「悪魔の街」
日活時代の鈴木清順監督による二本立ての添え物映画と思われるB級サスペンスで、有名なスターなどは誰も出ていない。
併映は石原裕次郎主演「狂った果実」だったようで、裕次郎人気が爆発する直前のようなこの当時の日活には、他にほとんどスタらしいスターはいなかったので、こういう地味なキャスティングになるのもやむを得なかったのだろう。
東映の「警視庁物語」シリーズなどに近い世界観のような気がする。
顔に見覚えがあるのは、菅井一郎、河津清三郎といったベテラン脇役クラスくらいで、芦田伸介さんもぱっと見見分けがつかないくらい若いし、深江章喜さんなども、いかにも無名のチンピラ役…
大ボス役の菅井一郎さんに虐められるところなどは、いかにも最末端のチンピラという感じで、その無力さに憐れみさえ感じる。
芦田伸介さんなど、同じハンチング帽を被った「七人の刑事」のイメージで見ると、本作ではチンピラでしかなく、全くイメージが違って見える。
どうやら主役は河津清三郎さんらしいが、中年男が若いモデルの女性と付き合っていると言うチョイ悪オヤジ風設定からすでに無理を感じないではない。
女性の兄の小学校時代の同級生らしいのだが、歳が離れすぎだろう。
その河津さんの恋人役をやる由美あづさと言う方は、日活入社の第一回作品らしいが、その前に松竹の美空ひばり版「伊豆の踊子」(1954)で出ていた方らしく、「狂った果実」と言う斬新な青春映画の併映作で、こんな中年の情婦のような古めかしい役では人気が出ようはずもない。
日活の社風がガラリと変わってしまう端境期に入社なさってしまった印象で、この作品以降、出演作品が見当たらず、そういう時代の変化の犠牲になられたのではないかと同情したくなる。
悪役をやる菅井一郎さんもあまり見たことがない印象で、クライマックスの追跡劇は、見た目的な年齢にしては相当体力を使っておられると感じる。
逆に悪役イメージがある河野秋武さんの癖の強い刑事役というのも、ちょっと目新しかった。
全体としてはかなり古めかしいタッチの犯罪もので、悪人同士の内輪揉めという展開で、河津清三郎さん演じる人物も感情移入しにくい悪人キャラなので、勧善懲悪的な痛快感は薄い結末だと思う。
【以下、ストーリー】
1956年、日活、松村基生原作、白石五郎脚色、鈴木清太郎(鈴木清順)監督作品
雨の夜、ワイパーを動かしながら走る車の運転席
タイトル
キャスト、スタッフロール(運転席から滲んで見える夜の街を背景に)
「東京地方検察庁」から、各人の手錠にロープを通された容疑者たちが護送車に乗せられてた。
その数を数えていた係官は、突然、繋がれていた女が他の容疑者と口喧嘩になったので、注意して離す。
出発した護送車に乗っていたチャリンコの健坊(深江章喜)は、途中で停まった時、隣に停まったアベックが乗ったスポーツカーに視線を送ったので、おい、健!と同乗していた係官から注意される。
それでも健坊は隣に座っていた女に話しかけようとしたので、女からよしなよ!と拒否され、近くに座っていた他の容疑者からイチャつくんじゃない!と文句を言われる。
すると健坊は、ねえ旦那、鼻出ちゃうんだよ!とニヤつきながら声をかけたので、係官は、分かった、分かったと相手にしないので、立ち上がった健坊は、ねえ、旦那~!と文句を言いかけるが、係官や他の容疑者から無視されたので、チェッと不貞腐れる。
そんな健坊の逆隣に座っていたのに、終始無言の中年男は大庭(菅井一郎)だった。
「警視庁 城西警察署」の前を小学生たちが集団登校していた。
そこに一台の乗用車がやって来て、警察署の前の道の向かい側に停める。
そんな「城西警察署」に、容疑者たちを乗せた護送者が到着したのを、停まっていた乗用車の運転手は確認する。
護送車から下される健坊は、後部の窓から停まっている乗用車に気づいてじっと見つめるが、ロープに繋がれた大庭に促されて悔しそうに降りる。
乗降口で、大庭はいきなり背後の健坊に掴みかかる振りをしたので、係官が止めようとすると、健坊はいきなり自分の左手の義手を抜いて、それを掴んで係官を殴りつけ、大庭は手錠を繋いだロープを抜き取る。
