「アウトレイジ ビヨンド」
バイオレンス映画のシリーズ2作目
前作では英語が劇中で何箇所かで使われていたが、今作では韓国人グループが登場している。
昔から北野監督は、悪役らしい役者に大物の悪役をやらせるより、らしくない役者に悪役をやらせるのを好んでいるように見えるが、本作では珍しく強面風の役者も結構起用している。
西田敏行さんなどは典型的な悪役らしからぬキャスティングなのだが、さすが実力派だけあって、迫力のある強面芝居をみせてくれる。
塩見三省さんの演技も怖い。
木村を演じている中野英雄さんが印象に残る。
前作に比べ、ユーモアが減っているような気がするが、組織同士の抗争劇は激しくなっており、バイオレンス好きにはたまらない展開かもしれない。
【以下、ストーリー】
2012年、「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会(バンダイビジュアル=テレビ東京=オムニバス・ジャパン=ワーナー・ブラザース映画=オフィス北野)、北野武脚本+監督作品
海に沈んでいた自動車が引き上げられる。
沈んでるの、お前んとこの山本だそうだ。
ええ!
匿名の電話があった。
匿名ですか?
ああ、あいつは君と同じ山王会の担当だろう?
なんか、聞いてなかったか? 同じ担当でも、やってること別ですからね、ただあそこは今、国交相の汚職がらみでマスコミに騒がれていますから、表立って目立つようなことはしないでしょう、それとも部長の方で何か掴んでいるんですか?
そのスキャンダル絡みで、あの連中が山本を内偵中だったぞ…
走る警察車両に乗っている2人の刑事が会話している。(車の側面にスタッフ・キャストロール)
そうですか… 山王会もでかくなりすぎたよな、今の会長に代替わりして5年ですか… あの時はただのチンピラだった石原が、今じゃ古参の幹部を抑えてNo.2ですからね~…、山王会もずいぶん様変わりしましたよ。
まあな、今の会長は若いやつばっかり上にあげちまうから、古くからいる連中にしてみたら面白くないだろうな…
車が引き上げられていた波止場に到着した課長(中村育二)と繁田(松重豊)は車を降り、規制線の中に入り込む。
岸壁には海から上げられた車から、遺体が外に置かれているところだった。
石原っつうのは外様だろう?と課長が聞くので、ええ、前に大友組の金庫番だった男ですと繁田が教えると、そいつが何で山王会の若頭なんだ?と課長は聞く。
噂ですが、確か世話になった大友組裏切ってのしあがったはずですよと繁田は答える。
「国土交通省」に車が到着する。
銀縁メガネの役人が降り立つと、待ち受けていた秘書(徳光正行)と合流して国交省の中に入る。
チンピラ風の男が見張りをしていた部屋の前で入ってくださいと言われる。
部屋に入ったメガネの役人(西沢仁太)は、そこで待ち受けていた石原(加瀬亮嶋)に、石原さん、騒ぎが治るまで連絡してこない約束じゃないですかと話しかける。
こうやって会っているのがマスコミにバレたら、私の首が飛ぶくらいじゃ済まないんですから…と役人は訴える。
石原は自分の指の爪を見ながら、てめえの心配ばかりしてんじゃねえよ、こっちは邪魔なやつを望み通り始末してやってんだ、手ついて頭下げるのが筋だろうと答える。
望み通りって、大臣はそんなお願いしてないじゃないですか、あくまでも目障りな奴がいるって言っただけで、選挙が近いんですから勝手なことをされるなら、こちらにも…と役人が言いかけると、おい!と石原は大声を出して威嚇する。
お付き合いの方を…と役人が続けようとしたので、じゃあ何か?てめえの女とマル暴を沈めたのはこっちが勝手にやったことだっていうんだな?と石原は聞いてくる。
面白いじゃねえか、付き合いを考えさせていただきますだ?ガタガタ抜かしてるとマスコミに洗いざらいばらすって大臣に言っとけ!と石原は恫喝する。
実際に山王会とやりとりしていたのは小清水秘書官も務めていたこの課長のようですと、捜査本部に戻った課長刑事が説明していた。
それに山王会ではNo.2の石原ってのがゼネコンと国交省を繋いだんでしょうと課長は続ける。
それが刑事殺しとどう関係してくるんだ?と組織犯罪対策部長(中原丈雄)が聞いてきたので、これなんですけど、小清水大臣の横にいる女見てくださいと繁田が写真を指差すと、山本の隣で死んでたホステスか…と部長は気づく。
こいつが山本とこの大臣と山王会を繋いでいたのか…と部長が言うと、君たちしっかりしてくれよ、こんなことが外部に漏れたら現内閣はこれだ、これ!と自分の首を切る真似をした公安部長(深水三章)は、本当にぶっ飛んじまうんだぞ、他にないんだろうな?と念を押す。
とにかく山王会をどうにかしないとな、こんなになるまで放っといたのは君らの責任だぞ!と部長から言われた繁田は困惑する。
山王会本部に車でやってきたのはマル暴の片岡刑事(小日向文世)だった。
加藤の部屋に来た片岡が、どうも…と挨拶すると、おう、片岡、元気でやってるか?偉くなると全然顔も見せなくなるなと会長の加藤(三浦友和)が答える。
何言ってるんですか~、偉くなったのはそっちの方でしょう、今や山王会はヤクザの世界だけではなく政治の世界まで手を出してるって噂ですよ、こっちは相変わらずのペーペーですと片岡はにやけた顔で言う。
ふ~ん…、で、今日は何の用だ?と加藤が聞くので、何の用だって、うちの山本が殺されて、こっちも大変でね、何か山本がやったんですか?と片岡は逆に聞く。
なんかやったんですかって?俺たちが知るわけがねえだろう、どうして死んだか、調べるのはそっちの仕事だろうがと加藤は答える。
いやいや、昔みたいにいけませんか?お互いそれで持ってたんだから…と片岡は怪獣してくる。
あんたの後釜だよな?あいつ…、それが色々詮索するからじゃねえのか?と突然部屋にいた石原が発言する。
そうですか、だから山本の件は早く終わらせましょうよ、長引かせると警察の上の方も、もっと厳しく取り締まれって言い出しますし…と片岡は石原に答える。
そのために、あんたたちに金出してんだろう?あのバカ、悪い女に手を出しやがって…と、マンションローン代くれだの、車代くれだのヤクザにたかりやがって…と石原はいう。
まあまあ、ここは1人、若いのでも出してくださいよ、お願いしますよと石原が頼むと、何で殺したってことにするんだよ?と石原が聞くと、そうですね…、じゃあ一緒に死んでた女が、実はヤクザの女で、刑事に寝取られて殺したってことでどうですか?と片岡は提案する。
マル暴の刑事がヤクザの女寝とった上に殺されたってのはみっともなくねえか?と加藤が笑いながら言ってくる。
いやいや、今は覗きや痴漢で捕まる刑事もいるし、ヤクザも刑事も同じようなもんですよと片岡は言うので、加藤は苦笑する。
後は女のマンション教えといてください、色々作っとかないと…と片岡は嘯く。
後で電話させるよ、おい、舟木金出せと加藤が言うと、船木(田中哲司)がおい!と手下から封筒を渡されて片岡に持ってきたので、船木さん、出世しましたね、もうボディガードじゃねえんだと片岡は感心する。
加藤は、忙しいだろうけどよ、もっと顔出せよと片岡に愛想をいう。
片岡は、どうも…と挨拶して帰ってゆく。 後日、警察の取調室では、名乗り出てきたチンピラ相手に、もう一回言ってみろ!と片岡が追求していた。
だから、酒飲ました後、睡眠薬飲ましたらぐったりしたんで…とチンピラが言うので、だから薬なんか体から出てきてねえんだよ、酒飲まして頭殴ったんだろう?バカやろう!だいたい本当にヤクザか!チャラたらしやがって…、ただの紐じゃないのかよ?ヤクザぶってんじゃねえ!と片岡は叱責し、調書を取っていた繁田もチンピラのサングラスを取ったりする。
で、どうしたんだよ?と片岡が聞くと、はい、ええ、酒飲まして頭殴って車に乗せて海へ…と言い直したので、何で頭殴ったんだ?と片岡が確認すると、バットで…と言うので、バカやろう!ホステスの部屋にバットあるか?このやろう!灰皿だろ、バカ野郎!と片岡は怒り、繁田はアルミの灰皿で相手の頭を殴りつける。
何時頃殴ったんだ?と片岡が聞くと、11時くらいですと言うので、11時弱らぶまだ終わってねえだろう!3時過ぎだ、バカ野郎!良いか?と片岡は怒鳴りながら誘導していく。
3時頃マンションに行ったら女が男連れ込んでいたんで、それで殴って海に捨てた…と、そう言うことだ!と片岡は自分で作ったストーリーをチンピラに教え込む。
はいと答えたチンピラに、それからバレないように、女のマンションにとって返して掃除したんだ、馬鹿野郎!と教えた片岡はチンピラの顔面を殴りつける。
その時、携帯がかかってきた片岡は、はいはい、すぐ行きますと答え、繁田に、おい、今日中に調書とっとけよと命じ、取調室を出る。
その後を追った繁田は、片岡さん、あんな長所出して良いんですか?ちょっと無茶でしょう、石原が若いのにやらしたに決まってるじゃないですか、あんなチンピラに殺されたなんて山本さん浮かばれませんよ、何でこんなことするんですか?と廊下で問い詰める。
