万博追跡 2Kレストア版

ジュディ・オングさん主演の1970年の台湾映画で、劇中登場する日本人キャラクターも全員中国語(台湾語?)を話しており、日本ロケに登場するチョイ役風の日本人キャラでも日本語は一切喋らず、全員中国語で統一されており、今回の上映は日本語字幕付き。

ジュディさんは「エーゲ海のテーマ〜 魅せられて」が大ヒットする遥か前で、日本でもテレビや映画に歌手&タレントとしてちょくちょく出てきていた時期の作品である。

日本と台湾の関係性が良好な今の時代に見るとかなり不可解な内容になっており、日本の戦時中の悪行を暴き出し、中国を礼賛するような「反日親中風の展開」になっているので、1970年の大阪万博の頃の台湾って、反日親中だったの?と驚かされる。

さらにややこしいのは、ジュディさんが演じている役名が林雪子で、父親の林長菎はすでに亡くなっており、戦時中に雪子を孕っていた母親とずっと2人で台湾に住んでいるという設定。

母親が言うには、父親は戦時中、上海で日本人に殺されたらしく、戦後、雪子には、日本からの謎の人物から仕送りが続いているので、テレビで歌手として活躍しながら大学に通っていた雪子が大阪万博の中華民国館のコンパニオンに選ばれたと知った時、その恩人を日本で探して欲しいと依頼するのが話の発端。

彼女には藤本哲男という同じ大学に通う恋人がおり、彼はやはり台湾に住んでいる日本人設定だが、心臓が悪い彼の父親は、息子が雪子と親しくなるのを嫌がっている様子。

その哲男も父の反対を押し切って、自腹で雪子を追って来日するが…

日本の大阪万博会場や奈良、北海道ロケを敢行したようで、特に大阪万博の記録映画としては超貴重な映像が展開されている反面、ストーリー自体は古臭い「すれ違いドラマ」になっており、登場している役者さんたちもみんな芝居が稚拙で、現地の有名な俳優ではなかったのではないかと想像する。

万博会場内のロケでは、なぜか韓国の「亀甲船」を雪子が哲男に、「韓国はあれで日本と戦ったの』となぜか唐突に紹介したりしている。

見物客たちの様子もそのまま使われており、当時はまだ多かった和服姿の中年女性や他の日本人客たちが、ジュディさんに気づいてガン見している様子も撮られている。

映像的な冒頭は、ハープの演奏から「輝く星座/レット・ザ・サンシャイン・イン」や「恋よ、さようなら(I’ll never fall in love again)」をジュディさんが歌うテレビ局のスタジオシーンで、気分をいきなり1970年当時にタイムスリップさせてくれる。

ビートルズの曲なども劇中歌として流れてくるのだが、当時の台湾では著作権処理はしていたのだろうか?

映像としては当時の日本風景がかなり鮮明に残っているところが見どころだし、ジュディさんのアイドル映画としても貴重だが、通俗すぎると言う印象しか残らない。


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