その混乱の様子を停まった乗用車の運転手木本(三島謙)はバックミラーで確認していた。
容疑者たちは一斉に逃亡し始め、制止しようとする数人の係官と揉み合う。
警棒で取り押さえようとする係官を殴りつけ、その場から走り出した大庭は、停まっていた乗用車の後部座席に飛び込み車は発車する。
城西警察署では、名前は大庭、大庭剛三、47歳、前科3犯、殺人強盗の容疑です、ええ、一月前、管内の東亜銀行支店を襲った強盗です、はあはあ、本人の写真は本町にも送ってあるはずです、はあ、よろしくお手配願いますと所轄署の富永捜査係長(松下達夫)が電話連絡していた。
富永捜査係長は、署長、早速都内近県に非常手配をすると言ってますがね、それから応援の方も…と報告すると、富永君、本庁の応援だけに頼っちゃいかん、我々の手で逮捕するんだと遠藤署長(相原巨典)は指示する。
そこに警官たちに運ばれてきた健坊と一緒に戻ってきた佐々木部長刑事(河野秋武)が、義手を机に放り投げ、あいつが一芝居売ったんですよ、同乗の男としめし合わせあっての仕業ですよと報告する。
警官が手を離すと、床にひざまづいた健坊は机の角で頭を打ったので、痛え!という。
おい、健!つまらん役目を引き受けたもんだな?いくらで引き受けたんだ!と富永捜査係長が聞くと、健坊は無視したので、返事くらいしたらどうだ、とぼけやがって!と、側の椅子に座った佐々木が健坊の頭を押す。
すると健坊は、知らねえったら知らねえよ、ふん!知恵のねえ面ばっか並べやがって、オラあねえ、他人様が逃げるのを手伝うほどトンマじゃねえんだよと健坊は嘯く。
何?このやろう!貴様、知らねえのか?逃亡幇助罪は10年の加算だぞと佐々木が説明すると、10年!と健坊が驚いたので、当たり前だよ、殺人犯を逃がしやがって!当分日の目は拝めねえから覚悟しろと佐々木が脅すと、旦那、俺は何も知らねえんだと健坊が縋り付いて来たので、馬鹿野郎と言いながら佐々木は足蹴にする。
そこに鑑識課員が来て、署長、車を運転したのは木本仙蔵ですと報告したので、保釈中の男だったな?と遠藤署長は思い出す。
はあ、競馬場で飲み屋をやっている奴で、大庭に3回、こいつと1回面会していますと久保刑事(宮崎準)が健坊を指差しながら報告したので、分かった、すぐ手配しろ、ブンヤに気をつけろ!と遠藤署長は命じ、健坊も部屋から連れて行かれる。
そこに電話がかかって来たので佐々木刑事が取ると、はい、はい、あ、捜査だ、はい、あ?何!海岸通りの交番?ぼやぼやすんな?車全部停めて調べるんだ、分かったか!と高圧的に指示する。
パトカーがサイレンを流しながら通り過ぎる夜の街角でタバコを吸っていたハンチング帽の男は、「早崎スポーツ愛好会」の看板がかかった店にくる。
2回に上がったハンチングの男赤木(芦田伸介)は、兄貴、大した騒ぎですね、大庭の旦那の話で持ちきりだ、あの調子だと、うまく逃げ込みますねと言う。
赤木!肝心の萩原はどうだった?と奥から声をかけて来たので、へえ、狙った子は外しっこなしですよ、はじめのうちは奴さん、なかなか首を縦に振らないんで手こずりやしたがね、10万と切り出したら、たちまちオッケーだ、世話ねえやと答えながら、赤木は酒を一口煽る。
こないだまで、国営で良い点数教えていたんだが、八百長の味をしちゃ、おしめえですね、兄貴、たまらねえなあ、ゾクゾクすらあ、明日の本命はなんつっても萩原のアサニシキだ、そいつが来ねえでみろ、大穴配当で2万!1万買いましょう、すると200万!豪勢だね~、ねえ兄貴、金はそっくり大庭の旦那に献納するんですかと赤木が聞くと、奥のリクライニングチェアに座っていた早崎(河津清三郎)が、うん、旦那には東亜銀行の失敗以来、だいぶん借りがあるからな、高跳びの費用をそっくり作んなくちゃ俺の顔をが立たねえやと答える。
それを聞いた赤木は、違いねえやと納得し、タバコを吸い始めるが、その時1階の電話がかかってくる。
下に降りた赤木が、兄貴、電話だよと呼びかけたので、早崎は階段を降りる。
