「松島トモ子 サメ遊戯」
2025年、「松島トモ子サメ遊戯」製作委員会2024、小野峻志脚本、河崎実脚本+監督作品
子役時代に「鞍馬天狗」「快傑黒頭巾」「あんみつ姫」「月光仮面 魔人の爪」「サザエさん」シリーズのワカメちゃん役など、漫画の実写化を含む子供向け映画を中心に多数映画出演しながら、生涯1本も主役映画がなかった松島トモ子ちゃんに、主役映画に出てもらおうという意図で作った作品らしいが、何せ御年79歳のトモ子ちゃんに、まんま主役やアクションは流石に体力的に無理なので、「ナウいヤングトモ子」役として木下彩音さんが登場し、全体の80%活躍している。
残り10%が「チャイルドトモ子」、残りの10%が本家トモ子ちゃんという塩梅だと思う。
クラウドファンディグで得た資金をベースに製作されたらしいが、支援金は200万円足らずだったようなので、流石にそれだけではインディーズ映画といえど1本作るのは無理だと感じるので、製作委員会が主だった製作費は出したという事だろう。
サメの着ぐるみだけで3パターン登場し、それ以外の着ぐるみも登場しているので、いくら何でも製作費数百万円単位ではないはず。
客層は20〜30代くらいの男性ばかりで、どう見ても「松島トモ子をよく知る」世代ではないし、一体何目当てで見にきているのか分かりにくいが、「ヤングトモ子」役の木下彩音さん目当てなのか?
ただアイドル映画として見るには客が少なすぎるし、途中登場する芸人が言っているワードは60年代前後頃の昭和ネタばかりなので、ほとんど意味はわからないはずだ。
サメ映画なのに全く海は登場せず(絵では登場)、ほぼ室内セット中心なので、全体的にコント風に見える。
おバカ映画であって、コメディではないので、笑えるような部分はほとんどない。
相変わらずの着ぐるみ映画なのだが、怪獣というよりは等身大の怪人系になっているので、ミニチュアなどは出て来ない。
ただ「ウルトラQ」や「ウルトラマン」といった円谷プロ系パロディは全編に登場しており、「特撮オタ」だとそこそこ楽しめるはず。
河崎実監督なので、ウルトラマンネタと若大将ネタは原点帰りともいるかも…
【以下、ストーリー】
ライオンとヒョウに襲われながら、無事生還したことで知られる松島トモ子さんに、インタビュアー(浦口直樹)が、当時の事情を改めて聞いていた。
松島トモ子さんは、当時の事情を話し終え、将来の夢を聞かれると、もう一度銀幕に出演して、大きな画面に写りたいと語る。
海面から光が差し込む映像がカラーフィルターでカラフルに変化する中、シルエット風のトモ子さんシルエットが変化していく「ウルトラマン風」背景にキャスト、スタッフロール。
インタビュー後、建物から帰路にいたトモ子さんは、路上で突然めまいに襲われる。
気がつくと、トモ子ちゃんは知らない室内におり、自分が若返っていることに気づく。
ナウい「ヤングトモ子」になっていたのだ。
部屋は密閉されているようで、扉も窓も開かなかった。
部屋から出られないことを悟ったヤングトモ子ちゃんは諦めかけるが、驚いたことに鮫が室内にいるではないか!
パニック状態になりかけたヤングトモ子ちゃんだったが、その時、どこからともなくトモ子ちゃん!と自分の名前を呼びかける声が聞こえて来て、そこから出るには、その部屋に転がっていたサイコロを振れば良いと教えられたので、振ってみると「2」が出て、空間が「ウルトラQ」のタイトルバックのマーブリングのように歪み、ウルトラマンのタイトルが出現するような亀裂が中央部分に出る。
気がつくと、さっきの部屋とは違う部屋にいて、またサイコロがあったので、それを振ると「4」が出て、また「ウルトラQ」のマーブリング風に空間が歪み、また違う部屋に出る。
そこには岩清水ジョニ男がおり、古臭い昭和ギャグばかり連発してくる。
彼がいうには、もともと川口浩探検隊の一員であったが、ある日海で巨大サメに遭遇し、自分は海に落下し、気がついたらこのアンバランスゾーンに入り込み、以来数十年、彼はこの異空間から逃れようとしているが、ここは時間が止まっているという。
そこへまたサメが登場したので、ヤングトモ子ちゃんはサイコロを振って逃れようとするが、「1」や「3」や「5」では部屋が変化しなかった。
イラついてさらにサイコロを振ると、何とか部屋が変化し、自分がさらに若いチャイルドトモ子ちゃん(福島葵)に変身していることに気づく。
さらにその部屋には、同じくらいの年頃のコージ君(加藤櫻華)という男の子が一人いて、トモ子ちゃんのことをよく知っていた。
なぜそんなに私のことを知っているのかとチャイルドトモ子ちゃんが聞くと、トモ子ちゃんは有名で、雑誌の表紙なんかで見ていたといい、「快傑黒頭巾」の歌を歌ってとねだってくる。
チャイルドトモ子ちゃんは、私歌下手になっているかもしれないよと謙遜しながらも、歌い始めるが、権利関係で歌声は聞こえて来なかった。
コージ君の身の上を聞くと、サメに両親を殺されたんだという。
やがてサイコロを振ると「6」が出て、また部屋が変化する。
そこには太ったおじさん(ゆうぞう)がいて、自分はヤングトモ子ちゃんに戻っていたので、いろいろおじさんに物真似ボケを言わせた挙句、若大将だとわかるが、若大将は光進丸をサメに沈められたと言い、ヤングトモ子ちゃんのことをスミちゃん、スミちゃんと言ってくるので、スミちゃんは星になっちゃたよと教える。
すると若大将もしゅんとなり、青大将も、マネージャーの江口も、妹の照子もみんな星になちゃったよと寂しげに答える。
次の瞬間、ノコギリザメが出現したので、ヤングトモ子ちゃんはサイコロを振るが、何度か振って「2」になると部屋が変化し、若大将はノコギリザメに惨殺されてしまう。
新しい部屋にはまたジョニ男がおり、ヤングトモ子ちゃんが降るサイコロの目によって、空間を移動したりしなかったりというルールがあることから、この世界は誰かによって作られたゲームのようなルールがある「並行宇宙」だと教える。
やがて画面には突然ぐんぴぃが登場し、同じく突然出現したサメから逃げ始める…
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