お前、でっけえ身体して小心者だな、ヤクザはヤクザだろう?これで丸く収めりゃ山王会に恩売れるだろう、優秀なマル暴はヤクザにも警察にも重宝されなきゃな、後、国交省の課長はノイローゼかなんかになって自殺したんだ、それで終わりだよと片岡は言い聞かせる。
片岡さん来てから山王会ずいぶん成長したって課長笑ってましたよと繁田は指摘する。
うるせえな、俺はマル暴だぞ、山王会をどうやって潰すか、いつだって考えてんだよと片岡は言い返す。
繁田は黙り込んでしまうが、ちょうど人がやってきたので、どうぞと通すだけだった。
山王会本部では、これから合法的にでかい金に動かしていくと石原が説明していた。
まあ、うちの幹部はちょっと頭が古いから教えてやるけど、たとえば同じ売春でもちまちまやらねえで、外務省の役人とつるんで国際的なマーケットにするとか、おい、富田、白山、お前ら、先物取引とか外為とか、ヘッジファンドと言ってもわかんないだろうから、頭の良い子分に教えてもらえと、その場にいた古参の連中に説教する。
岡本!何ならお前が教えてやれと石原は指示すると、岡本(菅田俊)ははいと答える。
おい石原、そのくらいにしとけ、先代の会長がやられて5年になるが、お前らのおかげで山王会もここまで大きくなった、しかしな、これで満足しているわけじゃない、石原が言ったように、これからうちは実力主義でいく、使えるやつはどんどん取り立てるが、使えないやつはどんどん切り捨てる、そのつもりでいてくれと加藤は言う。
揃った幹部たちは一斉に、へい!と答える。 じゃあ、今日はこれで…と加藤は立ち上がって締める。
屋敷から出た冨田(中尾彬)は、幹部会なのに飯もねえし…と愚痴ると、ああ、岡本の野郎、歳が上のくせに石原のいうことにいちいち頷きやがって…、ホモじゃねえのか?あいつ…と白山(名高達男)も不満を口にすると、兄弟、ちょっと一杯やってかねえか?と五味(光石研)が声をかけてきたので、冨田と白山は、おうと答える。
フレンチの店に集まった五味は、兄弟、石原に何であんなことまで言わせんだよ、だいたい山王会作ったの俺たちじゃねえかよと冨田に話しかける。
あのバカたれが…、まともな墨も入ってねえし、寄せ場にも行ったことない癖して、何がヘッジファンドだ…と冨田は愚痴る。
だいたいあいつはな、銭で幹部になっただけじゃねえかと冨田がバカにすると、順番から言えば、本当なら兄貴が頭になってもおかしくないんだからよ、だいたい、この前の刑事殺しも、サツに行かせたの、俺んところの若いのだぜ、あいつにだって女房子供もいるのに、誰が面倒見ると思ってんだ!と白山も不満を口にする。
組のために体張るなんてのは関係なくて、いくら稼いだかが大事なんだろう、あいつは…と冨田は指摘すると、だったら船木だっておかしいでしょう、あいつ金作れなかったし、単なる先代のボディガードですよ、それが何で今幹部扱いなんすか?と五味は聞く。
ああと白山も同意するが、お前ら、人に言うなよと冨田は口止めし、先代が撃たれた時に、何で船木はその場にいなかったんだと思う?と切り出す。
どう言うことだよ?と白山が聞くと、だからよ、そん時、仙台はプールサイドでよその組の奴と加藤会長と会談してたわけだろ?何でその時、船木はそばにいなかったんだ?ええ?ボディガードだったら、普通、どんな時だって先代のそばにいるもんだろう?と冨田は指摘する。
兄が言いたいんだよ?と五味が戸惑うと、それは大事な話かなんかで所払いされたんだろと白山は推測する。
すると冨田は、頭が悪い野郎どもだと呆れ、じゃあなぜ船木は先代を助けることはできなかったのに、加藤会長になって出世してるんだ、ええ?どう考えたっておかしな話だろうが?と冨田は言う。
まさか、会長と船木がグルになって先代を!と白山は気づき、それであんなガキが幹部になたってことかと五味も合点する。
お前ら本当に人に言うなよ…、殺されるぞと、再度冨田は念を押す。
その前に殺しましょうよと白山が言い出す。 それを聞いた冨田は、バカタレ!と叱りつける。
レストランの前で車を停めて待っていた子分たちのところに来た片岡は、冨田いる?片岡って刑事が来たって言ってくれと頼む。
3人お部屋にノックして入った子分は、冨田のそばに近づくと、片岡って刑事さんが見えてますと伝える。 片岡?と驚いた冨田だったが、そこへ笑顔で片岡が入ってくると、どうも皆さん、3人揃ってよからぬ相談ですか?と冗談を言う。
刑事さん、人聞き悪いこと言うなよと五味が返し、うん?今日は何っすか?と聞くと、自分で椅子を冨田の横に置いて座った片岡は、ボーイがメニューを渡そうとするので、良いよ、何も好まないからと断る。
最近の山王会は国の財布にまで手を突っ込んでくるわ、マル暴に手出すわ、やりたい放題でしょう?と片岡は冨田に話しかける。
こないだの会議で、警察の総力を上げて潰せってことになっちゃいまして、私も困ってるわけですよと片岡は続ける。
で、何ですか?とそっぽを向いたまま冨田が聞くと、ま、早い話、加藤会長に引退してもらって、冨田さん、あんたに次の山王会を仕切ってもらいたいんですよ、で、石原の代わりにお二人のどちらかがなれば良いしと片岡が言い出したので、冨田は片岡の方に体を向ける。
おい、変なこと言い出すなよ、そんなことになったら他の幹部連中が黙ってねえだろうと冨田が言うと、他の幹部だってこのまま石原風情にでかい顔されてたら面白くないでしょうと片岡は答える。
ちょっと待ってくれよ、片岡さん、そんなこと言ったって、会長に対する裏切りじゃねえか、親子の盃川stえんだぞ、ヤクザの筋が通んねえよと白山が言う。
それはわかってます、だから冨田さん、今度大阪に行って花菱の会長に相談に乗ってもらえませんか?と肩かは相談する。
確かにあそこの若頭とは兄弟分だ…、何でそこに花菱が出て組んだい?と冨田は考え込む。
まあ任せてください、後ろには我々がついてますから、兄弟、花菱の会長に会ってきたらどうだ?と五味も話に乗ってくる。 冨田は、お前ら一緒に行くか?と声をかける。
と、3人絵行ったら目立ってしょうがないでしょう、兄貴1人の方が良いだろうと白山は答える。
冨田は考え込み、片岡はニヤついて3人の様子を観察する。
結局、冨田は片山と2人で大阪に向かう。
花菱会の建物内では、入ってくる片岡と冨田の様子を監視カメラで見ていた。
会長も石原や船木ばっかり頼るから、他の幹部もあまり良い顔しないんですよ、だいたい石原ってやつは、元々外様ですからねと冨田は花菱会の幹部連中に打ち明ける。
何の、外様やから言うて、石原の愚痴ばっかり言っても始まらんやろう、そっちの会長もそう簡単に引退してくれそうにもないしな…と花菱会若頭西野(西田敏行)が答える。
こっちが言うのも変ですけど、何とかなりませんかね?山王会デカくなりすぎだって、上もうるさいんですよと片山が口を出す。
それにこのまま放っておいたら、そちらさんのしのぎだって影響してくるんじゃないですか?と片岡が指摘すると、うちと山王会は先代との約束で喧嘩せえへんことなっとったけど、加藤に代替わりしてからのことまで約束してたわけちゃうからな~と会長の布施(神山繁)が答え、うん?そうやろ?と西野らに確認する。
すると、西野と幹部の中田(塩見三省)は頷く。
おめえのケツ持ってもええけど、おい冨田、後取るんやったらそれなりの覚悟あるんやろな?と布施会長は聞く。
そらもう…と冨田が頷くと、お前についてく幹部どのくらいおるんや?と布施が聞くので、白山と五味ってのが…、まあ少なくとも5人くらいはついてくると思うんですがねと冨田は答える。
誰やそれ?使えるんか?と布施は疑問視する。
すると冨田も返事に窮したので、まあ、お前らが不満に思うのもわかるわな、加藤は気が回らへん男やからな~、それにあいつはケチや、盆暮の挨拶にしてもサラリーマンみたいなものしか送ってこんとと布施は言う。
この間の四条会との揉め事も、間に入ってやったのに500万やで…、まあなんぼ会長やて言うても、子分がついてこんようになったらもう終わりやなと幹部たちに話しかけた布施は、まあ、悪いようにはせえへんから、考えさせてくれと伏せは答えたので、よろしくお願いしますと冨田も安堵したように頼む。
うん…、そりゃ、お前がこっち来てんのを会長ら知らへんねんやろな?と布施が聞くので、そらもちろんですよと冨田が答えると、おい、酒でも飯でも面倒見てやれと布施は西野に命じる。
しかし中田は、イヤイヤ、これで失礼しますよと遠慮したので、何やもう帰るんかい?飯くらい食ってったら良いやねと西野が言うので、いやあ、帰るのが遅くなって変に勘繰られるのもアレなんで…と冨田は答える。
片岡も立ち上がり、じゃあ私も一緒に帰りますと言い、会長よろしくお願いします、うちも協力させていただきますんでと、じゃ、兄弟、これで…と言う富田と一緒に頭を下げる。