赤木は小声で、木本からと教えたので、受話器を取った早崎は、もしもし、あ、俺だ、うまくいったな、今どこにいるんだと聞く。
月島だ、兄貴の仕事もらっちゃってすまなかったと木本は言ってくる。
それに対し早崎は、銭のいるのはお前の方なんだから、うん、あ、それだったら俺が行く、サツに気をつけろよ、うんと答え、受話器を置くと、おい、木本の荷物まとめろと赤木に声をかける。
ええ、あ、行けねえ!兄貴、萩原が今夜中に金をもらいた言ってるんだと思い出した赤木がいうので、馬鹿野郎、急ぎならさっさというもんだ、こっちは急いでるんだと早崎が言い返したので、すいません、兄貴、あいつ、ナイルで返事を待ってるんですよと赤木は言い訳する。
ナイルはまずいな、連れ出せよと早崎は指示する。
え?と驚く赤木に、知らないのか、マダムは大庭のレコだってことと早崎は教える。
旦那の?ええ!そいつはややこしいな…、兄貴、マダムは萩原とできてるって噂ですぜと赤木も嬉しそうに教える。
「BAR ナイル」の側で張っていたのは、佐々木部長刑事と久保刑事だった。
本当に現れますかね~?大庭の奴…と懐疑的な久保刑事に、ああ?今に女と連絡をつけにくるさ、犯人の習性って奴でね…と佐々木が得意げに答えている側に来たのが赤木だった。
ハンチングをまぶかに被りその前を通り過ぎようとした赤木だったが、よお!と目ざとく見つけた佐々木に声をかけられてしまったので、こんばんわ、何かあったんですか?ととぼける。
いや、何でもないよと佐々木も受け流す。
そうっすか、お疲れ様ですと赤木はごまかし、ナイルとは別な方向に歩いていく。
ナイルの店内では、マダムの房江(志摩桂子)が、ねえ、何とかなんない?ねえ、萩原さんと客の萩原(中川晴彦 )に話しかけていた。
何が?と萩原が聞くと、刑事よ、あいつらがいるんだ、お客がさっぱり寄りつかないトマダムは愚痴る。
すると萩原は、刑事が悪いんじゃない、大庭のせいだよ、つまりマダムの蒔いた種さと言い返したので、おやね、少しは考えてよとマダムはじれる。
何をよ?と萩原が聞くと、お客もお客だけど、大庭には困っちゃうの、まだ私を放す気がないらしいのとマダムはぼやく。
結構なことじゃねえか、まんざらでもねえんだろう?と萩原が苦笑すると、うん、憎らしい!とマダムは萩原に縋り付いてくるが、その時、そんな二人を見ながら店に入って来たメガネの客があった。
その客は、マダム、親少ないね、こっちは一人と来てるんだとマダムの肩を叩いて来たので、何言ってるの、ちゃんといるくせにと、奥のホステスを見ながらマダムは答える。
メガネの客が肩をすくめて奥に向かった時、カウンターの奥の従業員入り口からごめんよと言いながら顔を出したのが赤木で、何だ、貧乏神のご入来根とマダムはからかう。
ああ、恐れ入りやすと答えた赤木は、あ、兄貴が会いたいと言ってると萩原に伝えると、奥に行っていたメガネの客がそっとカーテンを開いて様子を見る。
この話だよと左手を握って暗示した赤木は、マダム、すぐ戻ってくるからなと萩原は出口に向かおうとするので、おお、裏口から出よう、刑事がいたと赤木が声をかけたので、萩原も裏口に向かう。
その時、メガネの客が、マダム、ちょっと…と声をかけたので、あら、もうお帰り?あら、もうちょっといてよ、お客が一人もいなくなっちゃうわとマダムが拗ねると、話があるんだとメガネの客が言うので、良い話?とマダムは乗ってくる。
共月ビルに車でやって来た早崎は、写真撮影している女性のガラス張りの部屋の前で待機する。
ストッキングを手に取ったポーズでOKが出たモデルの戸川貴美子(由美あづさ)は、お疲れ様と言ってカメラマンの側に来るが、部屋の外で待っていた早崎に気づくと、部屋の外に出て合図をする。
すると早崎がその場で抱きついて来たので、ダメよ、こんなところで…と貴美子は拒否する。
何言ってんだよと早さ秋が拗ねると、ねえ、まじめに聞いてちょうだいと貴美子が言うので、俺はいつだって真面目じゃないかと言い返し、強引に貴美子の身体を引き寄せてキスをする。
