「東京野郎と女ども」

柳沢真一さんが主役で上映時間77分とやや短めな、二本立ての添え物用と思われる白黒コメディで、原案が似顔絵で有名だった針すなをさんであるのが意外

当時の日活には、アクションだけではなく、こうした白黒のコメディ作品も結構あり、中には本当に笑える作品もあるのだが、本作では「シスターボーイ」を取り扱っているのが珍しいように思える。

柳沢真一さん主演と言うのも珍しいが、内容的には、地方の大学で体育系硬派として育った大学生が、ひょんなことから上京し、当時流行っていたゲイキャバレー?で働かざるを得なくなる顛末を描いたもので、柳沢さんが不器用な青年を演じている。

さらに柳沢さんが、当時から売れっ子だった美輪明宏さんの代理を務めるという、ジャズ歌手だった片鱗も見られる貴重な作品にもなっている。

なぜ体育系出身の新人シスターボーイの柳沢さんがいきなり歌を歌わされるかについての説明は全くなかったりする不自然さはあるのだが…

とはいえ、柳沢さん中心の話というより、当時の東京にいたいろいろ奇妙な人物のエピソード集というか、風刺劇みたいな感じになっている。

中でも、シスターボーイにいれ上げるマダム連中の姿は、昨今のホストに夢中になって貢ぐ女性と重ならないでもない。

人気シスターボーイを演じている大泉滉さんもある種の主人公のようにも見える。

この時期の大泉さんは、なよっとした内省的な青年を演じることが多かったこともあり、シスターボーイも似合っている。

イケメンの代表格のようなファンファン(岡田真澄)と、出番は少ないながら美輪(円山)明宏さんが共演していたことはちょっとした驚きで、二人とも当時はほっそりしている。

「男はつらいよ」初代おいちゃん役としても知られる森川信さんが出ているのが嬉しい。

シリアス、ユーモア、どちらも演じられる森川さんの達者ぶりが本作でも楽しめる。

「スラックス族」なる言葉は初めて聞いたが、スラックスを履いてちゃっかり大人たちにたかって、遊びまわっている女性が当時流行っていたということだろうか?

清川虹子さんと柳家金語楼さんはよく共演なさっていたが、本作でも主役ではないものの二人が絡んでいる。

「よろめき亭主」などというセリフも出てくるが、「よろめき」とは三島由紀夫の小説「美徳のよろめき」(1957年雑誌掲載)から来た「不倫」を指す言葉だろう。

この当時の映画を見ていると、夜の繁華街で花を売る小学生くらいの少女が出てくることがあり、本作でも登場するが、当時は児童福祉法などがなかったのだろうか?

そんな少女を許嫁として、幼い頃から育てて結婚を企んでいる山田という人物が一番奇妙な感じがするが、そんな風潮が当時あったのかも気になる。

今でいう「ロリコン」とも違うようで、「成人女性恐怖症から変じた特殊な性癖」であることはわかるのだが、劇中でも「病気」と表現されている。

全体的にコメディタッチということもあってか、話の展開にかなり強引な印象も受け、はちゃめちゃにも感じるし、最終的に男性は男性らしく、女性は女性らしく生きるのが一番見たいな保守的な結論に落ち着いているのが当時の限界だったのだろうと感じられるが、お気軽に見る当時の低予算娯楽映画としては平均作かもしれない。

【以下、ストーリー】

1958年、日活、針すなを原案、柳沢類寿+甲斐久尊脚本、吉村廉監督作品

東京の銀座を描いた絵を切り抜いて距離感をつけ、照明を当てた立体的イラストを背景にタイトル

街並みのイラストを背景にスタッフ、キャストロール(丸山明宏の名が最後)

(銀座の街並みを背景に)現代はどんな不思議も起きるうるのです(とテロップ)

現在のシンボル銀座の街では、何が起こっても不思議ということはありません、その不思議の一つ、それは19世紀後半が生んだスラックス族、彼らは…、いや彼女らは、いわゆるおじさま、おばさまにたかる寄生虫とも言えましょう。

さてみなさん、542という数をご存知ですか?日本全国に「銀座」という名をつけた街はなんと542箇所あると申します。

そしてまたある統計家の意見によりますと、こうして銀座を歩く男女のその財布の中のお小遣いの中もやはり542円平均ということであります。(大泉滉が女性と一緒に歩いている)

ちなみに各地にある大学の数も、短期大学も含めまして、なんとまた542校あるとと申します。

これはその一つ、ある地方の大学の正門であります。(とナレーション)

「東西大学」

家の事情とはいえ、卒業を待たずに学校を去り行く君には誠に同情に耐えんが、やむを得ぬ。どうか、学校にいる時の気持ちを忘れずに元気でやってくれたまえと、大学の教授(伊藤寿章)が、去り行く学生に挨拶していた。

これは我が校第一の成功者二期生の山田鉄五郎氏に宛てた紹介状だ、訪ねて行きたまえと校長が差し出したので、去り行く学生坂下真一(柳沢真一)はありがとうございますと礼を言って受け取る。

紹介状の表には「東京都中央区銀座0番地 日本東京ビュティフル協会 山田鉄五郎殿」と書かれてあった。

只今より、坂下真一君の前途を祝して応援歌第十八番を歌う!と応援団長(武藤章生)が団員と見送る学生たちに声をかける。

太鼓が叩かれ、校長も混じって歌い始めた応援歌は「ソーラン節」だったので、坂下は「はいはい」と合いの手を入れる。

沖のカモメに潮時聞けば~、わたしゃ発つ鳥 波に聞け チョイ♩と、民謡そのまんまの歌詞なので、坂下も「は~、どっこいしょ、どっこいしょ」と悲しげな表情で合いの手を打つ。

沖のカモメが物言うな~らば 便り聞いたり~、えい、聞かれたり チョイと歌が続くので、坂下は、「あ~しょっぱいどう しょっぱいどう」と涙ながらに合いの手を続けるのだった。

走る列車で上京した坂下は、慣れない銀座を歩いて目的の会社を探していたが、途中で出会ったスラックス族の女性グループ みゆき(高友子)とその友人2人(東谷暎子、木室郁子)に、ちょっとお尋ねしたいことがあるんですけど?と話しかけると、東京初めてなの、あなた?と女性は聞いてくる。

これちょっと持っててください、すみませんと坂下が みゆきに茶巾袋の大きいようなバッグを渡すと、ズボンのポケットから紹介状を取り出そうとするが、みゆきはバッグをその場に捨てて去っていく。

あ、これこれ、あ?あの~と坂下は慌てて後を追い、ちょっとすみません、銀座0番地 日本東京ビュティフル協会…と紹介状に書かれた場所を伝えると、ああビュティフル協会!と三人の娘たちは知っている風だったので、その山田鉄五郎さんと名前も教えると、ああ、山田てっちゃん!と親しげに答えるので、ご存じですか?と坂下が聞くと、知ってる?知らないとみゆきたちは言い出し、さよならとあっさり去っていったので、がっかりした坂下は、ええ!と落胆するが、気がつくと袋バッグが手元にないのに気づき、背後を見ると、さっきみゆきが置いた場所に置きっぱなしにしてあったため、通行人から蹴られ放題だった。

あ、わざわざ!と嘆きながら、バッグの元へ戻った坂下は、ひでえな、東京ってとこはと、バッグを持ち上げ、汚れを払いながらぼやく。

一方、みゆきたち3人は、あんたいくら持ってる?30円、あんたは?50円、しけてんの!あんたいくらあるの?ない!な~んだ、80円じゃコーヒーも飲めないなどと会話しながら歩いていた。

そうなんだ…、どうしようか?しようがないからでも行こうか?などと話し合った娘たちは、だけどさ、せっかく銀座出てきたんだからさ~などと立ち止まって悩み始める。

そうだ、佐代子おばちゃんの所!、あ、そうしようと三人は意気投合し、また歩き出すが、その直後、止まっていた車を見つけた娘は、あら?この車、佐代子おばちゃまのじゃないと気づく。

仲間もナンバーを確認し、そうだと同意するが、車の中を覗き込み、あら中にはいないわ、変ねなどとお喋りし合う。

だけどどっかこの近所にいるのよとみゆきは指摘する。

その頃、坂下は、また通行人を止めて、あの~、すみませんが、銀座0番地の日本東京ビュティフル協会ってのはどこでしょうか?と聞いていたが、聞かれたミサイルの親分(菅井一郎)は、それは山田鉄五郎だと言い、ここをまっすぐ行くと十字路がある、十字路のとこを左に曲がるとポストがある。ポストを右へ曲がると銀行が突き当たりにある、その銀行の前を突き当たると川がある、川の上には橋がある、橋の上を渡っちゃいけねえ、その橋の手前だと、指差して教えて、さっさと行ってしまったので、混乱した坂下は思わず顔を顰める。

みゆきたち三人娘は、あ、いた、いた!と、とある店の前で叫び、アクセサリーを買い物中だった佐代子(清川虹子)を取り囲んだので、佐代子は、よく分かったわねと嬉しそうに答える。

みゆきは、車があったから探しちゃったと無邪気に答え、全員で笑い合う。

ね、遊びましょうよとみゆきがせがむと、えらいとこで捕まっちゃったね~と佐代子も笑いながら答える。

これ、お買いになるの?とみゆきたちも親しげに聞き、あ、これ?どうかな?などと品を勧めるので、佐代子も娘たちに囲まれ、嫌そうではなかった。

坂下の方は、あの~、日本東京ビュティフル協会ってのはどこでしょうか?と、また、小さなジュースなども売っているタバコ屋の前

に屯していた琴ちゃん(大泉滉)に尋ねていた。

琴ちゃんは、それならここよとすぐ側を指差すので、ここ?と坂下は困惑する。

そこには建物らしきものはなく、「日本東京ビュティフル協会事務所」という粗末な立て看板が建っているだけだったからだ。

その周囲には若者が集まっていたので、ちょっと伺って良いでしょうか?と坂下がまた聞くと、琴ちゃんは何?お伺いしますと答える。

あなたは男でしょうか、女でしょうか?と坂下が聞くと、ま、嫌な人!と答え、琴ちゃんはそっぽを向いてしまう。

そこにいた青年らは、イヤリングなどつけ、顔に化粧をしたりと、ちょっと普通の青年らには見えなかったからである。

いや~な人と言いながら、琴ちゃんらはその場から離れて行くが、あれがシスターボーイっていうのよと、タバコ屋のお姉さんが教えてくれる。

坂下はそうですか~と答え、そこに屯しているシスターボーイたちの一行を眺める。

その連中が来たわよ~!というと、そこに「日本東京ビュティフル協会事務所」と書かれたバスが一台やってきて、そこにシスターボーイたちが一斉にバスの背後に並び始める。

坂下がバスの中を覗いてみると、おじちゃん、お友達みんな集めとくからね、いつものところで良いんでしょう?じゃあ!と少女が男に話しかけて出てきたので、あの~、あの方が山田鉄五郎さんですか?と坂下が少女に聞くと、うん、そうと言って出て行ったので、あ、どうも…と坂下は頭を下げる。

坂下がさらに様子を見ていると、バスの後部ドアを開け払うと、おはよう!と並んでいたシスターボーイたちが、山田と助手の徳利(岡田眞澄)に挨拶してくる。

それらをバスの中に座って出迎えた山田鉄五郎は、星見ですと名乗る青年に、ああ民ちゃんか、ああ、ご苦労さんと山田は、星見から渡された稼ぎを受け取る、市川の沙織、昨日のお客とってもチップが渋いのよ、今日はこれで勧進してと言うので、しょうがない、立て替えとくよと山田が小銭を受け取ると沙織は喜んで帰る。