後日、単車が通り過ぎた刑務所の塀の中、刑務官が食事をしている食堂で、もう5年になりますね、お茶でも飲みますか?と、給湯器から茶を持ってきた片岡が話かけると、こんなところでお茶飲んでどうするんだよと、テーブルに座っていた大友(ビートたけし)が返してきたので、作業しているより良いでしょう?と片岡は答える。
お前、俺死んだって噂流したろう?と大友が聞くと、だって放っといたら山王会の連中に狙われるじゃないですかと片岡は嘯く。
俺のことなんか、誰ももう覚えてねえよと大友が言うので、あ、ただ、山王会の方も長いことないでしょう、警察も本格的に動き出しましたからと片岡は教え、また来ます、はい、差し入れですとタバコを一箱置いたので、吸わねえよと大友は言う。
まだ長生きしたいんですか?と片岡は皮肉を言うと、何だ、この野郎!と大友はにが笑いする。
ある日、山王会本部に呼ばれた冨田が、加藤たちに面会すると、冨田、待たせたなと加藤が言うので、何でしょう?と冨田は要件を聞く。
お前、大阪の花菱会に何しに行った?と加藤が聞くので、立ち上がって、別に…と言いかけるが、布施会長から電話があってよ、おいと加藤が呼びかけると、白山と五味が姿を現し、こいつらに話聞いてるんだよと加藤は迫ってくる。
何話したんだ?と冨田が白山らに聞くと、兄弟、すまねえと白山が言うので、てめえら…、裏切りやがったな?と睨みつけると、裏切ったなんて変なこと言うなよと五味は言い訳する。
すると船木が銃を取り出し、その場で冨田のボディガードを射殺したので、怯えた冨田は、ちょっと待ってくれよ!と狼狽し出し、会長!お願いだよ、会長!頭、頭!頼むよ!と土下座して命乞い始める。
しかし船木は無言で射殺したので、それを目撃した白山と五味は凍りつく。
おい、お前らも、変なこと考えてんじゃねえぞと石原が釘を刺してきたので、いや、何もありません、ありません、すみませんと謝る。
いくら古参の幹部でも、調子に乗ってると容赦しねえぞ、この野郎!と石原は威嚇してくる。
白山と五味は、はい!と萎縮するしかなかった。 その後、車に乗っていた男も射殺される。
そうか、カタついたか、普段ニコニコしながら仕えている連中も腹では何を考えてるかわからんいうこちゃ、うんと電話に出た伏せが電話先で言うので、みっともねえとこ見せたみたいです、わざわざ会長ありがとうございます、いずれお礼に参りますんで、はい、はい、では失礼しますと加藤は礼を言って電話を切ると、花菱に何か送っとけ、わざわざ買ってこなくても何かあんだろうと命じ、それと片岡に電話しろと指示する。
石原は、はいと答える。 冨田とボディガードの射殺死体が乗せられた車が放置してあった。 刑事課長は片岡と繁田を呼び、冨田が死んだって知ってるか?と聞く。
えっ?と片岡が驚くと、ここを銃で1発だそうだと課長は自分の額を指して教える。
何かやったんですか?と片山の表情を見て繁田が聞くと、冨田連れて花菱に挨拶行っただけだと片山は答える。
挨拶って何なんですか?冨田使って花菱と山王会を揉めさそうとしたんすか?片山さんが殺させたようなもんですよと重田は指摘する。
すると片岡はうるせえよ!お前が山王会とくっつきすぎだとか余計なこと言うからだろう!と言い返す。
おい!花菱と山王会は裏ではしっかり繋がってんだぞ、そんなことも知らねえのかよと課長が注意する。
知ってますよ、そのくらい…と片岡は答え、部屋から出てゆく。
それを見送った課長は、片岡のやつ、何しようとしてんだ?と呟く。
その後、加藤に会いにきた片岡は、会長、冨田殺されたそうですねと聞くと、ああ、一緒にいたボディガードが連絡取れねえんだってよ、そいつにやられたん姉えかと加藤は答えたので、会長、冗談言わないでくださいよ、冗談なんか言ってねえよ、お前、冨田連れて大阪行ったろう?と加藤は突っ込んでくる。
え?誰がそんなこと言ったんですか?と片岡がとぼけると、そんなことすぐにわかるんだよ、馬鹿野郎!お前、冨田に何やらせようと思ったんだ!と加藤は聞いてくる。
ちょっと待ってくださいよ、冨田さんに話したいことがあるから紹介しろって言われたんですよと片岡が言い訳すると、加藤は片岡のネクタイを締め受け、ゴソゴソ動き回りやがってこの野郎!ああ!誰がそんなことしろって言ったんだ!と恫喝し、てめえ、あんま調子に乗ってっと、山本みてえに沈めちまうぞと石原も脅してくる。
それでも片岡が平気で茶など啜るので、おい、聞いてんのか、この野郎!と石原は苛立つ。
この前刑務所に行った時、聞いたんですけど、どうやら大友ってヤクザが生きているらしいんですよ、会長覚えておられますか?と片岡は逆に聞いてくる。
石原さんは忘れるわけないですよね、元大友組の幹部ですからと言うのを聞いた石原は、何だこの野郎!裏切ったと言いてえのか!と言いながらいきなり立ち上がって片岡の顔を殴りつける 頭、やめてください!と手下たちが石原を止める。
お前、大友死んだって言わなかったか?と加藤が聞くと、そんなこと言ってませんよ、噂でしょう?と片岡はあっさり否定する。
何年通ってるんだ?と加藤が聞くので、さあ、10年くらいでしたかね?と片岡が嘯くと、大友に出所したら顔出すように言っとけ、いくところなかったらうちで面倒見てやるってよと加藤が言うので、わかりました、今度会ったら言っときますと片岡は答え帰ってゆく。
それを見送った加藤は、あいつバカか?大友が来るわけないだろうと吐き捨てる。
刑務所に来た片岡は、どうですか、先輩、もうすぐ出所ですねと、また食堂で大友に話しかける。
すると大友は、てめえ何考えてるんだ、この野郎と睨みつけるが、ちょっとだけ2人でいいですか?と刑務官に尋ねる。
刑務官が立ち去ると、何がですか?と片岡は聞き返す。 仮出所だよ、俺ができるわけねえじゃねえか、てめえ、動いたな?と大友は答える。
模範囚だからじゃないですか?と片岡が言うと、模範囚が刺されるかよと大友は言い返す。
そういえば刺されてましたね、木村でしたっけ?先輩が潰しちゃった組の頭と片岡は言う。
おい、誰にやられたなんて言ってねえぞ、てめえがやらせたんじゃねえだろうなと大友は疑うと、そんなことするわけないでしょうと片岡は否定する。
で、何で木村のこと喋らなかったんですか?先輩も反省したわけですか、木村に悪いことしたってと片岡が指摘すると、どう考えたってこっちの方が悪いだろう、お前、筋を通しに来た奴の顔切っちまったんだからよと大友は答える。
やった、やられたはお互い様でしょう、ヤクザなんだからと片岡は指摘する。 ヤクザにも守んなきゃいけない道理があるんだよと大友は言う。
出所したらどうするんですか?山王会、加藤に代替わりして大きくなりましたよ、今、政治家まで脅かしていますし…と片岡が聞くと、お前、こないだと言ってること全然違うじゃねえか、お前と大友が言い返すと、先輩が塀の中で食って寝てりゃ良いですけど、外は色々大変なんですよ、先輩の所にいた石原も今や立派な若頭ですからねと片岡は焚き付ける。
うるせえんだよ、この野郎、俺に何の関係があるんだ、バカ野郎!と大友は怒鳴り返す。
まだ耄碌する年じゃないでしょう!加藤と裏切った石原にきっちりけじめつけてくださいよと片桐も言い返す。
何だこの野郎、刑事がヤクザ焚き付けんのか、こら!と大友も切り返したので、周囲で食事をしていた職員が何事かと近づいてくる。
それに気づいた片岡は手で制し、じゃあ、出所の時迎えに来ますと言って立ち上がったので、良いよ…と大友は返し、近づいてきた刑務官に促され、自分も立ち上がる。
バッティングセンターでバットを振っていた男が、高いよ、もう一回!などと言って遊んでいる。
しかし、次のボールが飛んでこないので、お~い止まったぞ!おい、誰かいねえのか!とバッターは文句を言う。
お~い、玉出ねってよ!どうなってんだ!と仲間も係員を探して呼びかける。
おい、ふざけんじゃねえぞ、この野郎!と仲間が叫んでいると、背後から、何?何?と聞いてきた小野(新井浩文)と嶋(桐谷健太)がいた。
玉出てこないんですけど?とバッターだった男が伝えると、どうせ金入れてねえんだろ?と因縁をつけてくる。
入れましたと仲間の男が答えると、いくら?と聞くので、1000円っすと答えると、1000円入れたくらで何時間も遊んでんじゃねえぞ!と威嚇して来て、客の1人の腹に膝を入れてくる。
すると、奥から木村(中野英雄)が出てきて、止めとけよと子分2人に注意する。
それでも、怯え切ったバッターのこの頬を何度も執拗にビンタして来たので、すいませんと仲間は繰り返し詫びる。
そんなバッティングセンターに車でやって来たのが片岡だった。
事務所に来て、おお、木村さん!と呼びかけると、刑事さん、お久しぶりですと木村は挨拶して出迎える。
真面目になってバッティングセンターか、良かったなと片岡が笑顔で言うので、はあと微妙な顔になった木村は、ちょっとお茶淹れますわという。
バッティングセンターでは、玉出ねえわといい、嶋が客に金を出させて、小野が打っていた。