体を離した貴美子は、ねえ、兄さんとはっきり話つけてと頼むが、何つまんないこと言ってんだよ、このままだって良いじゃないかよと早崎は相手にせずに、また貴美子の方を抱こうとするので、貴美子は、いや!惨めなのよ、私…と、いやがる。
すると早崎は、苦手なんだ、おまわりは、特におめえの兄ったらこちこちなんだからと言い訳する。
第一、俺なんかに好意なんか持っちゃいねえよと拗ねるので、持ってるわ、あなたには…、ただあなたの商売は嫌いなのよ、兄さん…と貴美子は言い返す。
ガラス張りの部屋の中で外を向いて靴下を直していたモデルに、そっち向いてろよ!と悪態をつく早崎に、地道な商売を探したら、兄さんもきっと力になってくれると思うの、小学時代からの友達なんですものと貴美子は言う。
それに対し早崎は、貴美ちゃん、俺はね、人の世話になるのは大嫌いなんだからと言い返すと、椅子に座ってタバコを燻らせる。
そこに赤木が萩原を連れて来たので、貴美子はその場を離れ、またガラス張りの部屋の中に戻る。
早崎は札束をテーブルの上に放り出すと、うまく頼むぜと萩原に依頼すると、いうこと聞かないもんですからね、アサニシキ…と萩原は答える。
それに対し、10万なら鼻薬効かねえってわけねえだろう?と早崎が言うと、3着以下になりゃ良いんですね?と萩原は確認する。
うん、1着でも2着でもいけねえと早崎が支持すると、結局あなたが一番うまい汁を吸うわけですねと萩原は皮肉理、まあやってみますよと言いながら金を受け取って立ち上がる。
その後、驚いたろう?バーテンはアルバイトで、実際は遠山の身内さと言いながら、萩原を組事務所に連れてきた黒服の男がいた。
萩原が連れてこられた組の一室で麻雀をしていた4人組が、おい、マンボ、お茶淹れなよと寝転んでいたチンピラに命じ、ヤカンはお前の頭と同じだぜなどと言うんで、何が?とチンピラが聞くと、空っぽだよと揶揄う。
黒服の男が親分と呼ぶと、来たか?と言いながら階段を降りて来た着流し姿の男が、先ほどナイルにいたメガネの客遠山(山之辺閃)で、萩原、早崎の話な、ゆっくり俺が聞こうじゃないかと言うので、何の話ですか?と萩原が聞くと、しらを切ろうってのか?と遠山が睨んで来たので、何のことかさっぱりと、萩原も誤魔化そうとする。
すると遠山は、おい、もう10万色つけようじゃないかと切り出す。
20万?と萩原が聞くと、2着に入ってもらいたい、1着はトモヒカリに譲ってくれ、46のフォーカスで行くつもりだと遠山は指示する。
相手によっちゃ、また話にも乗るぜ、マダムも言ってたぜ、遠山さんの方が割り得だってと遠山が言っている上の階で、ナイルのマダムもタバコを吸いながら、下の階の様子を見ていた。
タクシーで自宅近くまで送ってもらった貴美子は、車を降りると、お願い、兄さんとと、車内に残っていた早崎に頼むが、わかってると言ってるじゃないか、忘れるなよ、明後日、体を空けといてくれよなと早崎は言うだけだった。
助手席に乗っていた赤木も、貴美ちゃん、うんと奢ってもらいな…、明日はちょっと良いことがあるんだなどと言葉をかけて来たので、赤木!と口止めした早崎は、良いな、明後日と貴美子に念を押し、タクシーは走り去る。
貴美子はその後自宅に戻ろうとするが、踏切で遮断機に行手を阻まれる。
伊藤町駐在所の戸川巡査(高野誠二郎)は、サイドカーでやって来た刑事に気づいて、表に出ると、異常ありませんと報告する。
刑事は、戸川君、ここは犯人の立ち回り先だから注意してくれと指示を出す。
サイドカーが去った駐在所のそばの菓子屋では、まだ捕まらないらしいよ、徹夜だよ、また今夜、たまには良いじゃないか、せいせいして、一緒になるもんじゃないよ、お巡りさんなんかと、どうもありがとうと戸川巡査の妻道子(辰野美夜)と店の女将が会話していた。
道子が駐在所に戻ってくると、戸川巡査と雑談していた男が、来ましたよ、山の神が、お大事になどと話しかけ、道子にはこんばんはと挨拶して去ってゆく。
道子は戸川巡査に、まだ捕まらないのと聞くと、うん、とうとう徹夜らしいよ、今夜…と戸川巡査は答える。
