「大長編 タローマン 万博大爆発」
1970年の「大阪万博」の時代に流行っていた子供向け特撮番組をベースに独自にイメージを膨らませたアート作品。
もともとNHK教育テレビの深夜枠で放映されたと言うのも興味深く、NHKは「大河ドラマ」で知られるように高齢者の視聴者が多いため、「映画やテレビで時代劇をよく見ていた世代」を意識して番組を作っている部分が昔からあるが、今や「民放でかつて人気があった特撮ヒーローをよく見ていた世代」も意識しての放送に至ったのではないかと推測する。
内容的には、1970年頃に流行っていた特撮ヒーロー番組や巨大ロボットアニメパロディー的な部分と、岡本太郎的な自由奔放なアートイメージ的な要素が入り混じっている。
映像的には意図的にレトロな表現に見えるように加工されており、劇中の2025年は、その当時の子供が夢見た架空の未来世界になっている。
劇中のレギュラーとして登場する風来坊は、どう見てもハンバーグ師匠にしか見えず、ほぼ主役的な活躍をする。
物語前半はまさに「大阪万博」が開催されている最中で、そこから2025年(昭和100年)の未来の宇宙博覧会の時代にタイムスリップする流れとなっている。
部分部分の美術などを見ていると、みんなチープな手作りイメージなので、低予算かと思いきや、全体を見ると、登場するアイテムやキャラが異常に多く、B級イメージで構成した大作風になっている。 造形的にも、岡本太郎の作品からの引用なのかユニークなものが多く、2時間にも及ぶ長尺なこともあって、かなり見応えがある独特のアート映画にも見える。
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