もっと俺が女だったら抱かれてみたいに強くして、腰で!こう!と小野に指導するような口調で言いながら、嶋が三人並ばせた客(酒井貴浩、堺沢隆史、三浦英)の頬をビンタしていた。
すみません、仕事始まっちゃうんで…と1人の客が申し出ると、知らねえよ、バカ!ああ、もうちょい!お前良いよ、抱かれたい!などと言いながら、嶋は西野のバッティングの指導を続ける。
じゃあ、大友、俺のこと恨んでないんだと片岡から話を聞いた木村は納得する。
いや、随分悪いことしたって謝ってたよ、昔気質のヤクザだからな、どうだろう?大友に会ってみないか?色々あったけどよ、ここはお互い腹割ってよ、うまく2人が力を合わせりゃ、どっちの組みも復活するかもしんねええだろう?と片岡は話を持ちかける。
木村は、俺は良いっすよ、大友が、いや、大友兄貴が良けりゃ…、山王会とのケジメもつけねえといけねえし…と答える。
それを聞いた片岡は、そうだよな、ケジメつけなきゃなあ…、ヤクザ辞めてもよ~と焚き付ける。
大友出所の日、いくら先輩でも、ヤクザの迎えに来ちゃまずいでしょうと、刑務所の入り口前で待たされていた繁田は文句を言う。
片岡は、うるせえな、黙ってろと叱る。
そこに見慣れぬ車が近づいて来たので、近づいて窓をノックした繁田は、どなたかお迎えですか?と聞くと、そうだよ、悪いのかよと助手席の李(白竜)は聞いてくる。
誰の迎えですか?と聞くと、てめえには関係ねえだろうがと李は言い返してくる。
その時、ご苦労様ですと呼びかける片岡の声が聞こえたので振り返った繁田は、出処してくる大友と片岡が接近していたのに気づく。
先輩、乗ってってください、飯でも行きましょうよ、先輩!と片岡は自分が載って来た車を勧めるが、大友は無表情に返事もしないで、繁田の前を通り過ぎ、後から来た李の車の方へ向かう。
おい大友!片岡さんにとっては先輩かも知れねえけどよ、俺にとっちゃあんたはただのヤー公なんだからよ、覚えとけよ!と繁田は呼びかけると、李の横で振り向いた大友は、誰がまたヤクザやるつったんだよと言い返してくる。
何だ?お勤め済んだら堅気づらか?てめえの迎えに来ている奴見てみろよ、あいつらみんなヤー公じゃないかよと繁田は言い放つ。
片岡は、おい、繁田と肩を叩き諌める。
大友と李を乗せた車を尾行してきた繁田と片岡は、屋敷の門が閉まると、誰ですかね?と重田が聞き、随分でかい家だなと片岡も見当がつかないようだった。
屋敷の中では、大変だったなと声をかけられた大友が、すいません、何も挨拶できなくて…と詫びるが、気にせんで良い、それよりこれからどうすんだ?と韓国フィクサー張大成(金田時男)から聞かれる。
大友は、ちょっと休んで、何かやりますと答えると、俺んところに来ても良いぞと張は答える。
ありがとうございますと大友が礼を言った直後、電話がかかって来たので、李が出る。
はいと返事した李だったが、急に韓国語に変わり、張に韓国語で話しかける。
受話器を受け取った張は、韓国語で話し始める。
フィクサー?それはまた大袈裟な…と、車から屋敷の正体を調べさせた片岡が、返事を電話で聞きながら話していた。
あ、そうですか、はい、はい、ええ、またと言って電話を切った片岡は、名前は、チャン・テソン、戦後の上野の闇市を10代で仕切った伝説の男、韓国と日本を股にかけるフィクサーだったよと繁田に教える。
はあ?何でそんな男が大友の知り合いなんですか?と繁田が聞くと、確か大友は上の育ちだろう?その関係じゃねえか?と片岡は答える。
屋敷の中では料理を前に、韓国行かねえか、うちの若いもんもいるからよと張は大友に勧める。
大友は、ええ、考えておきますと答える。 こまたらまた来いよと張が言うので、ありがとうございますと大友は丁寧に頭を下げる。
張は立ち上がって李を呼び寄せ、その場を離れる。
その後、あてがわれた部屋に入った大友は、中に女(月船さらら)がおり、お疲れ様です、何かお飲みになりますか?会長より身の回りのお世話をするように言われておりますと話しかけて来たので、悪いけどよ、帰ってくんねえかと頼む。
女は、今帰ると会長に叱られますと言いながら、酒をテーブルの上に置くので、俺、そんな気ないぞと大友は答える。
すると、女はガウン姿になり、大友さんと呼ぶと、そのガウンも脱ぎ捨てるが、その背中には見事な鳳凰の刺青が入っていた。
これだけは見といていただけませんか、きっと会長に聞かれますので…と女がいう。 その時、電話がかかって来たので、再びガウンを着て出た女は、はいと答え、お待ちくださいと答えると、片岡さんと言う方からですと大友に渡す。
おおと大友が出ると、先輩、お楽しみでしたか?と片岡が聞いてくる。
うるせえなあ、まだついて来てるのか?と大友が呆れたように聞くと、そう言わずに、明日の夜会ってもらえませんかね?と片岡は言ってくる。 大友は、何で?と聞き返す。
山王会では石原が、各組協力してあの野郎を見つけ次第始末しろ!お前らすぐやれよ!手抜くんじゃねえぞ、この野郎!分かったらとっとと行け!と幹部連中に命じていた。
幹部が部屋を出ていくと、たかがチンピラ1人に力を入れすぎじゃないか?と加藤が石原に話しかける。
石原は興奮を抑えるように頷く。 料亭の外で待っていた繁田は、タクシーで到着した大友を見ると、いくら先輩だからってよ、ヤクザの分際でマル暴待たせちゃまずいだろうと声をかける。
しかし黙って大友が通り過ぎたので、おい、無視かよ!あんまり調子乗ってると、またムショぶち込むぞ!おら!と繁田は呼びかける。
やってみろ、このやろう!と大友は振り返って答える。
待っていた片岡は大友に酒を注いでやりながら、先輩、実はあって欲しい奴がいるんですと切り出す。
外では、木村の舎弟2人を前に、組もないのに子分連れて歩きやがって…と繁田が嫌味を言っていた。
カッコ良いとでも思ってるのかも知れねえけどな、ヤクザなんてゴミ以下だぞと繁田は説教する。
デカだって似たようなもんだろうが…と小野が言い返したので、繁田は蹴りつける。
それを見た嶋はビビる。 座敷に片岡が連れて来たのは木村で、兄貴、お久しぶりですと挨拶する。
そして正座すると、謝って済むことじゃありませんが、すいませんでした、刑事さんから色々聞きましたと木村は詫びる。
すると大友は、木村さん、あんたが謝るこっちゃねえよ、悪いのはこっちの方だしな、あんたの顔に比べりゃ、俺の腹なんかどうってことねえ…と答える。
先輩、お二人が今、こんなことになっているのも、元はと言えば山王会に振り回されたからですし、木村がヤクザらしく、落とし前つけるって言ってるんですが、どうでしょうか?と片岡は聞いてくる。
片岡、俺はもう良いよ、年だしよ、知り合いの会長が世話してくれるってんだと大友が言うので、あの張という会長ですか?と片岡は聞く。
ああと大友が答えると、でも先輩、死んでいった若い奴らのことを思い出してやってくださいよと片岡は焚き付ける。
実は、前に世話になって兄貴がずいぶん自分のことを気にかけてくれまして、中田っていう補佐なんですがと木村が言い出したので、中田って、花菱のか?と片岡が確認する。
ええと答えた木村は、お前さえその気なら会長から盃もらってやるって…、大友の兄貴…、兄貴さえ良ければ…、2人で盃もらって、山王会と戦争…と木村は話す。
すると片岡は、分かってねえな、木村、山王会と花菱は裏でしっかり繋がってんだ、ケツなんか持っちゃくんねえぞと言い聞かす。
そうですかね?中田の兄貴が言うには、布施の会長はずいぶん山王会を嫌っていて、どうにか潰せねえかって言ったらしいですと木村は反論する。
その頃花菱会では、山王会では、会長と石原が疑心暗鬼になって、幹部連中に対して、締め付けがかなり強うなったみたいですわと西野が布施会長に報告していた。
そうか?困ったもんやな~、山王会のためを思って手貸してやったのに…、まあ、てめえの子分を平気で弾くような奴は、はなから救いようがないちゅうこっちゃなと伏せは言う。
会長、実は山王会について変な噂聞いてまして…と西野は言うと、どんな噂やと布施は聞く。
代替わりん時に、先代殺したのは実は加藤やったっちゅう話ですわと西野は伝える。
ふ~ん…、あいつは昔から変わってへんちゅうことやと布施は答え、そんで?どないするつもりや?と西野と中田の顔を見る。
すると中田が身を乗り出し、ええ、1人山王会に恨み持っとる奴がおりまして、まあ、そいつを利用せえへん手はないな‥思うとりますと答える。
タクシーで帰宅した大友は、木村の舎弟小野と嶋が後をつけて来たので、なんでお前ら後をついてくるんだと詰問する。
すると小野は、兄貴ガードしろって言われたんだという。
木村か?と聞くと、はいと小野がいうので、必要ない、帰れと大友は指示する。
しかし小野は、親分に怒られちゃうんで…と言う。
2人をホテル下のレストランに連れて行き、ビールを前にした大友は、お前ら道具持ってるのか?と聞く。
はいと言いながら拳銃を出そうとした嶋に、出すなよ、おい、俺から木村に言っとくから、それ飲んだら帰れなと大友は言い聞かす。