おはようございます、明美と次のシスターボーイが金を渡すと、明美ちゃんか、はい、ご苦労さんと山田は現金を受け取る。

次のシスターボーイは、わいか、うちにいたのと次のシスターボーイが金を差し出すと、しっかりやってよと山田は笑顔で励ます。

おはようございます、ミーコ!と次のシスターボーイが挨拶し金を渡すと、みーちゃんか、綺麗だな、ご苦労さんと山田は稼ぎを受け取る。

次は琴ちゃんで、おはようございます、これリリーちゃんと一緒です、はいどうぞといって山田に稼ぎを手渡す。

ああ、琴ちゃん、相変わらず景気が良いなと山田が言うと、いいえ、会長さんのお陰ですわよと琴ちゃんが謙遜すると、「ローザ」での人気は大したもんですよと徳利が横から教える。

徳さん、冷やかしちゃ嫌よとまんざらでもなさそうに琴ちゃんは言う。

おはようございます、聖子ですと次のシスターボーイが来ると、ああ、セイちゃんか、あの「カリプソ」嫌だったな?と山田が聞くと、はいと言うので、今日から6丁目の「セザンヌ」行ってくれよ、頼むよと山田は頼む。

私、リンダと次のシスターボーイが前に出ると、ああ、凛ちゃんか、はいご苦労さんと言って、山田は稼ぎを受け取る。

次のシスターボーイが、あの~会長さん、すみませんといきなり謝ってきたので、なんだよ、ケニーちゃん、またねえのか、あ、良し、立て替えとこうと山田は答えると、12345回分ですよと横で徳利が指摘したので、良いよと山田は言う。

するとケニーは、すいません、また貸していただきたいんですけど?お願いしますと頼んできたので、また入れ上げたな?あれに…と山田は呆れながらと答える。

その頃、佐代子の運転する車に乗り込んだみゆきと二人の友達だったが、オバシャン、これからどこ行くの?と助手席に座ったみゆきが聞くと、崎山の会社と言うので、みゆきはがっかりする。

あの人昨夜ね、うちに帰らなかったのよと佐代子は不機嫌そうに言うので、うわ~、だけど私たちそんな夫婦喧嘩のお付き合いなんかやあよ、ねえ?嫌だわ!とみゆきが拗ねたので、そうじゃないのよ、あの人を捕まえないとね、あんたたちと遊ぶお金がないのよと佐代子は打ち明ける。

だからね、なんとかして崎山からね、お金を奪略しさなきゃねと佐代子が言うので、みゆきたちは上機嫌になる。

うわあ、そんなら良いや!でも社長さん、今日本当に会社にいるの?とみゆきは聞くと、うん、いるはずよと佐代子が答えたので、うわあ、嬉しい!素敵ね!とみゆきと共だとははしゃぎだす。

「エレガント・カラー化粧 ドライ化粧品 株式会社 TEL(51)105」と書かれた看板が建った会社の社内では、モデルを使った撮影が行われており、カメラマン(柳谷寛)が、エレガントに、エレガントに、これも引っ込めて、良いね、良いん、そう、その格好!お、ライト、ライト、頼むよ、ライト、良いねと指示していた。

ああ、顎をもっと引いて!ええ、目がいけないね、目が!足がいけないね、こう交差させて、あ、広すぎるよ、などとカメラマンは無理難題を要求をすると、ダメダメ!どうて見たまえ君!といきなり見学していた崎山社長(柳家金語楼)が前に出てきてモデルを押し退け、エレガントって気分だけでもいけないんだ、このスタイルもつけなくちゃね、こう出すだろ、出したやつがこう来たらグッと張っといてなどと言いながら、自ら珍妙なポーズ指導をし始める。

その時、社長、奥様がお見えでございますが…と秘書が言いにきたので、来たか!と答える。

はい、社長室でお待ちでございますが?と秘書が教えると、良し、君代わってやってみてくれと崎山がモデルの指示役を命じたので、秘書は慌てる。

スタジオを出て社長室に向かいかけた崎山だったが、ドアの前で気を取り直し、そっと逃げ出そうとする。

そっと階段を降りかけた崎山だったが、そこに待ち構えていたみゆきたち三人娘に、ダメダメ!と捕まってしまい、いやいや、そんなこと言わないでと狼狽するが、そのまま社長室の前まで押し戻され、通してくれよと訴えるが、三人が絶対ダメ!と道を塞いでしまい逃げられない。

そこに社長室から顔を出した佐代子が、あなた!と声をかけると、振り返った崎山は、あ、お前か!と今初めて気付いたフリをするが、ちょっと!と佐代子に言われると、はいと従順に答えるしかなかった。

部屋に入ると、一緒に入った三人娘が入り口を固めるように並び、社長の席に座った佐代子が、あなた、昨夜はお帰りになりませんでしたわね?と聞くので、ウン、昨夜は全国の支店長会議があったんでね答えた崎山だったが、ああ、徹夜で会議ですか?と佐代子は皮肉をいう。

ああそうなんだ、何しろ5000万男性エレガントのために新製品を出すんだからなと崎山は言い訳する。

それでお帰りにならなかったのね~と佐代子は、妙な猫撫で声で聞くと、そうなんだ、この化粧品の宣伝なんてなかなか難しくてね、ああ、こうと議論百出だと崎山は嘆いてみせる。

とうとう夜が明けちゃった…と崎山が言うと、急に表情を変えた佐代子は、嘘おっしゃい!と一括する。

はいと崎山が口ごもると、世が明けたのはホテルなんでしょう?と佐代子は追及してくる。

崎山はしどろもどろになり、その態度の変化に自信を得た佐代子は、良い?あなたは信用できません!と断言し、睨みつける。

崎山は動揺しながらも、嘘だと思うんなら、宣伝部に聞いてみたら良いじゃないのと訴える。

そこに入ってきた秘書が、社長、明後日の全国支店長会議の準備が間に合いませんので、来月へ伸ばしたいと思いますが?と報告に来たので、支店長会議は昨夜徹夜で済んだと崎山が答えたので、秘書は、はあ?と煙にまかれる。

あなた?と佐代子が言うと、おい、庶務課で呼んどるよ、早く行きなさいと秘書に崎山が言って追い出す。

しかしドアの前に並んでいた三人娘たちが秘書の行手を遮る。

その頃、バスの中で坂下と対面した山田は、大山先生の紹介だから何とかしたいんだけど…と言っていたが、何でもしますからお願いしますと坂下は懇願していた。

しかし山田は、今は大学出でさえ就職難の時代だからなと答えると、明日から飯が食えんですと坂下は訴える。

ちょっと考えた山田は、君、女好きか?といきなり聞くので、は?どちらかといえば嫌いな方ではありませんと坂下が答えると、一緒にいた徳利もニヤリと笑う。

嫌いでないってことは好きだと言うことだな?と山田が確認すると、は、俗に申します、嫌だ嫌だは好きだと裏よと…と坂下が言うので、馬鹿野郎!そんな甘い考えで成功ができるか!まあ、田舎に帰るんだな、田舎に帰って百姓でもやった方が良いぜと言い放った山田は、言ってくるぜと徳利に言い残し、バスを降りて出掛けてゆく。

絶望した坂下は、「日本東京ビュティフル協会」と書かれたバスから力なく降りる。

そんな坂下が通り過ぎたタバコ屋のおばさんが公衆電話がかかってきたので、受話器を取り、徳さん!電話よ!とバスに残っていた徳利に呼びかける。

はいよ!とバスから飛び出してきた徳利が、もしもし!東京ビュティフル協会でございますけど…と答えると、「ローザ」の支配人だがね、てっちゃんは?ああ、例の所?うん、あのね、手が足りなくて困ってんだよ、ボーイの兄さん回してくんないか?とバー「ローザ」の支配人(内海突破)が依頼してくる。

はあ~、それが生憎みんな出払っちゃってんですよ、ええ、すみませんですと徳利は詫びて電話を切ると、側の橋の所に帰っていく坂下の姿を見る。

一方、会社にやってきた女性社長は、おはようございますと事務所内で待っていた客たちから挨拶され、デスクに座ると、社長さん、お願いしますと和服の女性が挨拶したので、はいと笑顔で答える。

台秤を用意した社員が、客が持参した風袋を台に乗せ、大同パチンコ商会さん、1.9kgですと女社長に報告する。

あ、ますますご繁盛ね、お金計ってと女社長が指示すると、女性社員が風袋の中の小銭を容器に入れ、次の客が社長の前に立つ。

はい、エルダドライキスタさん、えっと、1.4kgですと社員が報告する。

なかなか商売上手になったじゃないと女社長は客にお世辞を言うと、いつもお疲れ様ですと答え、客は立ち去る。

お願いしますと次の客が前に出ると、はい、カジノ温泉さん、え~、10円玉で2.8kgですと社員が報告する。

え~、次は国際麻雀クラブさんの、え~、1.1kgです、え~、ビュティフル協会さん400g、これは風袋が250gですと社員が報告すると、軽いじゃない?あっ線量は確実に10%とってるんでしょうね?と女社長は文句を言うので、山田は、はあ、だいぶん貸金がありますんで…とと言い訳する。

すると女社長は、この商売にヒューマニティは厳禁よと言い渡すと、はあ、それに最近は同業者が増えまして…と山田は答える。

同業者が増えようとどうしようと収益を増やすのが会長の勤めですと女社長は説教する。

はい、以後注意します、失礼しましたと頭を下げ、山田は退出しようとする、すると女社長は、ちょっと待って!ここへお掛けなさいと山田に応接用の椅子を勧めると、さ、みんな外へ出て日向ぼっこでもしてらっしゃい、早く!と、部屋にいた全社員に声をかけ追い出す。

社員たちは会社の外の煉瓦塀にちょっとこっち行ってなどと言いながら寄りかかり、日向ぼっこを始める。

事務所内では、山田と向き合って座った女社長が、心配しなくても良いのよね、鉄五郎さん、場合にによっては私のものはあなたのもの、あなたのものは私のものってな具合になるんですよ、お分かりにならない?今夜私と一緒にお食事しましょうと女社長は山田に誘って来る。

しかし山田は立ち上がり、せっかくですが、私、約束がありますのでときっぱり断る。

約束ってどなた!と女社長も立ち上がって追求すると、山田が言葉に詰まったので、女の方でしょう!と女社長は攻めてくる。

ええまあ、女って言えば女ですが…と山田は答えると、その女性とはお食事できても私とは一緒にできないの!と女社長は責める。

いえ、そんなわけじゃありませんと山田は言うが、その山田の肩を押さえつけ、また座らせた女社長は、あなた、私が誘うといつも逃げるじゃない?と文句を言う。

橋の欄干のところで落ち込んでいた坂下の元にやってきた徳利は、君、シスターボーイにならないかい?といきなり誘ってくる。

シスターボーイ?と坂下は不思議そうに聞き返す。

ああ、会長に会って僕が話しとくよと徳利は言うので、さっきのあれですか?と坂下は聞く。

うん、金にはなるよと徳利は答えるが、僕にはできませんよと坂下は即答する。

でも他に行くとこないんだろう?と徳利が聞くと、ええ、そうなんです登坂氏tは肯定するしかなかった。

そんな坂下の肩を叩き、まあやれるよ、考えときなと言い残し、徳利は帰ってゆく。

日向ぼっこをしていた女社長の会社の社員たちは、男が近づいてきたので、おはようございますと挨拶する。

それに気づいた女社長と山田も入口の方を向く。

その男が入ってきたのを潮に、じゃこれで失礼しますと山田は立ち上がり、前に立ち塞がる形になった男とすれ違って帰ってゆく。

事務所にやってきたその男、ミサイルの親分(菅井一郎)は、親分、あの野郎の商売はなかなか良いそうですぜと女社長に話しかける。

女社長はつまらなそうに立ち上がり、それがどうしたって言うのさと吐き捨てる。

鉄みてえな奴に任せとくより、このミサイルにやらせてくれりゃもっと儲かるんだがな、親分とミサイルの親分は売り込む。

すると女社長は、親分はやめとくれと注意したので、へえとミサイルの親分は承知するが、お前三位はミサイルっていう近代的な名前があるじゃないか、親分なんて時代劇みたいな言葉使うんじゃないよと女社長が言い返すと、オーライ、マダム!とミサイルの親分は返事する。

