「ベスト・キッド:レジェンズ」
最初の「ベスト・キッド」(1984)からのファンにとっては、本作の冒頭とラストシーンでサプライズが用意されており、はっきりいえばここだけ見れば十分で、本編自体は「中国市場を意識したような、空手をカンフーに置き換えただけのありきたりの映画」に見える。
初期作品とはっきり違うのは、主人公が武術に関してど素人の軟弱な子供ではなく、精神的には問題があるものの、カンフーに関してはそれなりの使い手という点で、実際劇中では「ロッキー」(1976)のようなボクシング経験者にトレーナーのようなことまでやって見せたりする。
リブート的な 「ベスト・キッド」(2010)からの続きでジャッキー・チェンと、初期シリーズで主役だったダニエルが大人になり師匠役で出ているが、ダニエルの方はゲスト出演以上の印象はない。
ティーン映画だからなのだろうが、アメリカに来た中国人がすぐに現地のガールフレンドを見つけたりというのも、ご都合主義に見えなくもないが、これは最初の「ベスト・キッド」の踏襲ということなのだろう。
ただ、ニューヨークにやってきたジャッキーと、主人公の中国人の母親が、自宅で2人きりなのに、英語で会話しているなどという部分は違和感がないではない。
クライマックスの試合はこのシリーズのパターン通りの展開なので、特に新味はない。
ソニーとしては、初期ファン狙いというより、新しいファンを開拓するための作品なのだろうが、映画館に来ていたのは高齢者ばかりだったのが気になる。
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