嫌になちゃうね~、この木本って男、この前まで早崎さんの所にいたんじゃないと道子が思い出すと、ああ、早崎と関係がなきゃ良いんだがね、貴美子のことがあるし…と戸川巡査も案ずる。
貴美ちゃん、飛んだ人を好きになったもんだねなどと言いながら、道子は今買って来た煎餅を食べ出す。
あんな男になるとは思わなかったよ、いつかゆっくり話し合おうと思ってるんだと戸川巡査も答える。
あんたの仕事が仕事だから、今のうちに遠ざけといた方が良いんじゃない?と注目している道子は、貴美子がやって来たことに気づかなかった。
「パチンコ第三中央」の店でパチンコをしていた早崎は、今すぐ金がいるようだと言ったら、頭から怒鳴られたよと、隣の台で打っていた木本から話しかけられていた。
そう言って悪いようにはしねえだろうと早崎が答えると、30万なんて金、旦那にとっちゃ鼻水みたいなもんだがな~、ねえのかな?と木本はいうので、ねえから世話が焼けるんだよ、香港までの船賃だって相当な額だ、なあ木本、金のことは心配するなよと早崎は答える。
2~3日遅れたって、親孝行の味に変わりはねえだろう?と早崎は言うと、一刻も早くお袋を喜ばせたいと思って、電報まで打っちゃたんだ、金持って帰るって…と木本が言うので、うんと早崎がこ会えると、警官が近づいたのに気づいた木本は知らせる。
しかし木本の背後の近づき肩を叩いた警官は、おい入ったぞ、おい姉ちゃん、8番の玉でないよとパチンコのお節介をしに来ただけだった。
ほっと安堵のため息をついた木本に、こんな所に長居はあぶねえ、汽車の中で何か食えよと早崎は話しかける。
木本はすまねえ、兄貴と礼を言い、一緒に店を出る。
翌日、競馬場の外の早崎の事務所の前では、アイスクリームを食べている女事務員宮沢(津田明子)に佐々木部長刑事が、木本が来たのは昨日の午後だねと話を聞いていた。
木本さんたらずっと済ましてんのよ、私が何を話しても知らん顔してんのと宮沢は答える。
早崎もいたんだね、その時と佐々木が聞くと、ええ、会長さんとずいぶん長いこと話してたわと宮沢はいう。
そこに2階から降りてきた早崎が気づき、佐々木さん久しぶりですねと声をかける。
うん、どうだい景気は?と佐々木が聞くと、まあ、相変わらずって所ですね、何か御用ですか?と早崎は聞く。
うん、何ね、ちょっと聞きたいことがあってねと佐々木が言うので、へえと早崎は受け流す。
大久保が乗ってる馬はどうなんだ?屋根が変わっても、あの馬は来やしねえよと事務所の男たちが話してい他ので、ああ、馬のことですか?とは矢先は聞き返す。
佐々木部長刑事は、じゃあ、ないんだと笑顔で否定する。
じゃあ、このヤマで反対はどうなるんだ?そうなると、53か56ってとこだなと事務員たちが予想している。
実は木本のことなんだと佐々木は、洗面所で手を洗っていた早崎に近づくと話しかける。
え?木本…ととぼける早崎に、いつだ、奴と最近会ったたのは?と佐々木部長刑事は聞く。
さあ、一週間くらい前ですかね~?よく覚えちゃいねえや、木本がどうかしたんですか?と早崎が答えると、早崎、すっとぼけるのは止せ!2日前に木本はここに来たそうじゃないか!と佐々木は言い返す。
事務員たちは、あの馬は逃げ馬だから3分3厘で捕まっちまうなどと言ってい他ので、お前は知らねえんだよと早崎が話しかけ、そんな足があったかよなどと事務員は答えていたが、早崎!と佐々木が叱ると、そうだったかな~などと早崎はアイスを食べてた宮沢を見ながらとぼけ、おい、木本は一昨日だったか?と宮沢に確認する。
しかし宮沢が無視してそっぽを向いたので、そんなら俺の勘違いかなと早崎は訂正し、目の玉がとびでるほど忙しいんだ、すみませんでしたね佐々木さんと答える。
どこにいるんだ奴は今?と佐々木が聞くと、知らねえな…、あんたみたいに月給もらってつけてるわけじゃねえからなと早崎は嘯く。
冗談はよせ、早崎、たまには札の手助けもするもんだぜ、スポーツ愛好家なんてもっともらしい名前つけやがって、正直言って、叩けば埃の出る商売なんだからな¡と佐々木は言い聞かせる。