夜の中華料理店「北京亭」

おじさんはね、今の大人の女の人は信用できないから、自分の嫁さんは自分で育ててから結婚するんだって、なんだ、それじゃお嫁さんの卵が欲しいってわけねと、5人の女の子たちに料理を振る舞っていた山田は、少女たちがそう説明する言葉を聞いて、そうなんだ、お嫁さんの卵、これをね、英語で言うとね…と言いかけると、フィアンセ!と少女たちの方が先に言い当てたので、そう、つまりこれなんだよね、許嫁ってわけなんだと山田は嬉しそうに答える。

少女たちは、じゃあ私、お母さんに聞いてみるわね。私も、私も!と口々に答える。

一方、料亭にやってきたみゆきは口髭をつけて崎山社長に扮し、友人が佐代子の真似をして、あなた、昨夜はお帰りになりませんでしたね?と聞くと、いや…、昨夜は全国支店長会議ですとみゆきが崎山のセリフを繰り返し、徹夜で会議ですか?と友人から突っ込まれる。

そうなんだ、何しろ5000万男性だから…とみゆきが言い訳すると、おかえりにならなかったのね?と友人は念を押す。

それで徹夜になっちゃって…とみゆきが続けると、友人が激怒したところで全員爆笑し、髭をとったみゆきが、おばさまって交渉が上手いわねと佐代子をお持ち上げる。

そりゃあ、あんなよろめき亭主を持っているんだもの…、こういかなくちゃ!と相手からふんだくるジェスチャーをして笑うと、巻き上げてきたからね、さ、どんどん食べて!飲んで飲んで!と上機嫌の佐代子はみゆきたちに料理を勧める。

すると友人が、私お腹いっぱいと言いながら立ち上がったので、なんだ、だらしがないと佐代子はみゆきにビールを注ごうとするが、私もダメ、苦しくってとみゆきmこ立ち上がったので、しようがないな、じゃあ頑張って!と佐代子は残った一人の友人に勧め、お、偉い、偉いと誉め、じゃあ、運動がてら踊りにでも行こうか?と提案したので、みゆきたちは、連れてって!と大喜びする。

どっか面白いとことか知ってる?と佐代子が聞くと、ねえ「ローザ」って知ってる?とみゆきが聞いたので、うん、あの黒のシスターボーイのいるキャバレーと佐代子が答えると、そうそう!とみゆきたちがはしゃいだので、うん、面白そうだね、そこ行ってみようかと乗り気になる。

キャバレー「ローザ」では黒いマフラーを巻いたシスターボーイ(丸山明宏)がステージで「麗しき夜よ~♩」と歌っていた。

ステージを歌いながら降りたシスターボーイは、テーブル客が差し出したグラスの酒を口に含む。

マダム、ようこそ!と和服の女性客を出迎えた支配人は、琴ちゃん!と呼ぶ。

テーブルで相手をしていた客に、ごめんなさい!と詫びて席を立った琴ちゃんは、いらっしゃいとマダムの手を取り、マダムは、向こうの席で待ってるわねというので、後ほど伺いますと答えると、なるべく早くねとマダムは注文する。

黒いマフラーのシスターボーイは、まだ歌いながらステージ上に戻ると歌い終わり、拍手が起きる。

そんな「ローザ」に花を売りに行こうとする小女に同業の別の少女が、ミーヨ、この店はね、前はよく買ってくれたんだけど、マネージャーが変わってから、全然売らせてくれないのよと注目したので、そう惜しいわねとみーよと呼ばれた少女は答え、店の前を素通りしながら、マネージャー、首にしようかと冗談を言ったので、他の花売り少女たちが一斉に笑い出す。

舞台裏で着替え終わった黒マフラーのシスターボーイの所に支配人がやって来たので、どうもお疲れ様でしたと挨拶すると、大変な人気ですねとマネージャーは上機嫌で言ってくる。

いやどうも…と琴とちゃんが畏まると、少ないですけどと言いながら支配人が包みを手渡してくる。

あ、どうもとシスターボーイが受け取ると、次はいつ頃?と支配人は聞いて来たので、ええ、今週はダメなんですけどとシスターボーイが手帳を取り出したので、はあはあと支配人は答え、ついて来たボーイに、お荷物を車にと指示する。

ええ、来週…、来週の月曜日、良いですか?とシスターボーイが聞いたので、結構でございます、お待ちしております、お気をつけてと支配人は嬉しそうに答えると、ボーイに、じゃあお送りしてと声をかける。

その後、部屋の隅で待っていた徳利に、ど~も、お待たせしちゃってと挨拶をした支配人に、これなんですけどねと徳利が坂下を紹介すると、シスターボーイの志願者にしては少しごっついなと支配人は指摘する。

坂下は、はあ、学生時代に柔道を少しやってましたがと答えると、しかし磨き次第ではエレガントになりますよと、慌てて徳利が補足する。

うん、まあボーイが足りなくて困っているのは事実だが、しかし…と支配人が迷っているので、徳利はタバコの火をつけてやり、でもせいぜい勉強させますからと言葉を添え、はっ!エレガントに一生懸命やりますと坂下も答える。

ねえ、今度新馬シンジ新しくバーを出すのよ、あんまり大きくはないけどねと、先ほど琴ちゃんを指名していた和服の客がテーブルにやってきた琴ちゃんに説明していた。

いやあ、素敵!いつですか?と琴ちゃんが調子を合わせるお、もうすぐ、話によってはね、琴ちゃんにマダムになってもらいたいのよと女性客は打ち明ける。

話によってはって、どうすれば良いの?と琴ちゃんが聞くと、だからさ、私に一晩付き合ってくれたら良いのよと、女性客はことちゃんの隣に座り直してを握ってくる。

琴ちゃんは困惑し、ダメですよ、そんなこと!と拒否すると、どうしてってと女性客が聞くので、どうしてって、私まだ経験ないんですもの…と琴ちゃんは打ち明ける。

あら!じゃあ琴ちゃん、処女?と女性客が聞くので、琴ちゃんは、いや!というと立ち上がって他の席に移動してしまう。

後でねとか、ごめん遊ばせ、後で、後で…と声をかけてくるテーブルに返事をし、どこ行くんだ?という客には、おトイレですよなどと答えた琴ちゃんは、そのまま婦人用トイレに入ってゆく。

その頃、楽屋では支配人が、君、立って、歩いてご覧と坂下に命じていた。

はいと答えた坂下がガニ股で歩くと、ああ、何してるんだ?柔道じゃないんだよ、少なくともね、エレガントっていうんだから、こう、こう、このぐらいで言ってほしいなと支配人は自ら歩くポーズを教える。

坂下が真似てみるが、なんだ、ガニ股!と支配人は怒り、見かねた徳利が出てきて、外股じゃダメなの!こう雰囲気が大切なんだからというと、自ら見本を見せる。

うん、そうそう、そんな感じ…と支配人は徳利の歩き方を褒める。

目にものを言わせるのね、目も全て全部、内股だよ!と徳利は坂下にアドバイスする。

目も内股?と坂下が困惑すると、あ、いや、目は違うけどねと徳利は訂正する。

目はとにかくまなこだから、そう!と、再び見様見真似で歩き方をやってみた坂下に支配人もアドバイスする。

ダメダメ、大体やる気あるのかな?などと特訓中の楽屋に戻って来たのは琴ちゃんで、あなた、個々お入りになったの?と聞くと、うん、だけどね、センスがなくてダメと支配人は言う。

マネージャ、人が足りないんだから使ってあげたらどう?と琴ちゃんが頼むと、ことちゃんがそう言ってくれるんならね~と支配人は考え、お願いしますと徳利に促され坂下がことちゃんに頭を下げると、それがダメなのね、お願い致しますと琴ちゃんはシナを作った喋り方を伝授する。

そうそう、この雰囲気と支配人も琴ちゃんの仕草を褒めたので、坂下も、真似てお願い致しますとやり直すと、はい、いらっしゃいとそのまま坂下の手を取って琴ちゃんが店に連れて行く。

しっかり頼みますよ、大丈夫かね?と支配人が不安がるので、あ、支配人、ギャラをと言いながら徳利がトランプを開いてみせたので、まあ、最初は良いってことかな?と一枚カードを引き抜くと、あ、いや、それじゃ可哀想ですよと言い、徳利が別のカードを取り出すと、トウシローだよ、君、億万も出せるかい、中取ってこれだと支配人は別のカードを引き抜いて数字を見せると、徳利もOKと笑顔で納得する。

店内に坂下の手を引いて連れてきた琴ちゃんは、マダム、ニューファイスのしんちゃんです、どうぞよろしくと客に紹介する。

ああ、そうとマダムが答えると、坂下がよろしくとただ会釈したので、そうじゃないでしょう?よろしく!やったんさいよと琴ちゃんの注意が入る。

坂下が言われた通り、シナを作ってよろしくと言い直すと、そう、おかけなさん、おかけなさい、あのね、こちら「グラマー」のマダム、日頃ご贔屓になってるのと琴ちゃんは目の前の客のことを教える。

その時、琴ちゃん、琴ちゃん、8番のお客様がお呼びですよと支配人が呼んだので、失礼しますと琴ちゃんがマダムに詫びると、あら、行っちゃうの?とマダムは寂しがるが、琴ちゃんは坂下に、じゃあ、しんちゃんよろしく頼むよとマダムを任せてその場を離れてしまう。

マダムがなんか飲まない?と自分のコップを持って言うので、お酒ですか?と坂下が嬉しそうに聞くと、お酒なんかないわよとマダムは言うので、そうですかと坂下は落胆する。

ことちゃんは8番テーブルの女性客染香(小園蓉子)の相手をすることになり、しばらくお見えになりませんでしたねと話しかける。

うん、忙しくて…、あら、とってもよく似合うじゃない?かわいい!と染香は琴ちゃんのファッションを褒めるので、そうかしら?ちょっと地味過ぎはしないかしら?みんなそう言うわよと琴ちゃんは返事する。

そんなことないわよ、でもね、今度うちの店に新しい品がたくさん入ったからいらっしゃらない?と洋装店「スワン」経営の染香は誘う。

その間、ビールをうまそうに飲んでいた坂下は、からになったビール瓶を持ってビール!と注文したので、全く愛嬌がないのねと女性客は文句を言う。

そうですか、では…と言いながら、坂下は無理に笑って見せる。

もうあんたなんかには用がないから、琴ちゃん呼んできてと女性客は不機嫌そうに言う。

坂下はつまらなそうな表情で立ち上がり、琴ちゃんを呼びに行く。

ねえ、あんたの友達で誰か良い人いない?と8番テーブルで話していた染香の相手し、いくらでもおりますと答えていた琴ちゃんの側に来た坂下は、あの~、マダムが呼んでますよと伝える。

あれ?とマダムの方角を振り向いた琴ちゃんは、あれうるさいから放っておいてよと坂下に言うと、紹介しましょう、ニューフェイスのしんちゃんです、よろしくねと染香に坂下を見せる。

先ほどのマダムは怒って席を立ったので、マダム、帰りますと気づいた坂下が言うと、あ、そう、お相手しててと琴ちゃんは坂下に頼んで、、あら、マダム、お帰り?良いじゃないと挨拶に行くが、怒った女性客は、いや、もう帰りますと言うので、そんな怒んないでよと琴ちゃんは宥める。

だって、なかなか来ないんですもの…と女性客が不満を言うので、良いじゃないの、忙しいんだもんとことちゃんも言い訳しながら、帰りますと言い張る女性客を席に戻そうとする。

