「ウルトラマンアーク THE MOVIE 超次元大決戦!光と闇のアーク」
2025年、バンダイナムコ、ウルトラマンアーク THE MOVIE 超次元大決戦!光と闇のアーク
冒頭の製作会社クレジットも「バンダイナムコ」になっており、「円谷プロ」の名は、エンドクレジットの「制作」に出てくるだけ。
もはやこのシリーズも資金はバンダイナムコが出し、円谷プロは完全な現場仕事だけを請け負う下請けに化したということだろう。
その製作費も会を追うごとに削られ続けられているようで、本作では三つの地味なエピソードをつなげたオムニバス形式になっている。
鍋パーティ用の食材を買って事務所に戻る途中だったユウマ(戸塚有輝)は、道でしゃがみ込み苦しんでいた男を助け、怪獣防災科学調査所・通称「SKIP( Scientific Kaiju Investiga tion and Prevention center) 」の事務所に連れてきて水を呑ますが、宇宙賢者ディグル星人 サスカル(竹中直人)と名乗ったその男は優馬の正体を知っているだけではなく、アークが真の勇者であるかどうかを試すため、3つの試練をこれからかすと言い出す。
そしてサスカルがベルを鳴らすと、扉が開いて石堂シュウ(金田昇)夏目リン(水谷果穂)武川モトキ(中山翔貴)ら仲間たちが、鍋パーティ用の食材をそれぞれ持ち帰ったところだった。
ユウマがサスカルのことを説明しようとするが、今まで部屋にいたはずのサスカルの姿は消えていた。
そして電話がかかり、電話主から事情を聞いたユウマは、怪獣を助けてくれという不思議な依頼に戸惑う。
事務所にやってきた電話主は、自分が10歳の時、山で迷子になったことがあり、その時、ムーゴンという怪獣に助けてもらったというのだ。
話を聞いたシュウたちは、その怪獣はドグルフというのが正式名で、そんな優しい習性の怪獣ではないはずと首を傾げる。
そんなムーゴンが出現したという山に、凶悪怪獣が出現したという報告が入る…
基本、劇場版ウルトラマンは子供向けを意識して作られているが、今回は特に子供向けの色合いが濃くなっている。
最初のエピソードなどは、ガメラに似た怪獣が出るのを見ても分かる通り、「昭和ガメラ」でガメラと子供が仲良くなるエピソードを彷彿とさせる部分がある。
メインの怪獣は哺乳類っぽく、目はCGIで合成されており、瞬きなど自然になっている。
2つ目のエピソードは植物怪獣ものだが、マンモスフラワーのような巨大ものではなく「等身大もの」になっている。
3つ目のエピソードで悪のアークが出現し、少し大掛かりな展開になるのだが、それでも「悪のウルトラマン」という発想そのものが目新しいものではなく、ラスボス怪獣ももう一つありきたりなデザインということもあり、インパクトは薄い。
このシリーズ、劇場版に関しては1作ごとにスケール感が縮小している印象で、もはやおもちゃを売るためのPR映画だとしても限界が来ているような気がする。
円谷プロの経営とともに、正直、シリーズの先行きが心配である。
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