それはどう言う意味です?まさか俺をひっくくろうってんじゃないでしょうね?と早崎が聞き、甥と事務員を促し帽子を受け取ると、木本が何をしたか知りませんが、変な言いがかりはよしてくださいよと言い残して出かけてゆく。
おい、早崎!と呼びかけた佐々木だったが、馬は待っちゃくれませんからねと言い残し、早崎はさってゆく。
競馬場では、馬券を買った赤木が、1-2様様だと喜んでいた。
その背後から来た3人組は、4-6だと笑っていた。
観客席に来た赤木は、兄貴、変だな、萩原の野郎、先頭切ってるぜとは早崎に言うので、初期戦で抜かすつもりだと早崎は答える。
しかし、ゴール間際になると、兄貴、萩原の野郎、追い込みかけてるぜと赤木が言うので、早崎も様子がおかしいと顔を顰める。
レースが終わると、他の客に対し、てやんでえと不貞腐れた赤木は、臭いぜ、確かに野郎、細工しやがった、でなかったら、ゴール前であんなに追い込むはずがねえやと早崎に告げ、くそ~!と言いながらハズレ馬券を投げ捨てるが、その時、目の前に佐々木刑事らがいることに気づく。
早崎のそばに来た赤木は、兄貴、デカだと教えると、まいちまえよと早崎は答える。
夜、「王深」と言う表札のある屋敷に車で乗りつけた早瀬は、門を開けようとするが閉まっているので、少し離れた通用門から中に入る。
屋敷の玄関口で、中国人ボーイ(坪井謙二)に要件を話すと、ボーイはビリヤードを外国人たちと興じていた大庭に、お客様ですと取り次ぐ。
やがて大庭に近づいた早瀬は、どうも遅くなりましてと詫びると、木本のことで刑事が来ましたが、うまく誤魔化しておきましたと言う。
しかし実は旦那には申し訳ないんですけど、萩原という騎手の野郎が裏切りやがったんで、当てにしていた金が入らねえんで…と説明する。
別室へ誘った大庭は、間抜け野郎!俺をまたサツに放り込む気か!高跳びの準備ができてるというのになんて様だ!おめえ、それでも本気でやってるのか!と早崎に叱りつける。
旦那の金は事務所打ってでもなんとかするつもりだったと早崎が答えると、くそっ!おめえの事務所は初めから叩き売るつもりだったんだと大庭は言う。
100や200の端金で何ができると思ってるんだ!と大庭が言っているところに、中国人ボーイがやってきて、さっきのゲームを精算いたしました、20万円です、お改めをと言って札束を大庭に渡す。
ボーイが帰りかけると、甥と呼び止めた大庭はチップを渡したので、ありがとうございまづとボーイは言って受け取り部屋から出ていく。
部屋のベランダから庭にあるプールを見ていた早崎を呼んだ大庭は、何だその面は?文句があるのか?おめえをプールに叩き込んでやりてえくらいだよ、そうだろう?俺が銀行やった時に、おめえが時間通りに車を持ってくりゃこんな苦労しなくて済んだんだと言う。
誰のおかげで娑婆にいられると思ってる、俺がサツや裁判所でちょっとでも口を滑らせてみろ、臭い飯を食わなくちゃならねえんだと大庭は言い聞かす。
その時、いかがでした大庭さん、明日出帆できますか?大庭さん、いつまでも船を引き止めておくわけにはいきませんよと言いながら、中国人王深(久松晃)が部屋にやってくる。
まあ、明後日まではどうしても出なきゃいけませんね?と王深は言うが、その時、外は雨が降ってくる。
ご迷惑をかけてますと大庭が詫びると、例の計画、あれをお考えになってはどうですか?と王深は勧める。
部屋を出て階段を降りてビリヤード場に来た早崎に、早崎、おめえ、競馬場の一日の売り上げ高どのくらいあるのか知ってるか?とついてきた大庭が聞いてきたので、ええ?と答えると、少ない日でも3000万円だ、多い時には5~6000万を越す金額だよ、そいつをそっくりもらうんだと言う。
王さん、明後日決行することに決めました、それまで船の方をなんとかと、ビリヤードをしていた王深に大庭が話しかけると、良いでしょう、コウ!船の方にそう知らせてくださいと王深は部下に命じる。