その時、琴ちゃんの足を引っ掛けた男客ばかりのテーブルから、おい、女ばっかりデレデレしやがって、俺たちにサービスできねえってのかいと因縁をつけてきたので、皆様、お静かに願いますと琴ちゃんは注意するが、女性客がまた帰りますと言い出したので、もう良いじゃないと引き留めようとした琴ちゃんに、こっち来てサービスしろ、俺たちにも!と男客が腕を掴んでくる。

それを見た女性客が、やめなさいよと琴ちゃんのもう一方の腕を引いたので、男客がことちゃんを突き飛ばすと、何すんのさ!と女性客はバッグで男客の頭を殴りつける。

男客が女性客に掴みかかろうとしたのえ、起き上がった琴ちゃんがおやめなさいと止めんじ入るが、引っ込んでろ!とまたもや突き飛ばされる。

それを見た坂下は男客のところに近づくと、琴ちゃんは女性客たちに起こされ、派手にやりましたねと言う。

この野郎!と男客が坂下の胸ぐらを掴むと、坂下は動じず、相手の腕を捻ったので、他の男客もつかみかかるが、柔道の技で背負い投げを喰らわす。

それを見ていた8番テーブルの染香は大喜びする。

そこにやってきたのが、佐代子に連れられたみゆきたち三人娘で、ああ、やってる、やってる!州五位!早く、早く、頑張れ、頑張れ!とケンカを見つけて応援する。

そんな中、支配人だけは、静かに、ちょっとと止めに入っていたが、そこに坂下が、静かになってますと教えると、男客たちが全員床に伸びていたので、ばか!と叱りつけ、すみませんと坂下は詫びる。

その後、「日本東京ビュティフル協会」のバスで、港に来た坂下は、七輪を起こし、夜間の湯を沸かそうとしていたが、バスの天窓を開けた徳利が、お~い、会長が呼んでるよと坂下を呼び、はいと答えた坂下は、ヤカンのお湯を土瓶に移し替え、バスに持って行く。

先輩!お茶が入りましたと言いながら、バスの中で休憩していた山田に湯呑みに茶を注ぐ。

今徳から聞いたんだけどな、おめえ昨夜「ローザ」で派手に暴れたそうだな?と山田が言うので、すいませんと詫びると、すいませんで済むと思うか!ええ?俺はこの商売始めてから7年間、事故を起こさないでみんなに信用があるんだぞと山田は説教する。

でも客があんまり乱暴なものですから…と坂下が言い訳すると、馬鹿野郎!と言いながら立ち上がった山田はバスの天井に頭をぶつけ、痛がりながらも、客の無理を聞くのがシスターボーイの商売じゃねかと言い聞かす。

会長、もう首になったんだから良いじゃないですかと徳利が横から庇う。

そんな徳利に自分の吸いかけのタバコを差し出した山田は、ええ?暴力は憲法で禁止にされてんだ、お前知らねえのか?と山田が言いながらバスの中の棚を開けようとしてたので、先輩、先輩と呼びかけた坂下は、棚の開け方のコツをジェスチャーで教える。

その頃、事務所で電話がかかってきたのを受けたクラブ「ローザ」の支配人は、はいはい、クラブ「ローザ」でございます、毎度ご贔屓ありがとうございますと答え、昨晩どうもサービスボーイが失礼いたしまして、どうも…と詫びると、あのボーイ、真一でございますか?あれは責任上、早速首にしましたんでと答えると、せっかくでございました、あ、ごめんくださいと答え、電話を切る。

するとまた電話がかかってきたので、同じように答えると、昨日のあの、しんちゃんってあの子、あのことゆっくり話がしたいんだけどと電話してきたのは佐代子だった。

うん?首!とんでもない、あのこのいなくなった「ローザ」なんか、もう遊びに行かないわよと言うので、はあはあ、真一でございますか?はいはい、真一でございますか?早速真一を!と電話を切った支配人は、あんな出来損ないのシスターボーイのどこが良いんだろうな、全くわかんないもんだな~?と首を傾げる。

そこにまた電話がかかってきて、ああ「スワン」のマダムでございますか?毎度どうも、ああ、真一!はい、今夜店に出ておりますから、でも人気者ですからなるべく早めにご指名をいただけませんとと支配人は答える。

じゃあ、良いお席リザーブしといて、それから、しんちゃん、7時からお約束してよ、ええ、じゃあお願いしますと染香が電話で指示してくる。

染香が電話を切った直後、こんにちは、こんにちはおばさまとやってきたのはみゆきと友達だった。

ねえ、おばさま、遊びに来たの、どっかに遊びに連れてって!ねえ、行かない?都合が悪いんだけど…とねだり、うわあ、なんとかならないの、おばさま?としつこく迫る。

ごめんなさいと染香が断ると、うわあ、つまんないの、私、おばさまと一緒でなきゃつまんない!などと三人娘は落胆して帰りかける。

染香は、その代わり、今度伊勢にでも連れてってあげるわよと代替え案を提示すると、本当!と三人娘は大喜びし、じゃあ帰ろうか?さよなら!と言い、さっさと店を出るが、店の前で車から降り立った崎山を見つけ、あらおじさま、お買い物?と声をかける。

うん、ちょ…、ちょっとねと崎山は狼狽しながら答える。

店に入った崎山を迎えた染香は、いらっしゃい、あのお嬢さんたちご存知なの?と聞くと、うん、あれ家内の取り巻きでね、昨日会社にやってきたんだと説明するが、崎山は玄関先で店の中を覗き込んでいる三人娘に気づき、これは何?と客のふりをする。

染香もそれに合わせ、こちらでございますか?こちらはあの~、ただいま流行中のタータンチェックになっておりますと商品の説明する。

こ、こっちは?と崎山が別の商品を指すと、こちらはあのウチロンジで…と染香が答えると、今晩どう?と崎山は小声で聞いてくる。

ダメなのよ、用があって…と染香は答える。

崎山は店の隅に染香を連れ込むと、用がある、用があるって、毎晩用があるじゃないのと文句を言うと、ううん、本当に用があるんですもんと染香は甘えたように答える。

臭いぞ、臭い!と崎山が染香の体に近づいていうと、臭くないわよと染香は自分の手を嗅いでみて反論するので、自分で匂い嗅ぐところを見ると臭いと崎山は看破する。

外からガラス戸を通して覗き見していた三人娘は、見えなくなっちゃったけど何してるんだろう?と怪しむが、想像に任せる、行こう!早く!と言い、その場を離れる。

日本東京ビュティフル協会事務所と書かれたバスの窓掃除を坂下がしていた所に、一台の車が近づいてくる。

降り立ったのはクラブ「ローザ」の支配人で、鉄っちゃん、ちょっと、ちょっと!と窓越しによしかけたので、山がだドアを開け、どうも昨夜はうちの若い子がご迷惑をかけてすみませんと詫びる。

いやいや、それよりニューフェイスどうした?ニューフェイスと支配人は聞く。

真一ですか?何か?と山田が不思議そうに聞くと、あれ、首にしたんだがね、一応取り消そうと思って…と支配人は言う。

本当ですか?と驚きながら、外に降り立った山田に、あれ、案外ものになりそうなんだよと支配人が言うので、ああ、わからんもんですなと笑顔になった山田は、真一!と呼び、支配人もしんちゃん!とバスの周辺に声をかける。

その声で、はい、何です?とバスの下から這い出してきた坂下は、顔が油で汚れていた。

一方、「オリエンタル美容室」に来ていた佐代子は、手鏡で確認しながら、ちょっとここ下げてちょうだい、それから膨らんでいるの大嫌い、ちゃんとよく留めてちょうだいよ、膨らむの嫌なのよ、ああ、こっちちょっとここもちゃんと留めてね、と髪の細部に指示を出し、最終的に大鏡で確認し、うん、結構よと納得する。

その時、こんにちは!一緒についてきたよと男の声が入り口付近から聞こえ、あ、ちょっと!ダメだよ、こんなオカマのあるとこなんか!大丈夫だよ、シスターボーイはここから卒業しなきゃダメだ!と言い争いが聞こえたので、何事から立ち上がった佐代子は、あら、しんちゃん!しんちゃんだったわね?と徳利に連れられてきた坂下を見つけて声をかける。

まあ、昨日の今日、こんなところで会えるなんて、ご縁があるのねと佐代子は感激する。

坂下は困惑し、そうでしょうか?と答えるが、その手を握った佐代子は、しんちゃん、あんた喧嘩が強いのね~、素敵!と褒めながらウインクしてきたので、坂下は、お恥ずかしいですと俯く。

あんた首になったんだって?いいわよ、あんなお店、これから私たち遊びに行きましょうと佐代子は誘ってくる。

それを一緒に聞いていた徳利は、とんでもない、彼は「ローザ」のスターですからね、これから色々と支度するんです、はいと説明し、従業員に、あ、彼を頼むと頼み、坂下を押して店の奥へと進む。

ちょっとくらい良いじゃない?と佐代子学位下がろうとすると、会長の命令ですから、はいと言いながら徳利が押し留めるので、会長なんか何よ!と佐代子は言い返すが、ほんとウンジダメなんです、はいと言って徳利は佐代子を制止する。

ダメね~、良いわ、しんちゃん、今晩どうせ遊びに行くわねと声をかけ、佐代子は帰って行くので、徳利は、どうぞご贔屓に!と帽子を脱いで挨拶する。

上機嫌になった佐代子は、しんちゃん、待っててねと言いながら投げキッスしてくる。

受付の女性はありがとうございましたと送り出し、徳利は顔を吸引機で引っ張られていた坂下の席にすぐやってくる。

坂下は痛がり、兄貴!と助けを求めるが、もう良い、対して変わり映えしないんだからと徳利が急がせると、たいして変わり映えしないんだったらやめてくださいよと頼む。

徳利は、はい次々!と急かし、坂下は赤外線のような装置の前に座らせられ、眩しがる。

その頃、みゆきたち三人組は、ボクシングジムでボクササイズをやっていた。

一方、琴ちゃんの部屋のベッドの上に一緒に寝転び、両足だけ空中にあげて自転車漕ぎのようなことをやっていた坂下は、今日はそれまで、ちゃんと起きてと琴ちゃんから言われ、今度は首の運動と言われ、両手を上に組んで、首を横に動かす動作を見せられ、そんな土人みたいなことはできませんよと弱音を吐くと、どうしてそんなに言うこと聞かないの?と琴ちゃんから叱られる。

同行していた徳利も、レッスンちゃんと覚えないとダメじゃないかと苦言を呈し、ダメですよ、ちゃんとまっすぐ立って、アンドゥ、トロア!出たでた~!ってとダンスだか炭坑節だかわからない踊りの指導を続けようとするが、そこにやってきたのは馴染みの女性客で、ちょっと待ってねと彼女に断り、やったんさいと坂下に命じる。

その頃、山田は、少女と一緒に港で童謡を歌いながら釣りを楽しんでいた。

少女が釣れた!というと、釣れた?大きいよこりゃ、すごいな、ヨイショと釣れた魚の針を取ってやり、バケツの中に入れると、さ、もう一度と少女に勧める。

そんな山田に会長さん!と声をかけてきたものがおり、振り返った山田は、おお、ポッポちゃんじゃないかと喜ぶと、ご無沙汰しておりますと置いたシスターボーうの男は挨拶してくる。

どう?と山田が聞くと、それがダメなのよ、もう一度使っていただけないかしら?とぽっぽちゃんは言うので、大阪、ダメだった?と山田は聞き返す。

それが8年前の話だったんですけどね、石鹸からタオルまでねピンハネなのよ、とってもひどいのよとポッポちゃんは訴える。

うん、もう年も年だから障害替えするんだなと山田はアドバイスするが、だってこれやめたら食べていけないんですもの…とぽっぽちゃんは反論し、ねえ、あの~、もう一度お願いできないかしらとポッポちゃんはしゃがみ込んで頼んでくる。