料亭に残っていた片岡の部屋にやってきた繁田は、1人黙々と料理を食っていた片岡に、機嫌悪そうですねと話しかける。
花菱の野郎、人が段取ったのにぶち壊すようなこと真似ばかりしやがってよと片岡は愚痴る。
大友と木村くっつけてどうするつもりですか?と繁田は聞くと、色々考えてんだよと片岡はいうので、その2人も殺されますよ、富田と同じことになっても良いんですね?と繁田は念を押す。
いちいちうるせえ野郎だな~、嫌だったら外れても良いんだぞ、ちょっと行くところがあるからよ、お前1人帰ってろと命じた片岡は、さっさと帰ってゆく。
小野は1人でとあるビルの山王会系事務所に発砲して逃走する。
え、ビデオですか?帽子をかぶってるんで、誰だかわからないんですと幹部の岡本(菅田俊)は電話報告する。
電話相手は石原で、そんなもん大友に決まってるだろう、良いか、見つけた次第ぶち殺せ!と電話で怒鳴りつける。
はい、うちからも何人か若いの行かせてますんでと岡本が答えると、当たり前だろう、とっとと探させろ!と電話口の石原は激昂する。
翌朝、レストランで飯を食っていた小野と嶋の所にきた大友は、おい、帰れって言ったろうと説教する。
2人は慌てて立ち上がると、すいませんと詫びる。 兄貴から離れるなって言われてるんで…と小野が言い訳する。
呆れた大友が戻ろうとすると、今日の夜はどうなってるんですか?と小野が聞いて来たので、どこにも行かねえよと答え、エレベーターに乗ろうとすると、バッグを肩から下げた男が隣に来たので、その男とエレベーターに乗り込むと、おい、良い加減で帰れよと2人に説教して扉を閉める。
一緒に乗り込んだ男が9階のボタンを押した後、何階ですか?と聞いて来たので、悪いな11階と大友は降りる階数を教える。
嶋たちが振り向くと、テーブルをウエイトレスが片づけかけていたので、おい、まだ食ってんだよ、馬鹿野郎!と怒鳴ったので、ウエイトレスは失礼しましたと詫びる。
エレベーター内では、同乗の男から腹を撃たれた大友が必死に抵抗したので、男はエレベーターを降りて逃げ出す。
エレベーターから降りてきた男が鼻血を手で押さえているのに気づいた小野は慌てて立ち上がり、エレベーターに乗り込もうとするが、先に乗った客が閉めてしまう。
小野は慌ててボタンを押すと、11階で止まっていたもう一台のエレベーターがゆっくり下降して来たので、それをイラつきながら待つ。
1階に降りて来たエレベーターの扉が開くと、そこには腹を刺された大友が座り込んでいたので、2人は驚く。
小野と嶋は大友を車に乗せると病院に向かい、大丈夫です、絶対大丈夫ですと大友を励ましていた。 その頃、襲撃者と岡本から報告を聞いた石原は、何が使えるだ、この野郎、なんの役にも立たねえじゃないかと激昂していた。
弾くことは弾いたんですが、エレベーターが狭くて…と襲撃者は言い訳する。
そんなこと聞いてんじゃねえんだ、やったのか、やんなかったのかを聞いてんだと石原は苛立つ。
すみません、腹には当たってると思うんですけど…と襲撃者は答える。
何やってるんだ、てめえん所は!チンピラ1人やれねえってどういうわけだ、このやろう、岡本!お前んところはどう言う教育してんだと石原がキレっぱなしなので、すいませんと岡本は詫びるだけだった。
白山!五味!てめえらは何にもしねえで黙って見てるだけなのかよと、部屋にいた2人にも石原は切れる。
いえ…と2人が否定すると、てめえらみたいな使えねえ野郎を食わす金はねえんだよ!と石原は恫喝する。
次の幹部会でてめえらの組のシマ、きっちり取り上げるから覚悟しとけ!と石原は威嚇する。 その後、白山と五味は、大阪の花菱会の西野に会いに行く。
西野は、わざわざ悪かったなと2人に詫び、何か聞いたで、石原がお目らのことを処分するとかなんとか言うてるらしいやんけと言う。
はあと2人が頷くと、うちの会長も偉い気にしはってな、冨田の時もそうやで…、あのマル暴のバカデカ!余計なことせえへんかったらお前、富田かてあんな目に遭わんでも済んだんや、なあ?と西野が言うので、そうなんですか?と五味は驚く。
ああ、あのクソデカ、づせうちのせいにでもしたんやろう、えぇ?己の手柄上げるためやったら何でもしよる、あのバカ!なあ?まあ悪いようにはせえへんからまかしとき、そのうち会長紹介しるよって…と西野は太鼓判を押すので、今日は会長はいらっしゃらないんですか?と五味が聞くとああ?会長が今日おられるかどうかと、己らとなんか関係あるんけ?あ?てめえらが会いたいから言うて、すぐ会えるほどうちの会長安うないで…、あ?五味…と西野はドスを効かせる。
怯えた五味が、はいと小声で答えると、だよな?と西野が脅して来たので、です!と五味は答える。
バッティングセンターの鉄柵に嶋が「本日休業」の札をぶら下げる。
事務所では、木村が小野に説教していた。
てめえらがしくじったんだからよ、指でも何でも詰めて兄貴に詫びるのが普通だろうが!だいたいよ、ホテルでカレー食ってたら?俺は兄貴から目離すなって言ったろうが?このバカヤロウ! それを側の椅子に座って聞いていた大友は、おい、もう良いよと止める。
そいつら責めんなよ、何かつっと腹やられるな~と大友が自虐めいたことを言ったので、兄貴、すまねえと木村は詫びたちが、そう言う意味じゃねえんだけどよと大友は笑って否定する。
木村は覚悟を決めたように、兄貴よ、俺と一緒に大阪行って、花菱の会長から盃もらってくんねえか?と頼む。 しかし大友は、俺は山王会とやる気ねえぞとと答える。
加藤と石原を放っておくんですか!こっちはもう狙われてるんだと木村は焚き付ける。
その時、親分、俺たちにやらせてくださいと小野が言い出す。
嶋も銃を出すと、加藤を殺して来ますと言うので、お前ら2人、兄貴1人守れねえくせに何言ってんだ!さっさとそのチャカ捨ててこいよ、それから俺が良いって言うまでどっかに体隠しとけ、山王会の奴ら俺探してっからよと木村は叱りつける。
それでも小野が、親分!と迫ろうとするので、うるせえよ、どうせここに至ってお前ら、なんの役にも立たねえだろうが?と木村は言う。
嶋と小野が事務所を出て行った後、大友は、あいつらどっから拾って来たんだ?と聞くと、2人とも昔の兄弟の倅だが、親に似て悪くてよ、俺が預かったんだが、こんなことになっちまった…、お前らにとっては、その方が良かったのかもしんねえけどな…と木村は明かす。
山王会に乗り込んだものの捕まって痛めつけられた小野と嶋に、会長がこんなところ来るわけねえだろう!と船木が教える。
だいたい、なんで大友が来ねえんだよ、うちのくみも舐められたもんだよな、おい、大友どこにいんだよ!と船木が聞くと、唾を吐きかけた小野が、知らねえよ、バカ野郎!と虚勢を張ったので、船木は小野と嶋を蹴り飛ばし、ぶち殺せと命じる。
小野と嶋には、それぞれ黒い袋が頭に被される。 携帯の呼び出し音 片岡から呼び出された木村が高速脇のゴミ集積場に車でくると、そこに小野と嶋の惨殺死体が捨ててあった。
見てよ、これ、あんたん所の若い衆だろう?と片岡は、黒い袋を剥がして死体を見せた後聞く。
加藤の所に突っ込んだんだってよ、こんなもん被せて嬲り殺すなんてなと、黒い袋を手に片岡は説明する。
あんたらのおかげでこう言う奴らがじゃんじゃん死んでくんだから、大友にもちゃんと言っといてくれよ…と片岡が言うのを黙って聞いている木村。
木村に頼まれて花菱の盃もらいに行こうと思いまして…と大友はちょうに報告に行く。
そうか…、木村にも言っとけ、利用させるなよってと張は言い聞かせる。 わかりました、ありがとうございますと大友は礼を言う。
花菱会の壁には名札が貼ってあり、若頭は西野一雄、若頭補佐の筆頭に中田勝久の名前があった。 その下の段には、若中と懲役という名札が並んでいた。
西野は、おい木村!会長の盃寄越せやとか、われ、何様のつもりや、おら!と叱りつける。 それで?こいつにも会長の盃やって、おまけにお前らの喧嘩のケツ持てやと?おら、あ、調子に乗るんもええ加減にせいや!おら、ボケ!と西野は激昂する。 木村は、すいません、俺も若いもんタマ取られちまって…、このまま黙って引き下がるわけにはいかないもんで…と詫びる。
そやから、こいつに盃やってうちの会は何の得になるんじゃ、おお!てめえ何いうてんのかわかってんのかい!花菱と山王会喧嘩させる気かい!と中田も威嚇してくる。
それでも木村は、あれは昔の山王会じゃない、極道組だというと、何抜かしとるんじゃ、こら!山王会とはお前のちんぽの毛生える前から盃交わしとんねん!と西野は言う。
お前らちんいらの三下取られたくらいで、戦争にでもなったら誰が責任取るんじゃ、ボケ!と西野は言い、なんもする前から花菱の後ろにこそこそ隠れようとしくさりやがって、こら!戦争になったら、我真っ先に鉄砲玉なってくれるんやろな!と中田も攻める。
わかってますと木村が答えると、アホかてめえはと言いながら、中田は足蹴にする真似をする。
だいたいこいつはてめえの親分殺した奴だぞ、そんな奴と手を組みやがって、それでも自分が何やっとるのか分かってるって言うのかい!と中田は言う。
