「8番出口」
古くは「ミステリーゾーン(トワイライト・ゾーン)」系の「奇妙な世界に迷い込んだ話」で、最初はこの「無限ループ」みたいな単調さが続くのかな?と感じるが、観客が視覚的に飽きた頃合いを見計らって、新たな要素が少しずつ付け加わる印象で、徐々に主人公の人生の岐路での不安感が具象化した世界なのでは?と気づいてきたりする仕掛けになっている。
途中、CGIなどを駆使した怪奇シーンも登場したりするが、全体的にはオカルト的な怖さというより、不条理な世界に押しつぶされそうになる心理的な怖さのように感じた。
そしてこの不条理な部分は、見る人の人生経験や性別などで感じ方は違ってくるはずで、その辺からこの映画の感想も賛否が分かれそうな気がしないではない。
言わば「奇妙な味の作品」なので、口コミで好奇心をくすぐられた人が増えていくと、結構興行的には客を呼びそうな予感はする。
ラストは「リドル・ストーリー」的終わり方(謎がちゃんと解決しないまま終わり、読者や観客の想像に委ねられる形式)だったと思う。
ラストの地下鉄の中で、主人公は心理的な迷いや臆病さを脱したようにも見えるので、その後、2度と無限ループに陥らない…つまり助かったとも解釈できるし、最後の「8番出口」に降り階段があったのも、その前に、白シャツの男が子供が止めるのを振り払って登り階段を上がっていったのと同じ「異変」である可能性もあり、本当は引き返さないといけなかったのでは?とも解釈できるから…
そもそも、本編中の「異変」を見つけたら戻れという指示の「異変」は何かが明示してないこともあり、地下通路内でかかってきた元カノからの電話も「異変」と考えられなくはなく、通路に時折出現する元カノや子供も怪しいといえば怪しく、何が正解か「異変」なのかは、観客も良くわからないまま話が進んでいる不気味さもある。
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