止まって空を見上げて寂しがるミミミに声をかけると、ハチも、そう思うことにするって約束したろ?と声をかけ、行こうとモニカが先に歩き出す。
花束を持って寂しげに歩き始めたミミミだったが、その時落ちてきた雪に気づくと、笑顔になって上空を見上げると、手のひらに落ちた雪を口に運び、甘〜いと言うと、空から、メリー・クリスマス、メリー・クリスマスと呼びかけるゴンジーの声が聞こえてくる。
空を見ながらそれに気づいたミミミは、大丈夫…、大丈夫、マイフレンド…と呟く。
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