その後、大庭は略図を見せながら、東亜銀行、俺が前にしくじった所だと指し示す。
踏切、駐在所、ここだ!知ってるだろう、おめえの事務所から二丁ばかりと言いながら、大庭は「あかつき橋」と言う地点を指す。
そこで競馬場から金を積んで帰る車をピストルで襲う、車は競馬場を6時きっかりに出発するから2分過ぎくらいだろうと大庭は説明する。
多分、襲撃後に注意することはその踏切だと、ビリヤードをやりながら大庭は続ける。
そこで列車の通貨にぶつかったらえらいことになるぞ、それからその駐在所のポリ公だと大庭は指摘する。
その野郎は案外すっとぼけたツラをしてやがる、俺を銀行の裏で捕まえやがって…と、そいつには大分貸しがあるんだ、おい、ワンゲーム10万円だと大庭は早崎にビリヤード勝負を申し出る。
しかし、私はダメですよと早崎はビリヤードを断るが、付き合いの悪い奴だなと言いながら、大庭はスティックを早崎に放り投げ、今小計画に成功すれば、おめえの借金はチャラにしてやる、良いか?明日、現場を詳しく調べとけ、今度はドジを踏むんじゃねえぞ、俺に対する最後のご奉公だと思えと高飛車に命じる。
その後、ナイルにやってきた早崎は、近頃お見限りねと話しかけてきたホステスに、マダムいるか?ときくと、ええ、2階の部屋よ、呼んでくる?と言うので、あ、良いんだと断って自分で向かう。
ドアをノックすると、寝ていたらしい房江が出てきて、何の用なのと聞くので、大庭が会いたいってよ、所書きだ、わかったら破り捨ててくれと言いながらメモを渡すと、房江はその場で身もしないで破り捨てたので、言うことを聞いた方が穏便のようだぜと早崎は忠告するが、房江は、いや!あんなやつ、散々今まで苦労かけて…、さっさと捕まっちまえば良いんだ、帰って大庭にそういってちょうだいと房江は答え、旦那のことはそれで良いが、俺はあいつにちょっと用があるんだと言いながら、部屋の奥を見る。
帰ったわよ、あの人と房江はいうが、早崎が上がり込もうとするので、早崎さん!と房江は止めようとする。
ベッドのカーテンを捲ると、萩原がズボンを履いている所だったので、おい、裏切ったな!と早崎は怒鳴りつけたので、房江は許してあげて!と早崎に縋り付く。
萩原は房江の居間に向かい、箪笥の中から10万円を取り出し、返しゃ良いんだろうと?と不貞腐れたので、早崎は殴りつける。
すると房江が、萩原がしたことじゃないわ、遠山の差金よと弁解してくる。
遠山?と早崎が睨むと、大庭の所行くからと房江は言い出したので、だがサツへの密告は真平だぜと釘を刺した早崎は、おい、萩原拾えよと、落とした札束を指すと、房江が拾おうとしたので、おっとマダム、萩原に拾わせてくれと早崎は命じる。
上半身裸の萩原が床に落ちた札束を拾おうと手を伸ばすと、側の椅子に跨った早崎が土足のままその手を踏みつけ、なんとか挨拶はあるだろうなと威嚇する。
その後は矢先は、遠山の事務所に来て、1階のガラス窓から下の事務所を覗く。
事務所では、遠山に子分が、いや~、全く思う壺でしたねと話しかけられ、早崎の吠え面が見てえよなどと答え、愉快そうに笑っていた。
そこに早崎が降りてきたので、マンボに確認に行かせるが、早崎はマンボを殴りつけて地下の事務所に入ってくる。
組員たちは誰だ!と粋がるが、早崎は次々と子分たちを殴りつけ、ビールを飲んでいた遠山の頭をビール瓶で殴りつける。
子分たちは、早崎が階段から逃げようとしたので襲い掛かり、雨が降り頻る一階部分でも待ち受けていた子分たちが向かってきたので、早崎は1人で応戦する。
相手は大きな石を投げつけてきたので、早崎は身を避けるが、石が当たった地下室のガラス窓が砕け散る。
快晴の翌日、喫茶「アラブ」から出てきたには王深の部下の黄(雪岡純)だった。
公衆電話から、あ、兄貴、今月島にいるんだ、大庭の旦那は金をここに届けると言うので待ってんだけど、30分も遅れているんだと木本からの電話を受けた早崎は、うん、で、今夜は新潟に発つのか?と聞く。
うん、お袋にも苦労のかけっぱなしだからな、これで当分兄貴とも会えねえ、気をつけてくれよと木本は話しかけるが、そんな木本の様子を喫茶店から出てきた男は監視していた。