その頃、クラブ「ローザ」の店内では、ええ、諸君!いや、皆さん方もご承知の通り、我がクラブ「ローザ」は、男女同権の大理想の元に業界の最先端をいくスペシャルキャバレーとして躍進に躍進を続けておりますと、支配人がシスターボーイたちに開店前の挨拶をしていた。

これもひとえに皆さん方の努力の賜物と社長はじめ支配人も心から喜んでおります。

つまり、1にサービス!2に商売!3にサービス、4に商売、はい、ぺこちゃん!と支配人は指名する。

ぺこちゃんが立ち上がると、5は?と支配人が聞いたので、サービスとペコちゃんは答える。

そうですと答えた支配人は、めだかちゃんと指名し、6は?と聞く。

めだかちゃんが商売と答えると、そうです、そうです、大変良くできましたね~、御酒を召し上がるお客様のことだから、まあ、中には嫌な客やしつこい客もいるかもしれません、これをね、人間だと思うと腹も立つだろうけどもね、みんなこれを5000円札と思ってごらんなさい、聖徳太子だとありがたいもんですよねと支配人は説明し、1にサービス、2に商売、分かったねと言い聞かす。

だからですね、利率の良い洋種類や皆さん方のですね、特殊な雰囲気を持ったサービスで1人でも大在のお客様をキャッチしてくれればお店はもちろんのこと、皆さんかたも儲かるし、ついでに私もね、ええ、分かった?分かったら早速支度にかかってください、さあ今日も元気で張り切って設けましょう!と支配人の挨拶が終わったところに、徳利がポッポちゃんと連れてやってくる。

早く化粧して、美貌も…と話し続ける支配人に、マネージャー!と徳利が声をかける。

あの~、またポッポちゃん、お願いしたいんですけどねと徳利が連れを紹介すると、ええ?だけどね、こう言っちゃなんだが、僕の店は君のようなシスターボーイの元祖のようなベテランに来てもらうほど忙しくないと支配人は言い放つ。

しかし1年生からやり直すって言ってるんですよ、ね?ポッポちゃんと徳利が横から口を出し、ぽっぽちゃんもお願いしますと頭を下げるが、粘性;と支配人は繰り返すだけなので、あ、会長からもよろしくって言われているんですよと徳利は付け加える。

あ、鉄っちゃんどうした?と支配人が聞くと、例の病気なんですよと徳利は答える。

あ、そう…と支配人は答えて背中を見せるが、徳利はポッポちゃんに声をかけ、またお願いしますとポッポちゃんは頼み込む。

その夜、いつもの中華料理屋で少女たちに会った山田は、あのね、みんなお母さんに話してくれた?と聞いていた。

少女たちが一斉にうんと答えると、何て言ってた?と山田が笑顔で聞くが、少女たちは一斉に肩をすくめたので、ねえ、どうだったの?と代表の少女が聞き返すと、お母さんは笑ってたわと答えたので、代表の少女と山田はそうと真顔になる。

でもね、いつもおじちゃんにご馳走になって悪いから、もう一度お母さんに聞いてみるわ、ね、そうしましょうよと少女が他の子にも提案したので、ウント少女たちは答え、山田も一応頷いてみせる。

みゆきたち三人娘は、おばさまたちは見つからないし、またあぶれちゃった…、このまま帰る?だけどさ、このまま帰ったってつまらないじゃない?そうね~などと話し合いながら川沿いの夜道を歩いていた。

その時、ベンチに一人座って沈み込んでいた男を見つけ、あらあら、ちょっと何してんの?あんた変な考え起こさない方が良いわよと話しかける。

それはポッポちゃんで、顔をあげたので、あらシスターボーイの古いのよとみゆきたちは騒ぎ出す。

それを聞いたポッポちゃんは、まあ、気持ちは若いわよと答えたので、娘たちは、あらやだあ!と悲鳴をあげる。

どうしたの?あぶれちゃったの?可哀想ね、遊んであげようか?あんたお金持ってる?などと娘たちはポッポちゃんに話しかける。

ううんとポッポちゃんが首を横にふると、な~んだ、私たちと同じかと三人娘は落胆する。

クラブ「ローザ」では、女性ダンサーの踊りが始まっていた。

坂下と同じテーブルに座っていた染香は、ねえ、明日私の店にこない?新しい洋服デザインしてあげるわと、坂下の手を握って誘う。

ありがとうと坂下はお愛想をいうが、ねえ、こうギャザーのふわふわって付いたの、きっと似合うわよと染香は言う。

ええと答えながらも坂下は別の客を見ていた。

その相手は佐代子で、佐代子の方も坂下の方を見つめていたので、その相手をしてた琴ちゃんは、ねえおばさま飲みなさいね、何見てんの?と聞いていた。

え?と佐代子が琴ちゃんの方を向くと、会おう私の相手じゃ気に食わないのねと琴ちゃんは膨れる。

佐代子は、そんなことないわよと答えるが、すぐに坂下の方を見るので、琴ちゃんも坂下のことに気づく。

洋服ができたら伊豆へ行かない?2~3日休めるでしょう?と染香はしつこく坂下を誘っていた。

でも…と坂下が返事をためらっていると、私、マネージャーに話してあげる、もちろんチップははずむわよ、湯ヶ野の山の中の温泉ではね、子豚の丸焼きを出してくれる所があるんですってなどと染香は続ける。

まあ、子豚を…、残酷と坂下はシスターボーイらしい口調で答えると、良いでしょう?と染香は甘える。

一方佐代子も我慢できなくなり、しんちゃん呼んで来てくれない?と琴ちゃんに頼むので、琴ちゃんはしんちゃんですか…とがっかりしたように答える。

佐代子はバッグから札束を取り出すと、五千円札を渡して、お願いというので、それを受け取ったことちゃんは笑顔になる。

染香が良いよっていた坂下のテーブルにやってきた琴ちゃんはお話中ですけど、しんちゃん、8万さんへどうぞと声をかけたので、では失礼と染香に言い残し坂下は佐代子のテーブルへと移動する。

染香はぷんと横を向いたので、代わりに琴ちゃんが、おばさまと言いながら横に座る。

坂下はいらっしゃいと出迎えた佐代子に、失礼しますと言いながらの席に座ると、何召し上がる?ハイボール?ねえ、明日私と付き合ってくれない?お洋服作ってあげる、ギャザーのいっぱいついたの、似合うわよねと、染香と同じようなことを佐代子も言う。

お洋服できたらね、私と一緒にドライブしない?私が運転して2人っきりでと言いながら、佐代子は坂下の手を握ってくる。

そんな2人っきりだなんてと坂下は恥じらって見せると、ねえ?と佐代子が色目を使ってきたので、でも怖いわと坂下は小娘のようなポーズを取る。

一方、染香は琴ちゃんに、しんちゃん呼んで来てと頼むが、しんちゃんですか?と琴ちゃんが不貞腐れて見せるとバッグから金を取り出して、琴ちゃんの襟元に差し込んでくる。

車中暖かくしてねなどと佐代子が誘うと、息苦しいと坂下は困惑するが、そこにやってきた琴ちゃんが、3番へどうぞと伝えたので、では…と言い残し坂下は元の染香の席へと戻る。

するとまた佐代子はバッグから金を出し、ことちゃんに掴ませ用とするが、琴ちゃんが動こうとしないので、札束の数を増やして渡す。

染香の席につき、あの~と話しかけた坂下だったが、すぐに琴ちゃんが肩を叩きにきたので、ではと言ってすぐに立ち去る。

染香は不機嫌になったので、すぐにその横に腰掛けた琴ちゃんが、しんちゃんですねと意味ありげに言うと、染香もバッグから札束を取り出し、琴ちゃんのセーターの襟の中に忍ばせる。

坂下が座ったので喜んだ佐代子だったが、あの…とと坂下が話しかけた時、琴ちゃんがやってきて、あっちと声をかける。

坂下はすぐにいなくなり、代わって座った琴ちゃんが、しんちゃんですか?と聞いたので、流石に佐代子も憮然としてしまう。

戻ってきた坂下に、しんちゃんと呼びかけた染香だったが、すぐにまた琴ちゃんが呼びにきて、セーターの首元を広げて座ったので、染香も憮然となる。

坂下が戻ってきた喜んだ佐代子だったが、坂下が座るや否や琴ちゃんと交代し、琴ちゃんはすぐに手を差し出したので呆気にとられながらも、すぐに札を手渡すしかなかった。

それを受け取った琴ちゃんはセーターの首元の中に入れると、すぐに坂下を呼びに行き、またしても染香から金を要求する。

再び自分の席に坂下が来たかと喜んだ佐代子だったが、あっという間に琴ちゃんと入れ替わってしまう。

そのうち坂下は3番テーブルと8番テーブルの中間地点で立ち止まっているだけで、琴ちゃんが両方のテーブルを移動し、二人のマダムから金を受け取り続けるだけになってしまう。

一方、川沿いのベンチに一緒に並んだポッポちゃんと三人娘は、都会のネオンを背景に楽しそうに合唱していた。

翌日もみゆきたち三人娘はボクシングジムでスパーリングを楽しんでいた。

崎山社長は、社長室で1人ゴルフと体操のミックスのような運動をしてた。

一方山田は、女社長から結婚の申込を受け、せっかく社長の申し込みですが、僕は当分結婚しないことにしてるんですよと答えていた。

当分っていつまでのことです?と女社長が聞くので、まあ約10年か15年ですなと答えると、バカなことおっしゃい!と女社長は立ち上がってそっぽを向く。

はあと山田が生返事をすると、一体私のどこが気に入らないんです・と女社長は自分の席に戻ると聞いてくる。

山田はそう言うわけじゃないんですよ、自分の女房は自分の思い通り、つまり理想の女性でなくちゃいけないと思うんですよと言い訳する。

それは贅沢です、私で我慢なさい、第一考えてご覧なさい、私の経済的才能とあなたの実行力を合わせたらきっと理想的な子供が生まれるわよと女社長は言う。

そうはいきませんよ、あなたのケチなところと僕の喧嘩が早いところに似てご覧なさい、よほどひどい子供が生まれると思いますよと山田は笑って答えたので、失礼な!と女社長は机を叩いて抗議する。

一方、琴ちゃんは、自宅に来たマダムから投げ飛ばされており、ごめんんさい、ねえ、一度だけで良いから私のいうこと聞いてとねだられていた。

琴ちゃんは、勘弁してくださいよ、もう…と巨費していたが、もうお願いね、こんなに胸がドキドキしてんのよ、琴ちゃん!とマダムは琴ちゃんの手を自分の胸に押し当てて迫ってくる。

琴ちゃんは顔を顰め、マダム困りますよ、もう本当に困りますよと尻込みしていた。

ねえ、あんまり焦らさないで、ねえ琴ちゃ~ん、私ね~、5年も一人でいるのよ~と、それでもマダムはしつこく迫る。

そう、危ないとこですねとことちゃんが答えると、分かって欲しい、琴ちゃん、可哀想だと思って…などとマダムは椅子の上で琴ちゃんを抱こうとするので、椅子の端に座った琴っちゃんは足の置き場がなくバランスをとりながら耐えていたが、一度だけで良いのよとマダムがさらに接近したので、マダムは傾いた椅子と共に転げ落ちてしまう。

やめてくださいよ、ああ、危ない!と琴ちゃんはベッドの方へ逃げようとするが、どうしてあなたが逃げるのよ!とマダムは追い縋ってくる。

やめてくださいよと逃げる琴ちゃんと、私を哀れだと思って…と追いかけるマダムはベッドを挟んでせめぎ合いになる。

追いかけっこじゃないんですよ、やめてくださいと琴ちゃんは逃げ回る。

マダムはベッドの上に逃げた琴ちゃんに掛けカバーを被せ捕まえようとするが、事ちゃんはそんなマダムを弾き飛ばし、フラフラになって逃げるが、この服だって私が作ってあげたんじゃないか!この服だって私が作ってあげたんじゃないか!とマダムがその辺に置いてあった服を掴んで怒るので、あの~、まだまだ僕はいらないけど勝手に作ったんじゃないですかと琴ちゃんは呆れる。