俺も兄貴も上のものの言うとおり動いただけなんで…と木村は言い訳するが、木村!もう良いよ、帰ろうと大友は言う。
大友、今何言うた?と西野は聞き咎める。 何がだよ!と大友が聞き返すと、なんやこら!なめとんのか、こら!と西野は威嚇してくる。
舐めてねえよ、バカやろう!と大友も言い返す。 会長がわざわざ忙しいのに会ってくださっていると言うのに、ああ?帰るやと?こら!お前らが買えるか帰らんかは、こっちが決めるんじゃ、ボケ!と西野が言ってくる。 時間の無駄だっつてんだ、この野郎!と大友も怒鳴る。
お前らなんじゃい1と中田も脅して来たので、なんだ、この野郎!と大友も興奮して立ち上がったので、すいません、兄貴、ちょっと待ってくれと木村が両者を宥めたので、何や、こいつ舐めやがって、おい、道具貸せ!と中田は古文から拳銃を受け取ると、ただじゃ置かんぞと言って立ち上がる。
ただじゃ置かねえならどうすんだ、このやろう!撃ってみろ、こら!と大友も負けてない。
それを見ていた西野は、木村!この落とし前どないつけるんじゃ、おら!と西野は問いかける。
やってやろうやないか!と中田が言うと、やれよ、この野郎!早くやれ、玩具か、これ!と大友も威嚇する。
すいません、勘弁してください!兄貴はまだムショから出たばかりでまだ何も知らないと木村は中田を抑える。
何も知らんのはお前の方じゃボケ!ああ!こんな腐れ外道連れて来よる奴が!どう落とし前つける気や!と西野が木村に文句を言ってくると、指詰めるか、こらあ!と中田も木村を責める。
どないするんじゃ?詰めるか?詰めるんやったら道具いるやろ?何が欲しいんや、何が欲しい言うとるやろ!ドスか包丁か出してやろうか?と西野は詰め寄る。
てめえら、ガタガタうるせえんだよ、バカ野郎!木村帰ろ!と大友はキレる。
何やこら!と西野が息巻くと、何を言うてんのやこの野郎!ただじゃ置かんぞこの野郎!とな方もキレる。 だからやってみろつってんだろ!この野郎、チンピラ、やれ!と大友はけしかける。
誰がチンピラじゃ、おお!やってもらおうやないか、いてまうぞと言いながら、中田は銃を大友の頭に向ける。
やれ!何だこら!と、大友と中田の言い合いが激化した中、木村は自分の小指を自分の歯で食いちぎり、指を吐き出した後、これで良いんですか!と聞き、山王会くらい、俺らだけで撮ってみせますよと息巻く。
それを見た大友や中田、西野らは全員黙り込む中、布施会長が、おい、こいつ、医者連れたったれと命じる。 はいと答え、手下が、どうぞと言いながら木村を連れ出す。
宿で1人待ってい大友に、木村さん、戻られましたと声がかかり、指の治療を終えた木村がやって来たので、悪かったなと大友は詫びる。
いえ…と答えた木村に、その手じゃ飲めねえか…と気を配る大友。 木村は、いや、一杯だけならと言うので、大友は酌をしてやる。
盃を持った木村は、兄弟の盃と思って良いですか?と言うので、うん?…うんと大友は頷く。
その頃花菱会では、あれなら、あいつら使えるなと布施会長が言っていた。 大友中の、あれ、大丈夫ですかいな?と西田は苦笑しながら答える。
木村にあそこまでやられたら、ヤクザやからな、義理ができたんちゃうか?2人で山王会と喧嘩してくれるわ、お前と中田ん所から、顔の割れてへん奴何人か出して協力させろと布施は言う。
中田と共に頷いた西田は、それから会長、あの例の件、ちゃんと探らせますんでと答える。
おお…、せんだいが死んだ時の話か?…と布施も思い出す。 夜車移動していた船木は、この間、石原の親分の事務所が撃ち込まれたのもありますし、若いのつけてますんでと舎弟に言われたので、バカやろう、俺は先代のボディガードだ、お前らに守ってもらうほど、落ちぶれちゃいねえよ、あいつらにも付いて来なくて良いと言っとけよと船木は背後から付いて来ている車のことも指示する。
赤信号で船木の車が停まったので、ボディガードたちの後続車も停まるが、その背後からやって来た車がボディガードらの車にぶつかったので、ボディガードは車から降り、何するんだ、この野郎!と、ぶつかったくるあの方に文句を言いに行く。
ぶつかった車から降りた男たちは、すみませんと詫びるが、船木の車に乗っていたボディガードたちは警戒しながら振り返る。
その瞬間、隣に泊まっていたバイクの男が船木のボディガードを射殺し、そのまま後部座席の船木に銃を突きつける。
背後では、ぶつかった車から降りた男たちが、警護車から降りてきたボディガードたちを射殺していた。
その後、船木の車の運転手(山中崇平)を脅し、助手席の死体を下ろすと、船木を乗せたまま、バイクが先導して場所を移動させる。
とある工事現場に連れて来た船木に、黒い袋を被せ、思い切り殴りつけた木村は、おめえ、俺の若い衆、撮ってくれたんだってな?と袋を取って聞く。
何が若い衆だ、ビービー泣き喚きやがって…、ただのガキじゃねえかよ、大友!このバカ辞めさせろ、全員見殺しだかな…と船木は、その場にいた大友に声をかける。
加藤が先代殺したの知ってるよな?お前、見てただろう?と木村が聞くと、てめえら、何言ってんだかわかんね絵よと船木は血まみれの顔で笑う。
てめえずっとボディガードについていたじゃねえかと木村が指摘すると、何も見てねえと船木は言うので、そうだ兄貴、じゃあ、思い出してもらいましょうかと大友に木村は話しかけ、録音機を取り出すと、船木の服を切り裂く。
大友は、鑿岩機を手に取ってドリルを回してみると、おい、船木!お前も同じようにしてやからよ、見とけ、この野郎!と脅す。 黒い袋を被せた運転手にドリルを近づけると、待て、待てよ!思い出した!2人とも待ってくれよ!見た!と船木は言い出す。
翌朝、まだ大友がどこに隠れているのか分かんねえのか!と石原は岡本を前にキレていた。
ええ、血まみれの黒い袋が届けられたきり、これだけ見つからないとなると、誰か他にも手引きしているんじゃないですかと岡本は言う。
だから、てめえらにとっとと調べろって言ってんだろうが!と石原は激昂する。
岡本は、はい、すいませんと詫び、失礼しますと挨拶して出てゆく。
花菱会の布施は加藤から報告を聞き、ふ〜ん…、それで船木の死体は出て来たのかいと聞いていた。
いや、どっかに捨てられてると思うんですが、出て来ないんですと加藤が答えると、しかしわからんのは、何で大友は、石原でも会長でもなく、まず船木狙うたんや?と布施は不思議がる。
船木があいつらの若いのやっちまったんで…と加藤は答えると、会長のところの…席外してもろうてよろしいやろか?ちょっとな…と布施が加藤の背後にいたボディガードのことを気にして声を潜めたので、大事な話ですか?と加藤が聞くと、布施は目で合図したので、おいと加藤はガードマンに声をかけ、はいと答えてボディガードは座を外す。
せやけどな〜、手下二人殺されたぐらいで、そないなことするか?と布施は加藤に聞いてくる。
船木がなんかあんたの秘密握ってるんやったら話は通じるんやけどな〜と布施は言い、その場に西田といた中田などはニヤニヤして聞いていた。
何ですか?変なこと言わないでくださいよと加藤は力なく答える。 会長、これ、聞いてもらいます?と言いながら、西田が取り出したのは録音機だった。
だから、加藤会長が全部仕組んだことなんだよと、録音機から聞こえて来たのは船木の声だったので、加藤の表情が険しくなる。
あの時、加藤会長に言われてたんだ、お前はついて来なくたって良いって…と、船木の言葉は続く。
でも心配だからついてったんだよ、よそのくみのやつが来てるのにおかしいだろう、そしたら加藤会長がそいつを撃った後に、続けて別の銃で先代を撃ち殺したんだ、それで先代撃ったのをそいつのせいにしてやがったんだ、だから何日語って言ったんだ、加藤会長に、俺見てましたよって…と船木の声は部屋に流れる。
そしたら、黙っといたら悪いようにはしねえって言ったんだ、シマもくれるし、出世もさせてやるって…と録音が止まると、何だこりゃ、こんなインチキなもんをどうしたんだ!誰が持って来たんですか?と加藤が聞くので、石原が送って来たんやと布施が言う。
石原が?いや、ちょっと待ってください、石原は私の直近で、特別に取り立ててやったんです、まさかそんなことするわけはないでしょうと加藤は疑う。
すると布施は、石原が会長の跡目狙ってるちゅう事や、そしたらちょうどええ具合に、その大友ってのが出てきて利用したんちゃうか?前に冨田を送って寄越したのも石原やったな? 私を裏切ったと言う事ですか?と加藤が聞くと、あいつは前に大友を裏切っとるやろう?一度人を裏切った奴は何回でも裏切りよる!と布施会長は断じる。
それを聞いた加藤は、野郎…と呟く。
帰郷して山王会に戻って来た加藤は、石原から、花菱の方はいかがでしたか?と聞かれ、向こうの会長もえらく心配してくださってな、一緒に大友を探させるってよと答える。
