「爆弾」

「交渉人 真下正義」(2005)を彷彿とさせる正体不明の犯人と捜査陣の行き詰まる対決を描くサスペンス

夜、酒屋の自動販売機を蹴り壊し、止めに入った店員を負傷させたホームレスらしき男が地元署に連行され、取り調べが行われるが、「スズキタゴサク」と名乗るその男(佐藤二朗)は弁償金は払えそうもないが、代わりに自分は刑事さんたちの役に立つことができるかもしれない、自分は霊感があるなどと途中から奇妙なことを言い出す。 

取り調べに当たった等々力刑事(染谷将太)は相手にしなかったが、その男が暗示した地域と時間に実際に事件が発生してしまう。 

やがて本署からベテラン清宮刑事(渡部篤郎)と風変わりな類家刑事(山田裕貴)が地元署に来て、等々力刑事に代わって「スズキタゴサク」と対決することになるが… 

「スズキタゴサク」は主犯なのか、それとも誰かに操られているのか、それとも…と言う行き詰まる展開になっており、観客はその巧みなストーリーから目を離せなくなる… 

ワーナー・ブラザース映画とフジテレビ、講談社が製作委員会を組んだ作品だが、このジャンルは原作に恵まれていることに加え、フジテレビも手慣れたジャンルということもあり、かなりの完成度になっていて面白い。 

上映時間137分と、かなりの尺があり、出だしは地味な感じなのだが、タイトルが出た以降はグイグイ引き込まれる緊迫感があり、最後まで飽きさせない。

 佐藤二朗さんの独壇場ともいうべき存在感と芝居が出色で、本作は二朗さんの代表作になるのではないかとも感じた。

幻燈館

映画感想

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