マダムはヒステリーを起こし、悔しい!この服だってみんな作ってやったんじゃないか、悔しいと!叫びながら、衣装タンスの服を全部外に放り投げ、最後にはなぜか衣装タンスの奥に隠れていたマネキンに化けた愛人まで放り出す。

一方、坂下を洋装店「スワン」に連れてきた佐代子は、これが一番お高いの?と選んだ服を坂下の体に合わせて見ながら店員に確認し、これどう?と坂下に聞いていた。

坂下は、ええ、でもこれ買うお金がないんですと答えると、何言ってるの、しんちゃん、今日1日私に任せたんじゃないの、そんなこと心配するんじゃないの、ね!だけどやっぱりこれ地味ね、あんたはギャザーがいっぱいついた派手なのが良いわね?良いわ、新しく作りましょう、生地見て来ましょうと佐代子がいうので、そうですか?すいませんと坂下は恐縮する。

じゃあ、お願いします、明後日までに確かに!と客を送り出すため店に姿を見せたのは、この店の主人染香だったので、坂下を見つけた染香は、あら?しんちゃん、よく来てくれたわね、嬉しいわ、何度も電話したんだけどちっとも連絡つかなかったのよと嬉しそうに駆け寄ってくる。

それに気づいた佐代子が顔を顰めながら近づいてきて、まあ、ここあなたのお店?と聞き、そうよと答えた染香は、お会いしたかったわ~と坂下に抱きつくので、そんな染香を押し退け、ちょっと失礼、今日はしんちゃん、私がお連れしておりますのと佐代子が言う。

え?と染香が驚くと、おたくのお店にはお安いものしかありませんの?と佐代子は嫌味を言うので、私の店では流行の先端を言ってばっちゃんりーるので、時代遅れの方にはご理解できないんでございますよと染香も言い返す。

それを聞いて苦笑した佐代子は、しんちゃん?他のシックな店行きましょうねと坂下に微笑みかけ、腕を引いて帰りかけるが、もう一方の腕を掴んだ染香は、そんな肩とお付き合いすると、ご趣味がお下劣になりましてよと坂下に言い聞かす。

佐代子も、お世話様と言って坂下の腕を引っ張るので、両者に腕を引っ張られた坂下は、およしになって、毛糸が伸びちゃうからさ~、死んじゃうよ~と嫌がるが、二人がやめそうもないので、よせ!と怒鳴りつけ、二人が驚いて腕を離すと、あら、ごめんなさいと謝って店から逃げ出す。

一瞬遅れて、しんちゃん!と佐代子も慌てて後を追う。

ある日、「日本東京ビュティフル協会事務所」のバスに前日の支払いを終えたシスターボーイたちが一斉に帰ってゆく。

「ドライ化粧品」の会社の前にタクシーでやってきたみゆきたち三人娘に、よおよお、130円だよと運転手が料金を要求すると、やだ、お金払うの?あんた、お金持ってる?と互いに聞き合い、うん30円、50円と出し合い、あんたない?ないと言うことにな理、あれで行こうか?というと、運転手に80円しかないんやと言うなり、いきなりキスをし、負けといて?と言う。

社長室で、崎山社長は、メリーアンナ、オ~、メリアンナ、オ~!と歌いながら、書類にハンコを押していた。

そこに、おじさま、こんにちは~と言いながら三人娘がやってくる。

なんだ、君たちは?と崎山社長が聞くと、おじさまを誘惑しに来たんだとみゆきがいうと、ふ~ん、君たちの相手は佐代子じゃないのか?と崎山社長は皮肉を言う。

おばちゃまはダメ、近頃ちっとも遊んでくださらないんですものとみゆきは言うので、そうかな?と崎山が不思議がると、さらにおばちゃま、おじさまともちっともお遊びにならないでしょう?と言うので、うん、そういえば、まあ…、あれはよく遊びに出かけるらしいな?と崎山社長は答える。

そうなんだ、実は今流行りのね、シスターボーイの相手で忙しいのよとみゆきたちは教える。

シスターボーイっていうと、これか?と言いながら立ち上がった崎山社長はシナをつくってみせる。

そうよと三人娘が言うので、君たちシスターボーイと遊ばないのか?と崎山社長は聞くと、やだ、あんなの大嫌い!絶対嫌いよ、私たちの敵よ!と娘たちは口を揃えて罵倒する。

ああ敵か…、敵は…と言いながら崎山社長は苦笑する。

だってね、おばちゃんを私たちから奪うんですもの!でもね、やっぱり私たちは男性的な男性の方が良いわよ、そうなんだ、ことにおじさまのような方が大好き、良いんだ!ねえ、おじさま、私たちと一緒に遊んで!おじさま~と三人娘は口を揃えて崎山をおだててくる。

だけど、あれね、おじさまはお忙しいんでしょうね~とわざとらしく聞いてくる娘に、暇で困ってるんだと急に崎山社長は色目で答えてくる。

「Onlimits」などネオン輝く夜の街

バー「グラマー」にやってきたミサイルの親分は、踊っていた踊り子の尻を叩くと、よお、ママ、「ローザ」で御発展だってね?とカウンターに座ってままをからかう。

ママは酒を出しながら、それがダメなんだよ、私はね、自分の店ほっぽり出してね、琴ちゃんに注ぎ込んじゃったのと打ち明ける。

ミサイルの親分は、俺に任さないか?どんな無理でも通そうってのは、このミサイルってわけだ、マージンは少々高いがねと言いながら注がれたホワイトホースを飲む。

頼むわよとママが言うと、OKとミサイルの親分は返す。

クラブ「ローザ」の楽屋で電話を受けていた支配人、え?何だって!丸山さんが急に出られない?おい、今になってそんなこと困るじゃないか!と憤慨しながらも、ええ、おい君たち、早く早く、お客さんお待ちかねだからとその場にいたシスターボーイたちを客席に追い出すと、あのね、少々くらいの風邪声の方が魅力があって良いんですよ、あの人は…と、ええ?何?熱がある?熱だって、僕の店の信用どうなってくれるんだい!インチキだってお客様怒るよ!君!で、ダメか…と落胆して電話を切る。

その時、楽屋にやってきたことちゃんが、まだ化粧をしていた坂下に、呼んでると客席を促していたので、ああ、琴ちゃんと呼び止めた支配人は、君歌わんか?アトラクションで歌ってくれ、代わりにと頼む。

ことちゃんは面くらい、私できないと言うが、いや、無理でも歌えと支配人が無理強いするので、いや、無理、できないと断る。

何!それじゃあ、しんちゃん、君やってごらんよとことちゃんは坂下に声をかける。

頼む!助けてくれ!と支配人も手を合わせてくるが、嫌よ、そんなの…と坂下はごねる。

ダメだよ、もう変な声の方が喜ぶんだからなどと支配人は妙なことまで言って坂下を口説こうとし、琴ちゃんも、そうと同調する。

妙な声ほどね、客ウケするんだよ、頼む!とにかくね、時代は全てごまかしだななどと支配人は言う。

ごまかすなんて嫌よと坂下はますます態度を硬化させるが、そう言わないで、早く支度してと支配人は無理強いし、自ら坂下の顔にメイクし始める。

その後、「ローザ」内に店内放送があり、お客様にお断りがあります、本日丸山彰宏さん急病のため当店のニューフェイスしんちゃんに変わって歌わせますから、ご了承の上、宜しくご支援くださいませという支配人の声が流れる。

客たちは拍手をし、そんな客席に坂下を連れて行こうとした支配人だが、ちょっと聞いてよ、こんなお衣装じゃ恥ずかしくて歌えやしないと坂下は文句を言うが、構いはしない、ファッションショーじゃないんだから、早くいらっしゃい、早くねと支配人は急かす。

それでも坂下は、嫌ったら嫌!もう!と駄々をこねる。

客席には染香も佐代子も来ていたが、二人は互いにステージの一番前に椅子を出し、特等席のようにそこに並んで座って坂下の登場を待ち構える。

二人は互いに見合っては睨み合うが、あ、しんちゃんだわ、しんちゃん!と歓声を聞くと、二人とも嬉しそうに拍手する。

その頃、崎山社長は、三人娘の歌う炭坑節に合わせ、禿頭を徐々に上に上げる芸を料亭の座敷で披露していた。

歌が進むにつれ、崎山社長の踊りも芸が複雑になっていき、最後は3点倒立まで見せてくれる。

「ローザ」ではステージに立った坂下が美声を聴かせていた。

それを最前列の椅子で聞いていた佐代子も染香も大満足してた。

一方、お座敷では、みゆきたち三人娘が闘牛士のふりをし、その下げたスカーフめがけて、両手の指を角に見立て牛に扮した崎山社長が突進する座敷芸をやっていた。

クラブ「ローザ」では、甘い坂下の歌が終わり、きゃー!しんちゃん!と佐代子も染香も奇声を発して拍手する。

互いにライバル心を発揮し、一人が立ち上がると、もう一人も立ち上がり、さらに椅子の上に立つともう一人も椅子の上に立って拍手をするという目立ち競争になる。

ある日、バスのタイヤのネジを締めていた徳利が、そばで見ていた山田に、会長、新橋のミサイルがこの場所を狙っているって話ご存知ですか?と聞いていた。

知らねえなと山田が答えると、マダムに切り込んで、えらく切り込んでいるそうですねと徳利は言う。

山田がへえ〜と返事し、タバコを吸い始めると、呑気だな、会長も…、彼女なかなかいけると思うんですけどね、早いとこマダム慣らしちゃわないとえらいことになりますよと徳利は忠告するが、うるせえな、俺、あんな女大嫌いだよと笑って答えた山田は、タバコを徳利に差し出し、紐つけてやろうとするので、徳利はどうぞどうぞと先に山谷火をつけるように勧める。

その女社長はミサイルの親分と外を歩きながら、お前もビュティフル協会やりたがっていたんだし、何とか早く肩をつけておくれよとせかしていた。

奴のことはこのミサイルに任しといてください、バスを引き上げちまえば訳はねえんだから、俺にもちょっと考えがあるんだとミサイルの親分は答える。

私はもうあいつのことが癪に触ってしようがないんだよと女社長が打ち明けると、振られた人の気持ちはわかりますがねとミサイルの親分が言うので、ミサイル!じゃあ頼むよと指示を出して、女社長は別れる。

ミサイルの親分は遠ざかって行く女社長に、オーケー!と答える。

その頃みゆきたち三人娘は、染香おばちゃまも佐代子おばちゃまも、山田のおじさままでいないなんて変よね?と話ししながら街を歩いていた。

私たちがあぶれたのは、あの真一とかいうシスターボーイのためよと友人は指摘すると、早々、シスターボーイって私たちの敵ねともう一人の友人も賛成する。

みゆきが、引っ張り出してやっつけちゃおうか?と提案すると、でもあいつ「ローザ」ではケンカ強かったじゃない?と友人が教える。

大丈夫よ、三人集まればと別の友人が言う。

そんな三人娘が出会ったのはミサイルの親分で、互いに道を譲ろうとしないので、退けよ、退けよの言い合いになる。

銀座のミサイルを知らねえのか?とミサイルの親分が威張ったので、知らないと三人娘は即答する。

知らない?と驚いたミサイルの親分は、もう一度、知らない!と言われ、知らないのか?と心底驚く。

すると三人娘も知らないのか!と言い返してきたので、知らないのか!とミサイルの親分も怒鳴り出す。

知らないのか!と三人娘の方が勢いが勝り、とうとう2人の友達の肩を持って体を浮かしたみゆきが、ダイナマイトの親分を蹴飛ばしてしまうと、知らないよ〜!ともう一度叫んで逃げ出してしまう。