そうですか…と石原が答えると、木村って知ってるな?と加藤は聞くと、石原は、ハイと答え、昔、大友に顔を切られた奴ですよね、ただ、何でそんなやつが出てくるんですか?と不思議がる。
大分、大友ことを恨んでいるらしいじゃねえか、それで中田っていう幹部に盃もらってな、そいつに連絡させるって言ってたぞと加藤は伝える。
ですが、そいつは結果的に山王会に与する…と石原が言い返すと、おい、俺がわざわざ大阪くんだりまで出掛けてよ、話通してもらって来たんだろうが!と加藤は苛立たしげに叱る。
石原は、はい、すいませんと詫びるが、おめえらがちゃんとしねえから会長を手煩わすんじゃねえか!大友探し出せ、この野郎!と子分らに当たり散らしながら退室するのを加藤はじっと見つめていた。
一方警察では、じゃあ、大友と山王会の喧嘩じゃなく、花菱と山王会がぶつかり合うんだな?これで両方が潰しあってくれると良いんだが…と課長が言っていた。
いや、苦労しましたよ、やっぱり俺みたいなのがいないとダメなんじゃないですか、丸棒がデスクに座ってるだけではねえ〜、ちゃんと部長にも言っといてくださいね、私がしっかり働いてるって…と片岡が課長に進言する。
課長は、わかった、わかったと返事するが、一緒に話を来ていた繁田は始終不機嫌な顔だった。
エレベーターから降りて来た岡本に、誰か他のやつが手を貸してるわけじゃないですよね?と手下が話しかける。 ああ、大阪の会長も協力してくれてるからなと岡本は答えると、そうですよねと古文は言う。
岡本たちは、外に停めてあった車に乗り込もうとするが、突然近づいて来た男たちから皆撃ち殺される。
翌日、それを聞いた石原は、会長に連絡して、木村はどうしたって聞いてみろ!と部下に当たり散らす。
夜、木村と道路上で密会した石原は、どうも木村さん、大友はどこですか?と聞くと、木村はにこやかに、後ろのバーにいるよと教え、石原を扇動して歩き始める。
石原はその木村の後をついて行っていたが、突然発砲音が背後で聞こえたので、身をすくめて振り返ると、木村の子分たちが石原の子分たちを全員射殺しているところだった。
愕然として立ち尽くす石原に、おい、元の親分の所へ行こうぜと木村は声をかける。
大友か…と石原が言うと、大友さんだろうが、この!と言いながら、木村は石原の腹にパンチを打ち込む。 木村側に加勢してた花菱会の車の車列は直ちに走り去ってゆく。
木村は石原を自分のバッティングセンターの事務所に連れ込んできて、その入り口は花菱会の若い衆で固められていた。 大友を前にした石原は、親分、どうも…と土下座していた。
何が親分だ、この野郎…と大友は語りかける。 ちょっと聞いてください、色々ありまして…と石原は怯えながら言い訳をする。 加藤会…、加藤会長から言われて、そんなつもりはなかったんですが、言うこと聞かないと殺すと言われて、あの時は裏切りましたが…と言いながら見上げた大友は笑っていたので、石原は小便を漏らす。
何でもします!今金もありますし、あの〜、株券でも何でも金目のもの出しますから、言うとおりにしますんで許してもらえませんか?と石原は命乞いして来たので、何でもすんのか?と大友が聞くと、はいと言うので、野球やろうか?と大友は言い出すと、石原は、えっ?と戸惑う。
大友は愉快そうに笑っていた。 バッティングセンターに電気が灯り、マシーンに弾が送り込まれる。
石原はストライクゾーンの位置に置かれた椅子に縛られて、やめろ!ともがいていた。
やがて最初のボールが飛んできて、悲鳴と共に、石原の眼鏡が吹き飛ぶ。
2球目、3球目のボールが次々に石原の顔面に命中する。
大友と一緒に車で出かけた木村は、これで加藤の周りには誰もいなくなりましたと言う。
助手席に乗っていた大友は、あいつには手出すなよと釘をさすので、木村は不審そうに顔を見ると、俺が取ってやるからと言うので、納得してはいと答える。
バッティングセンターでは、石原が気を失っていた。 花菱会の西野に挨拶をして、白山が車で帰ってゆく。
山王会の事務所前にはパトカーが停まっていた。 屋敷内では幹部連中が集まっており、石原には可哀想なことをしたが、冨田と山王会を乗っとろうとしたからしようがねえ、ちっとは頭も切れると思って可愛がってやりゃあ調子に乗りやがって、あの野郎…と加藤が話していた。
ま、今回は花菱の会長や向こうの頭にも散々世話になったからな…と言いかけると、会長!と白山が発言する。
ここにいる幹部全員にCDが送られて来てましてねと白山が言うので、何!と加藤は戸惑う。
船木が言ってることが本当なら、あんた先代の仇になりますよと五味も発言する。
なんだ、お前ら、そんなインチキ臭いもんに引っかかりやがって…、この野郎!誰だ、こんな真似しやがったのは!と、幹部(池ノ内孝)がいう。
会長を殺して代替わりした会長の方がインチキなんじゃないんですか?と白山が追求すると、てめえら、どういうつもりだい?と加藤も言い返す。
しかし、幹部たちは無反応のままなので、形成不利と悟ったのか、何だお前ら、俺に弓引くのか、ふざけんな!この野郎!誰が山王会をこれだけでかくしたと思ってるんだい!と加藤は激昂する。
しかし、また無反応なので、よし、ちゃんと聞こうじゃないかと、加藤は少し冷静さを取り戻した風を装う。
俺に弓引く奴は全員破門だ!俺に引退してほしいってやつは一体誰なんだね?と聞いた加藤が、出てけ!というと、五味と白山が真っ先に立ち上がる。
やがて他の幹部たちも続々と立ち上がり、一斉に部屋から出てゆく。
残った幹部が、てめえら恥ずかしくないのか、どう言うつもりなんだ、この野郎!と叫ぶが、出ていく幹部たちは無反応なので、後で吠え面かくなよと、てめえらの面、一生忘れねえからな!別の幹部が捨て台詞をいう。
大半の幹部がいなくなったのを知った加藤は、唖然としたまま椅子に腰を落とす。
その直後、銃声が響き、山王会関連の事務所の若い衆が次々と射殺されていた。 おい、うちの連中に船木のCD送ったろう?てめえら下手な小細工ばっかりしやがって…、うちの事務所が打ち込まれてんのも、花菱がやってんじゃねえだろうなと加藤は花菱会に電話する。
花菱の方からは、変な因縁つけるんはやめてくださいと言うので、お前ら、覚えてやがれよ、怒鳴りつけるが、電話は一方的に切られてしまう。
その後も、山王会系の事務所では人が死んでいた。
加藤は追い込まれていた。 その後も、「有限会社 上政総業」など関係事務所が襲撃される。
タクシーでやって来た女(高久ちぐさ)が、マンション内で待っていた山王会幹部の部屋に来て、幹部がドアを開けた途端、背後からつけて来た刺客が幹部を撃ち殺す。
車で逃走していた山王会幹部は、花菱会が送り込んだ城(高橋克典)に追跡されていた。
幹部の車は横転し、追跡車から降り立った城は、運転席に向かって連射してトドメを指す。
夜の港で木村と会った大友は、おおかた片付いたな、俺下がるからよ、後お前が仕切ってくれと頼む。
木村は、兄弟、後もうちょっとでお互い、組持たせてくれるぜと言うが、花菱はそんな甘くねえよ、まして俺なんか嫌われてるからよと大友は答える。
これだけ動いたんだ、大友くみ復活させてもらえるだろう、兄弟、心配するな、俺が生菌持って頭に頼んどくから…と木村は言う。
木村、俺よ、木村組の若い衆で良いよと大友が言うので、ええ?と木村が驚くと、頑張ってくださいと大友は頭を下げて帰って行く。 警視庁の杉山公彦部長室。
加藤が引退すると、山王会は後は誰のもんだ?と組織犯罪対策部長が聞くと、まあ花菱にとってみりゃ、誰がトップになっても同じじゃないですか?と片岡が答えたので、なんだその言い方は?と公安部長は不快感を示し、君ら、花菱に肩入れしてんじゃないのか?と指摘する。
黙り込んだ片岡のことを繁田はじっと見つめていた。
後日、木村が花菱会にやってきて、会長どうも…と挨拶する。 布施会長は、やあ木村!立ってないで座れやと椅子を勧め、西野たち幹部に頼んだぜと言い残して立ち去る。
木村が西野らに一礼してソファに座ると、おい、大戸mこはどないしたんやと西野が聞いてくる。
大体のことは肩がついたので、後のことはお任せしますと…と木村が答えると、会長が直々に読んでおられるのにも来られへんて、どういうこっちゃ?とんじしのは絡んでくる。
木村はすみませんと謝るが、ああ、こっちもその方がちょうど良いか…と西野は言い、それでまあ、山王会のことなんやけどな、今回は手打ちんじすることにしたんやと言うので、山王会と花菱がですか?と木村は驚く。
何眠たいこと言うてんねん、木村、お前に組作らせてやったやろが?山王会と木村組が手打ちになるんやと西野は言う。
となると、どうなるんでしょうか?と木村が戸惑うと、そやな~、加藤は引退やろな、まあ、跡を継ぐのは白山とか言う幹部になるやろなと西野は言い、木村が黙り込むと、あんまり嬉しそうちゃうなあと聞いてくる。
お前のくみみたいなちぃっちゃいとこと、山王会みたいなでっかい、お前、言うたらゾウさんみたいなでっかい組と、五分の手打ちになるんやで?そら、後取るのは向こうやろけど、お前のシマかてきっちり用意するやろ…と西野は言い聞かす。
