「ファンタスティック4:ファースト・ステップ」

日本ではハンナ・バーバラアニメ「宇宙忍者ゴームズ」(1969)として、その愉快なアドリブ吹き替えでいまだにネットミーム化している素材の実写化。 

今回の実写版は非常に不思議な世界観になっており、航空会社「PAN-AM」はあるがスマホや携帯はない1960年代風の「Earth-828」なる別世界の地球でのお話。

 まずはスーのトイレのシーンがあり、妊娠していることが判明する。

 つまりここからファンタスティック・フォーは、妊娠→出産→赤ん坊連れの過程をサスペンス要素として、各舞台ごとのスペクタクルと連動していくことになる。

 後は大雑把に言えば、「妖星ゴラス」と「大魔神」をミックスしたような展開になっており、前半は宇宙を舞台にしたCGIスペクタクルになっているが、登場人物は少なく、大味な印象になっている。 

後半は地球を舞台にした巨大モンスターものになっており、こちらも日本人には見慣れたアイデア。 

しかも日本の古い怪獣映画のように、住民たちは戦いの前に避難しているので、無人の街で戦うという設定になるので、どうしてもミニチュアの街を着ぐるみ怪獣が壊しているような空虚感というか、緊張感を欠く展開になっている。

 よく言えば、子供向けの定番ヒーローものになっているのだが、子供から見ると尺が長すぎし、ヒーローたちが中年みたいに見えるのではないかという気がしないでもない。

 一方、大人の目線で見ると、意外性が少ない単調な展開になっており、それなりに楽しめるとはいうものの、アニメ版のアドリブ台詞のようなコミカルな要素はほとんどないので、もう一つキャラクターに感情移入しにくい面はある。 

特に国産の子供向けのヒーローものを見慣れてきた日本人からすると、ヒーロー全体が老けすぎており、スーは40歳くらいの高齢出産に見えるし、リードは50〜60歳くらいに見え、新婚のパパとママにも見えにくいのが厳しい。 

シルバーサーファーも女性にしては老けて見えるので、全体的に爺婆ヒーローみたいに見えなくもなく、戦いのシーンももう一つ応援したいという気になりにくいし、見終わっても次が見たい!とならない所が辛い。

幻燈館

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