遠ざかって行く三人娘に、知らないのか!とミサイルの親分は叫んでいた。

その夜、バー「グラマー」に山田を呼び出したミサイルの親分は、お前、親方を振ったから、彼女、お前と手を切るって怒ってるんだ、だから俺は中に入ってまあまあまあと止めているような状態なんだよ、まあ、そんなことはどうでも良いや、このマダムに琴を何とかしてくれねえかと話していた。

お礼はいくらでも出すわよとマダムも言う。

どうでえ?とミサイルが聞くので、冗談じゃありませんよ、私は赤線業者じゃねえんですからねと山田は答える。

するとミサイルは、シスターボーイに赤も青もねえじゃないかと声を荒げる。

一方みゆきたち三人娘はクラブ「ローザ」に乗り込んでいた。

いないわね〜と店内を探していたみゆきは、支配人を見つけ、ねえ、佐代子おばさま来なかった?と聞くと、今夜はまだと言う。

おかしいわね〜、本当?とみゆきが食い下がると、本当ですと支配人は答える。

その頃、佐代子は坂下を料亭に招いで、二人きりで酒を酌み交わしていた。

どうぞとお銚子を向けられた坂下は、すみませんと言いながら坂付きで受ける。

あんた、本当にいけるわね〜と佐代子が感心すると、合宿でみんなとよく飲んだんですのよ、でも私はちっとも飲まなかったんですのなどと坂下は言うが、部屋の隅にはすでにからにしたお銚子が数十本置いてあった。

頼もしいわ〜、しんちゃん、好きな人いるの?と佐代子が聞くと、ううんと坂下は否定したので、だけどお店でいろんな女の人に口説かれるでしょう?と佐代子は突っ込む。

そうでもないのと坂下が答えると、可愛いと佐代子はおだて、いや!と坂下は恥ずかしがる。

その隣の部屋で酒を酌み交わしていたのは崎山社長と染香で、じゃあ、どうしてもお前は俺と別れるって言うのかい?と崎山社長は染香に確認していた。

ええ、すみませんと染香は詫びるが、好きな人でもできたのかい?と崎山社長が聞くと、うんと言う。

う〜ん、あのシスターボーイだろう?と崎山社長が推理すると、うん、知ってくくせにさ…と染香は恥じらう。

あんな、お前、こう毛ばかりあって、額が短いあんな奴、どこが良いんだ?と崎山社長が聞くと、あら、ハゲより良いわよと染香は言い返す。

ああ、この方が石鹸が少なくて済むと崎山社長はハゲの利点を主張するが、私ね、どうしても別れたいんです、お願いしますと染香は訴えるので、どうしてもと崎山社長が再確認すると、どうしてもしんちゃんと一緒になりたいんですわと染香が言うので、そんなことしたら困りゃせんか?と崎山社長は案じる。

いいえ、お店で、しんちゃんぐらいは、まあ、何とか…と染香は答えるので、お店って、ありゃわしの…と崎山社長が指摘すると、ええ、そうですよ、ですけど…、ね?あなたには長い間サービスしたんだし、お店くらいいただいたってねと染香は言う。

そんな料亭にやって来たみゆきたちは、あ、おばちゃまの車だ、ね、来てるでしょう?と見抜いていた。

さ、乗り込んじゃおう!行こう!と三人娘は張り切って料亭に入ろうとするが、ちょっと待って、入ってどうするのさ?おばちゃまたちを怒らせても困るし…とみゆきが疑問を口にする。

そうか…、要するに私たちは、あのシスターボーイをぎゅっととっちめれば良いわけねと友人たちも冷静に考える。

そうなのよ、どうしよっか?どうしよっか?どうしよっか?と三人娘は思案に耽る。

座敷では佐代子が、しんちゃん、私ね、崎山と別れようと思うの…、あの人女さえ見れば誰でもよろめいてしようがないのよ、だからね、はっきり今度別れさせて一人になるの…と打ち明けていた。

わかる?わかるわね…と言いながら坂下ににじりよった佐代子は、毛がたくさんあって良いわ、本当にと言いながら坂下の髪の毛を触る。

隣の部屋では、私はこの際、佐代子と別れて独り身になる決心をしたと崎山社長が宣言していた。

そして天下晴れてお前と結婚式を挙げてだな…と嬉しそうに続けるので、ええ、結婚式は一本会館か何かで盛大にやりたいとおもとるんだ、え、察してくれよな、最後のごとき、お前、暴力的愛欲に燃えてるやつには心底耐えられん、お前だ、あなただ!頼む、あなた、別れないでくれ!頼む!と懇願してきたので、染香はすっかり冷めた表情になっていた。

ねえ、しんちゃん、私を抱いて、ねえ!私、優しいのよ、怖くないの…と佐代子も坂下に言い寄っていた。

尻込みした坂下は、でもお店に帰らなくちゃと躊躇うので、お店なんかどうだって良いじゃないの、ね?私に任せといて、うふん!と言いながら佐代子は坂下を押し倒す。

しかし坂下は起き上がり、部屋中を逃げ回り始めたので、いや、大丈夫だってと佐代子は後を追いかける。

どうするのよ!と追ってくる紗代子から逃げるために、隣室との境目の敷居をくぐった坂下だったが、あら!と隣室の染香に気づかれたので、慌てて戻ろうとする。

元の部屋に戻った坂下だったが、しんちゃん、どうしたの?こんな所入って!と待ち構えていた佐代子に捕まっててしまったので、でもおばさまが…と坂下は言い訳する。

しかし坂下の足は染香が引っ張っていたので、敷居を挟んで隣同士で女の引っ張り合いになる。

結局、佐代子の方に引っ張られ、かわいそうにと言われる。

その時、敷居の障子を開けた染香が二人に気づき、まあ!と絶句するし、佐代子の方も振り返って驚く。

あら、まあ!あんたなの!こんな所にまた五円玉みたいな顔して!と佐代子が罵倒したので、敷居を飛び越えた染香は、もう我慢できませんよ、何が五円玉よと紗代子につかみかかる。

私ね、しんちゃんとね、ちゃんと約束できていますのと佐代子が自慢するので、何よ、この砲戦ゴリラ!と染香は罵倒する。

二人が取っ組み合いの喧嘩になった隙に、坂下は座敷から逃げ出す。

何とか料亭から逃げ出した坂下の前に立ち塞がったのは、みゆきら三人娘たちだった。

座敷ではプロレスが始まっており、染香のパンチを帯の部分に受けた佐代子は、こうなったら「飛行機投げ」!と叫ぶと染香の体をだきあげぶん回し始める。

隣の部屋から敷居越しに中を覗き込んだ崎山社長は、染香が紗代子に振り回されているのに気づいて助けに入り込む。

危ない、危ない、危ないじゃないかと注意すると、亭主と気づいた佐代子は、あなた!こんなところで、もう!と今度は隣室に逃げ込んだ亭主を追いかけ掴み掛かる。

そして染香と同じ部屋に引っ張り込んで押し倒すと睨みつける。

その紗代子の目を見た崎山社長は恐怖のあまり、その場に気絶してしまう。

一方、みゆきらに近くの川沿いの道に連れてこられた坂下は、まあ、そんなことなさっちゃ、嫌!と怯えてみせる。

何、言ってるのよ!あんた一体男なの?女なんでしょう?大体ね、あんたのやり方はちょっとひどいよ、紗代子おばさんをよろめかせたり、染香おばさんをなびかせたりさ、おかげで私たち、あぶれちゃったじゃないの!私たちの敵よ、あんた!と三人は口々に攻撃してくる。

坂下は、まあ、そんな…と嘆いてみせる。

ちょっと!もっと吐き入り言いなさいよ、返事できないの?じゃあさ、ここで潔く決闘やろうじゃないの、ね?もちろん買ったほうがおばさまたちを独占するのよ、良いわね?とみゆきは挑戦してくる。

ちょっと、やっちゃおうよ、やっちゃいな!と友達二人もけしかけて来て、みゆきは日頃練習していたボクシングポーズをとるが、坂下は腰の動きを合わせてくるだけで手を出そうとしないので、何だ、やんないの?意気地なし!言いたいことがあったら言いなさいよ、早く!とみゆきはせかしてくる。

すると坂下は、私は生意気な女は大嫌いと答える。

それを聞いた三人娘は笑いだし、何言ってるのよ、シスターボーイのくせに!とみゆきは嘲、三人娘が全員で坂下を殴り始める。

坂下は無抵抗でしゃがむだけなので、何んだ、意気地なし!男のくせに女の格好して!と嘲ると、行こう、行こうと言いながら立ち去って行こうとする。

坂下は黙って、そんな三人に近づくと、一人ずつ手の甲でビンタしていく。

殴られた三人はショックのため泣き出し、特にみゆきは去ろうとする坂下に抱きついて泣き始める。

その頃、料亭から崎山社長と佐代子と一緒に出て来た染香は、どうも長々とお世話になりましたと礼を言って立ち去るので、それを何となく追おうとした崎山社長を、慌てて佐代子が引き止め、にっこり笑いかけると自分の車に乗せる。

その頃、みゆきは坂下と並んで歩いていた。

みゆきは嬉しそうに、シスターボーイ、本当にやめてくれる?と聞くと、坂下はうんと答える。

きっとよ、どんなことがあってもよとみゆきは念を押す。

うんと坂下が答えると、神様にも誓うのよとみゆきは言う。

うんと坂下が答えると、嬉しい!しんちゃん、やっぱり男らしい方が素敵だわとみゆきは喜び、みゆきももっと女らしくならなくちゃねと反省する。

もう遅いから帰ろうと丹下がいうと、いや、いつまでもこうして歩いてタイトみゆきはわがままを言う。

翌朝、山田の家にかけて来た徳利が、会長!会長!バスが!と叫ぶ。

え?と驚いた山田は、少女と一緒に外に飛び出してくると、マダムとミサイルが!ととくリハバスの方角を指差す。

見ると、女社長とミサイルの親分が、バスの中のちょうど類を全部外に捨てている最中だった。

どうしたんです?と山田が聞くと、今日からお前は首だよ、バスはもらっていくからねと女社長は答える。

ビュティフル協会は俺が確かに引き継いだ、今よりもっと盛んにやって見せるから安心しろとミサイルの親分も得意げに言う。

さ、行こうと女社長はミサイルに言い、一緒にバスに乗り込み走り去る。

会長!と徳利が言うと、雇われ人の悲しさだよと山田はバスを見送りながら答える。

徳利は畜生!と遠ざかってゆくバスを見ながらつぶやく。

今日からこのミサイルが諸君らのマネージャーをやってやると、いつもの場所にやってきたバスの背後に集まったシスターボーイを前にミサイルの親分が宣言する。

500人の子分によってこの銀座界隈の治安を維持している俺がやってやるんだから、感謝しなきゃいかんぞ、手数料は牛乳も上がっておる、風呂代も上がっておる、諸物価が上がっておるんだよ!20%に引き上げる、諸君がどんどん働けばそんなものはなんでもない、文句はないはずだとミサイルが言うと、シスターボーイの間に戸惑いと、冗談じゃないわね〜などとざわめきが起こる。

異議のない奴は手をあげてくれとミサイルの親分が呼びかけると、シスターボーイの周囲を固めた子分たち(榎木兵衛ら)が手をあげる。

良し、わかったと答えたミサイルの親分は、わかった奴は早く店へ行け!と命じ、子分たちが無理やりシスターボーイを移動させる。

近くの川面を流れる「日本東京ビュティフル協会」の立て看板

それを道路から見守る山田、徳利、少女の三人

あんなに世話になりながら1人も残らないなんて、不人情者のやつばかりですねと無念そうに徳利が言うと、な〜に、ミサイルが怖いんだよ、シスターボーイなんて弱い商売だからなと山田は答える。