それを聞いた木村は、ありがとうございますと礼を言う。 それからお前らの組から、あの大友な、あれ、お前が破門せいやと西野は言い出す。
えっ!と木村が驚くと、しゃあないやろ、お前、形だけでも仇になってもらわなと西野は言う。
五分の手打ちやど、向こうは会長の引退やどと西野は言い聞かせる。
お前やったら、大友1人じゃ、バランちゅうもんが取れへんのだぞ、こら!と言われた木村は、そんな…、私に破門なんかできるわけないじゃないですか、兄貴だって体張ったんですよと木村は言い返す。
すると中田が、さっきから聞いとったらそんなもこんなもあるか!これ、おお!会長は苦労して手打ちにしてくださっとるんや、まだ文句あるんかい!大友出すのが嫌やったら、てめえ腹切るなりなんなりせんか!こら!やらんかい、おら!と言い出す。
山王会と手打ちか…、そうすると花菱が東京に出てくるのか?と、李から話を聞いた張は呟く。
はい、大友さんから電話がありまして…と李は答える。 警視庁にやってきた加藤は、幹部や片岡たちやマスコミが集まった部屋で、私、山王会二代目会長加藤稔は、今回の抗争事件で死亡した石原秀人、舟木昌志、両名他、多数の組員への責任ならびに、社会をお騒がせした責任をとり、山王会を引退いたします。 今後は極道社会から足を洗い、気質として、善良な社会の人たちに迷惑をかけることなく、また社会の一員として少しでも貢献できたら良いと思いますと宣言する。
この度の一連の抗争による若頭石原、ならびに幹部船木の死亡は、いろいろ取り沙汰されておりますが、加藤会長引退により、全て不問に付すこととし、つきましては先代の兄弟分であり、関西花菱会会長である布施会長のご尽力のもと、本日をもって、山王会、新体制を発足いたします、後見役は私、西野が務めさせていただきます、三代目会長には白山広、頭には五味英二郎、そして高野成紀、安藤勉はこれから相談役、または最高顧問としてこの会に協力して欲しいと西野は手打ち会で発表する。
なお、今回の人事に対し、不平不満のあるものは、花菱会布施会長に対する反目とみなし、回をあげて対処する所存であります…、以上!と、書状を読み終えた西野は腰を下ろす。
その瞬間立ち上がった両組織の幹部たちは、よろしくお願いしますという白山の挨拶と共に違いにお願いしますと頭を下げ合う。
会長室で待っていた加藤の下にやってきた白山に、よかったな!と挨拶した加藤だったが、よかったなじゃねえよ、てめえ、どこ座ってるんだ!と五味が威嚇する。
加藤が立ち上がって、対座する位置に立つと、てめえ、金庫空っぽってどう言うことだよ?俺たちが体張って稼いだ金があるだろうが!てめえ、ふざけた真似すると承知しねえぞ、こら!と五味が詰問する。
おい、一週間だけ待ってやる、自身から何からきっちり揃えて持ってこいと白山が命じる。
老後の安心を買うからにはよ、それなりの金が必要なんだ、わかったか!と白山が言うと、はいと加藤は答える。 その後、加藤は山王会本部から車で帰ってゆく。
会長室に残った五味は白山に、うちの組にシマを作りやがった木村、あれ、どうするよと問いかける。
あんなもん、うちがやっても良いが、放っといたって花菱の連中に良いようにされて潰されちまうだろう、木村なんかはじめっから捨て駒だからな、うちなんかが手を出して見ろ、巻き添えを食っちまうぞと白山は言う。 はあ…と五味は納得する。
警視庁では課長が、今度は花菱か…と呟いていた。
ま、確かに山王会の力は弱まったかもしれんが、その分、花菱がでかくなったってだけなんじゃないか?と片岡に聞く。
課長、そんな言い方ないじゃないですか、こっちは山王会の後始末もしなきゃなんないし、東京に出てくる花菱の対応もしてるんですよ、これで給料か役職が上がんなかったらやってられませんよと片岡は愚痴る。
そういや、大友どうした?と課長が聞くと、大友は山王会との手打ちが決まった後、張会長の伝で韓国行ったみたいですよと片桐が教えると、へえ、抗争ほっぽり出して、韓国旅行か…、良い身分だなと課長は呆れながら部屋を出てくる。
残った片桐は繁田に、おい、まさかもう終わったと思ってんじゃねえだろうなと話しかける。
え?と繁田が驚くと、だからお前はまだ青いってんだよ、良いか?花菱は山王会が木村組に手出すの待ってんだよ、課長も言てたろう?相手が花菱だろうとどこだろうと、俺のやり方よく見とけよと片桐は嘯く。
ある日、ジャンパーに野球帽姿で加藤は外出し、パチンコを始める。 その周囲を、李ら、従業員の格好をした男たちがさりげなく取り巻く。
その直後、加藤の隣の席に座ったのは大友だった。 加藤が大友の方に顔を向けた時、背後から従業員に化けた李が加藤の口を塞ぎ、大友は加藤の腹を何度も繰り返し突き刺す。
李はそのまま、生き絶えた加藤の体をパチンコ台に覆い被せると、大友と共にさりげなく立ち去る。
花菱会木村組には片岡らの手入れが入る。 なんでうちの連中、引っ張られなきゃいけないんですか?と木村が聞くと、しょうがねえだろう、加藤が殺されちゃったんだから…、元の構想相手ぐらいガサ入れしとかないと警察のメンツってのもあるんだからよ…と片岡は答える。
俺、何もやってないっすよと木村が言うと、わかってるよ、形だけだから、後、銃かなんか隠してるの出してくれたらうまいこと納めとくからよ、早いとこ出してくれるんでしょうね?と木村は念を押す。 大丈夫だよ、約束するから…と片岡は返事する。
夜、山王会幹部の車から降りた片桐は自分の車に乗り換え帰ってゆく。
木村組の事務所には亡くなった小野と嶋の遺影が飾られた位牌には、2人が好きだった「セブンスター」と「マルボーロ」のタバコが備えられていた。
ああ、サツが来たよ、疑われちまったよと木村は電話していた。
まだ捕まってねえんだろう?加藤殺したの…、誰がやったかわかってるのかい?と木村が聞くと、そこに子分が名刺を置いてゆく。
大友さんの使いが来ていますと書かれた名刺には、「有限会社 大友興業、平野耕司」と名前が書かれてあった。 俺はわかってるけどな、教えねえよ、バカヤロウ、悪いな、ちょっと客人だ、また連絡すると木村は言って電話を終える。
大友の兄弟か?と木村が聞くと、ええ、岩井の品を持ってきているらしいんですがと子分は答え他ので、入れてやれと伝える。
ご苦労様ですと子分が迎え入れた客は、観葉植物を持った配達人と一緒だった。
どちらに置きますか?と配達員が聞くので、足の横に置いてくれと木村は指示する。
すると平野と名乗った客は、風呂敷包みを開き、中の箱から銃を取り出すと、子分と木村を射殺する。
観葉植物を持ってきた配達人も、残りの子分を射殺していた。
帰る平野を名乗った男は、昨夜片岡と車で密会していた男だった。
木村の葬儀が行われ、西野と中田が参列する。 花菱から西田と中田が…、山王会は勢揃いだし、この後、どうなるか楽しみだな…。
ええ?と、その様子を遠くから監視していた片岡は繁田に嘯く。
まさか、先輩がやらしたんじゃないでしょうね?と繁田が聞くと、何を?と片岡が聞き返したので、木村ですよ、殺されたのはガサ入れした直後ですよ、いくらなんでもタイミングが良すぎるでしょう?と繁田は指摘する。
すると片岡は、俺が誰に何をやらしたって?え??言ってみろよ、山王会か?花菱か?それとも大友か?何もわかってねえに、知ったような口聞いてるんじゃねえよ、良いか?これは花菱会が大友がやったように見せかけたんだよ、だったら、それ利用しない手はないだろうと言う。
利用するってどうするんですか?そんなの付き合ってられませんよ、後は勝手にやってください、俺は降りますからと繁田はいう。
じゃあ、勝手に降りろよ、今大友が来るから、俺は忙しいんだと片岡は返す。
来るわけないでしょう、自分がやったことにされてんですよと繁田が言い返すと、わかってねえなあ!ヤクザってのはメンツを一番大事にしてんだよと片岡が言うので、だからってこんなとこ来たら撃ち殺されてお終いでしょうと重田は言う。
だから俺がついてんだろう?線香挙げに来た奴に誰も手出せねえようになと片岡が言うと、とにかく俺帰りますよと繁田は言い残して立ち去る。
そうか、残念だったな、お前も出世できたのに…と片桐は言い放つ。
遠ざかりかけた繁田は、一生ヒラで良いですよと答えて行く。
その直後、片岡は近づいてくる大友の姿を見つける。 線お会い、すいません、こっちの入り口の歩が目立たないと思いまして…、一応調べさせてもらいますと言った片岡は、大友の身体検査をするが、線香上げに来ただけだよと大友は言う。
わかってますと答えた片岡は、手ぶらですか?先輩なら弾きくらい持ってくるかと思いましたが、花菱の皆さん、中にお揃いですよと教える。
持っていきますか?と自分の拳銃を片岡が手渡すと、それを受け取った大友は、その場で片岡を射殺する。
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