それにしても1人や2人、特に琴ちゃんなんか会長に育ててもらったのにな…と徳利は指摘する。

徳利、もう良いよと山田は止めると、洋子ちゃん、早く行かないと遅れるよと言い聞かせると、今日はお仕事お休みにするはと洋子は答える。

どうして?と山田が聞くと、どうしてでもと言う。

そこに、先輩と声が聞こえたので、山田は顔をあげ、おお、真一!しんちゃん!と喜ぶ。

昨夜は帰らないで失礼しましたと詫びた坂下は、お前だけは忘れずに来てくれたんだなと言う山田に、実はシスターボーイをやめようと思いまして…と伝える。

そうかと山田が答えると、ちょっと事情がありまして…と坂下が言うので、女か?と聞くと、はあと肯定し、目を向けた橋の所で待っていたのはみゆきだっので、それも良いだろうと山田は笑顔で答える。

ありがとうございまうと坂下は礼を言うが、徳利は納得いかないようで、真一、お前は会長を見殺しにする気かよ、バスはミサイルに持ってかれちゃったんだと教えると、ええ!と坂下は驚くが、山田は苦笑しながら洋子の頭を撫で、首になったんだと言いながら川の方を向く。

徳利は、会長はお前が来たらミサイルに対抗して一旗上げようと思ってたんだ、それなのにやめるなんて…と訴える。

徳、愚痴はよせよと山田が叱ると、ちょっと待ってくださいと言い残し、坂下はその場から離れる。

その後を追ってみると、坂下は橋の所で待っていたみゆきと合流し、何事か言い合いを始める。

みゆきは拗ねている様子。

そんな二人の言い合いを手前から見守る山田と徳利と洋子だったが、みゆきと別れた様子の坂下に、真一!と山田が呼びかける。

その頃、クラブ「ローザ」の事務所に来たミサイルの親分に、私は嫌ですよ、あんたの世話になんかなるのはね、私たちはね、ビュティフル協会にちゃんと操を立ててんですからねと抗議していた。

支配人はすっかりミサイルの親分にヘイコラしているし、楽屋にも子分たちが監視をしていた。

ね、帰ってちょうだいとことちゃんが言うと、他のシスターボーイも帰ってよ!と言い出したので、ミサイルの親分は怒って、琴ちゃんを突き飛ばす。

ことちゃんは怯えながらも、暴力はおやめくださいよ、人権蹂躙ですからね、早く返してくださればよろしんですからねと主張する。

他のシスターボーイたちも同調して騒ぎ出すが、子分たちが威圧してくる。

静かにしろ!てめえたち、俺を通さなきゃこれから商売できねえんだぞとミサイルの親分が母成つけると、何言ってるのよとシスターボーイから反論がある。

あんたは鬼よ、か弱い私たちをいじめてどうするんですか?よろしいですか?ビュティフル協会は10%の手数料ですよ、あんたの所は20%のピンはねじゃありませんか!と琴ちゃんは主張する。

そんな琴ちゃんの頬を押したミサイルの親分は、ぺちゃくちゃ言ってねえで、早く店に出ろ!と命令する。

子分たちから無理やりフロアに連れ出されたシスターボーイたちを見かねた支配人は、ミサイルさんあれじゃあ、あの子達が少しかわいそうじゃありませんかと意見するが、見てくれ、これがミサイルのシステムだ、あいつら働かしゃおめえだって儲かるじゃねえかとミサイルの親分が言うので、それはまあそうですがね、でもメンバーが揃わなくちゃうちの店の商売になりませんからねと支配人はこぼす。

するとミサイルの親分は、琴がいるしよと言い返し、あ、そうか、真一か!と気づく。

そうですよと支配人が言うと、良し!とミサイルの親分は答える。

馴染みの中華料理店「北京亭」で、洋子、徳利、真一、みゆきらと共に食事を終えた山田は、これで「東京ビュティフル協会」の解散式も済んだ、徳、行こうと言って徳利の胸を叩いて帰ろうとする。

あ、じゃあまだ料理が…と徳利はテーブルに残った料理を指して慌てたので、何だ?お前まだ食べるつもりか?と山田は不思議がる。

いや僕はいっぱいんですけどね、あの、余ってるし、母袋ないからいつも通り折に詰めてもっていこうかと思って…と立ち上がった徳利が言うと、そう言う意地の汚いことを言うんじゃねえよ、花嫁さんはな、俺たちが見てたら何も食べられえ‥と言いながら、気を利かしたつもりの山田がみゆきを指差すと、みゆきは平然と食べ進めていたので、苦笑した山田は、さあ行こうと洋子に話しかける。

どこ行くんです、バスはもうないんですぜ?と徳利が不思議がると、うん、歩いているうちには何か良い考えが浮かぶだろう、君たちもこれからのことを相談するんだなと徳利と坂下にいうと、じゃあ、行こうと言い残し、山田は店を出る。

学生服姿の坂下とドレス姿のみゆきは立ち上がり3人を見送るが、一旦戻ってきた徳利がベレー帽を持ち帰るふりをして果物を一個取って行いこうとし、二人を見て諦めて帰って行ったので、坂下とみゆきは思わず笑ってしまう。

再び椅子に腰を下ろしたみゆきは、会長さんって良い人ねと感心すると、うん、僕の田舎の人たちってね、みんなああなんだと坂下が教えたので、で、しんちゃんも良い人ってわけ?とみゆきがからかうとそれはそうだよと坂下は笑い、明日から仕事見つけなきゃな〜と呟く。

ねえ、私も働く、裁縫役頼んでドライ化粧品…とみゆきが言いかけた時、ミサイルの子分たちが店に入ってきて、おお、真一、顔貸してくれと凄んでくる。

何だよ君たちはと、坂下が握られた手を振り払って聞くと、ミサイル一家の者だ、文句言わずに来いと相手(深江章喜ら)は言う。

良し、ここじゃ店に迷惑だ、行こうと坂下は応じる。

しんちゃん!とみゆきが案ずると、大丈夫、すぐ帰ると言い残し、坂下はチンピラ連中と共に店を出てゆく。

外に出た途端、真一は子分たちに担がれて運ばれていく。

それに気づいて、あ、しんちゃんと後と追おうとしたみゆきだったが、うるさいと子分に追い返されてしまう。

クラブ「ローザ」では、バンドの演奏に合わせ、シスターボーイたちがデモ隊のように一致団結して反抗していたので、静かにしろ!とミサイルの親分は叱りつける。

子分たちがシスターボーイたちを壁際に押し戻し、てめえたち、舐めた真似しやがると承知しねえぞとミサイルの親分は脅す。

人権蹂躙、横暴でございまうよと琴ちゃんが言い返すと、そうよ!私たちは人間よ!絶対、反対よ!と仲間たちも同意する。

そんな中、無理やり楽屋に連れ込まれた坂下は、子分たちから一方的に化粧させられる。

みゆきは帰りかけていた山田たちに追いつくと、会長さん、大変なんです、しんちゃんがミサイルに攫われたんですと伝える。

ミサイルに!と山田は驚き、徳利と山田は、そうだ!と何事かを思いつく。

山田と徳利が走り出したので、みゆきと洋子も一緒についてくるが、二人ともついてきちゃいけないよとそれに気づいた山田が止めると、だってしんちゃんが…とみゆきが言うので、いや大丈夫、任してきなさいと山田は言い聞かせる。

会長、会長と呼びかけたみゆきだったが、何事か思いつき、近くにあった電話ボックスに飛び込む。

クラブ「ローザ」にやってきた山田は、ミサイル!と呼びかけ、会長に気づいたシスターボーイたちは、会長さん!と助けを求めてくる。

会長!と近づいてきた支配人も、てめえの出る幕じゃねえとミサイルの親分は突き飛ばす。

真一をどこにやったんだ?と山田は聞く。

どこにやろうと俺の勝手だとミサイルの親分が答えると、おめえの勝手にさせるか!と山田が言い返したので、洒落たことを言うなとミサイルは凄むが、会長さん!とシスターボーイたちが声をかけてきたので、そっちに向かって頷いた山田は、良し、琴始めみんな今まで通り俺が引き受けるぜとミサイルの親分に面と向かって主張する。

引き受ける?とミサイルの親分が素っ頓狂な声で聞くと、うんと山田は答える。

おう!摘み出せ!とミサイルの親分が子分たちに命じると、ドラマーがドラムを演奏し出し、それを合図に乱闘が始まる。

楽屋にいた子分たちも、おい、鉄の殴り込みだ!との伝令が来たので、一斉に店内に向かう。

子分たちの手から逃れた丹下は、白粉が中途半端に知多顔のまま店内に向かい、子分たちを叩いてゆく。

逃げようとする支配人を子分(榎木兵衛)が捕まえ、殴ろうとするが、ストップの合図をし、その子分の腕にジャケットを脱いで、衣紋掛けのように引っ掛けた支配人はスタコラ逃げていく。

シスターボーイたちも集団でミサイルの親分を殴りつける。

徳利はバンドの指揮をしながら、近くの子分の頭を殴っていく。

山田も勇敢に子分と戦い続ける。

坂下も敢然と子分たちと戦うが、途中転んだので、山田が、真一!と呼びかけながら助けにくる。

そこにやってきたのが、紗代子と崎山社長を伴ったみゆきと友達二人で、みゆきたちはボクシンググローブを手にはめると、果敢に乱闘の中に参戦してゆく。

そこに洋子も花売り仲間の女の子とたちと共になだれ込んできて、パチンコで子分たちを狙い撃ちにしだす。

パチンコの弾は癇癪玉だったので、当たった子分たちは悲鳴をあげる。

それを見ていた崎山社長と佐代子は大喜びし、あんたが行きなさい、お前が強いから行けと互いに牽制し合う。

良し!と決意した佐代子は、毛皮のマフラーを崎山社長の禿頭の上に乗せ、自らも乱闘の中に飛び込んで行く。

癇癪玉が集中して当たったミサイルの親分は気絶し、坂下は子分たちを得意の投げ技で吹っ飛ばす。

それを見たシスターボーイたちは拍手喝采。

とうとう勝利を収めた坂下は、シスターボーイと徳利たちから持ち上げられて賞賛され、その輪の中に崎山社長も感激して飛び込む。

今や、崎山社長と佐代子も互いに愉快そうに笑い合っていた。

シスターボーイたちは坂下の周囲に輪になって、わっしょい、わっしょいと囃し立てる。

琴ちゃんとみゆきたち三人娘も拍手して喜美、洋子たち花売り娘たちも拍手していた。

そのクラブ「ローザ」の店の扉には、いつの間にか「本日シスターボーイのリクレェイションにつき休業させて戴きます」の張り紙が貼ってあった。

翌日「龍組」と書かれた砂利トラックが工事現場にやってきて、運転席から降り立ったのは坂下だった。

そこに、しんちゃん、お弁当!と呼びかけながら手提げ籠を持ってきたのはみゆきだった。

ありがとうとそれを出迎える坂下は、近くのベンチに腰を下ろすと、何持ってきたんだよと聞く。

みゆきも一緒に座ると、かごから小さな箱を取り出し、はい、私が作ったのよと自慢する。

そんな二人に、通りかかった「日本東京ビュティフル協会」のバスの窓から、お兄ちゃん!と呼びかける洋子と山田が笑顔で手を振っていた。

みゆき手作りのサンドウィッチを食べながら、坂下とみゆきも通り過ぎるバスに手を振りかえす。

そこへ通りかかった琴ちゃんは、自分が持ってきたバッグの中の弁当箱を取り出しかけ、幸せそうな坂下とみゆきの姿を見え諦めて戻すと、寂しげに、せっかく持ってきたのにと呟きながら、その場から立ち去って行く。

それに気づかず、二人して美味しそうに瓶牛乳を飲む坂下とみゆき。

一人寂しく帰っていた琴ちゃんがぶつかったのは、みゆきの友達二人だったが、気をつけろ、このやろう!と男らしく怒鳴りつけ、立ち去る琴ちゃんだった。



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