映画館の前で、スケジュール表を見るふりをした黄は、そのまま方向を変えて公衆電話に近づくと、木本が電話している中を目掛け、ドアのドアの丸い穴の中に拳銃を突っ込み、
映画の開始を告げる非常ベルが鳴った瞬間、黄が銃を発射し、木本は苦悶の表情を浮かべて電話ボックスの中に倒れ込む。
電話をしていた早崎は、もしもし!と呼びかけるが返事がない。
女事務員の宮沢が、赤木さんは?と聞いてくるが、早崎はそれどころではなかった。
公衆電話に駆け込んだ女子高生が、タバコを指に挟んだまま目を開けて死んでいた木本の死体を見つけて悲鳴をあげる。
チャリで事務所に帰ってきた赤木は、慌てて出かける早崎とすれ違い、兄貴、どこに行くんだ?と声をかけるが、早崎はちょっと…と言うだけだった。
チャリを止めて、タクシーに乗り込もうとした早崎を追いかけた赤木は、兄貴、そろそろ時間だぜと声をかける。
それを聞いた早崎はタクシーに乗るのを諦め事務所に戻る。
その後、車の運転席に乗った早崎は、黄を助手席に乗せ、外で合図をした赤木を見る。
競馬場から現金輸送車が出発する。
近づいてきた東亜銀行の輸送車を見て、地面に捨てたタバコを踏んで消す赤木。
赤木が輸送車のフロントガラスに石を投げつけ、早崎が運転する車が進路を塞ぎ、早崎の車の助手席に乗っていた黄が車を降り、輸送車の運転手と助手たちを撃つ。
早崎も車から降りて、輸送車の一人を締め殺していた。
その時運転席に乗っていた早崎は、射殺された木本を連想するが、クラクションをうっかり鳴らしたことで現実に戻った早崎は、危ないじゃないか!とドナル輸送車の運転手の声で我に返る。
実際は、輸送車を襲撃してもいないし、輸送車のウィンドーも割れてなかった。
輸送車はちょっとバックすると、バカな真似はやめてくれ!と怒鳴りながら、は矢先の車を迂回して去って行く。
それを見送った赤木は、何言ってやんでえと言い返すと、車に近づき、兄貴、今みてえにやりゃいいんだね?とは矢先に聞き、じゃあ、あの銀行車をつけるとすっかと言いながら、後部座席に乗り込む。
早崎の車は銀行車の後を尾行し始めるが、その様子をたまたま通りに立っていた久保刑事(宮崎準)が目撃する。
銀行車は降板の前を通過するが、そこにチェリで帰ってきた外川巡査は、尾行しているは矢先の車と、そのさらに後を尾行する久保刑事の乗った車を何気なく目撃する。
銀行車は踏切を通過するが、その直後遮断機が降りてしまい、早崎の車は止まらざるを得なくなる。
赤木は、兄貴!こんな長え貨物に引っ掛かったらえれえことになるぜ、ねえ兄貴!と後部座席から言葉をかけるが、早崎は何も答えない。
そん子まま遮断機が上がっても発進しようとしないので、兄貴、遮断機が上がったぜ、何位考えてたんだよ、どうかしてるよと赤木が呆れたように指摘してくる。
夜んじなって、早崎の車は王深邸に到着するが、初めてきた赤木は、へえ、すげえうちだな〜と驚きながら降りると、黄さん、車の始末頼むよと声をかける。
黄が門を閉めた直後、尾行してきた久保刑事が近づく。
往診の自室内では大庭が、房江と一緒にシャワーを浴びていたが、お前を残して香港へ行くのは心残りだな、どうだ?一緒に行くか?と聞くが、嫌よ、私は船に弱いんだから、それこそ船酔いで死んじまうわと拒否する。
寝室に来た大庭は、嘘をつけ!若いツバメが気がかりなんだろう?と、よしてよ、何さ、あんなチンピラ!と房江は無視するように答えるが、図星だろう?俺の勘は?と言いながら大庭は房江をベッドに引きずり倒す。
その頃、久保刑事は、塀の小さな隙間から屋敷内に戦友を試みるが、すぐに黄に見つかり、各党の末に倒されてしまう。
そんな黄の横を何事もないように通り過ぎ門へと向かった王深は、門の前で待っていた萩原を迎え入れる。
屋敷内のビリヤード場で早崎と赤木と出会った大庭は、木本が殺されたそうだな?さっきニュースを聞いて驚いたと早崎と赤木に聞いていた。
おめえ、木本のことで、何か心当たりはねえのかい?と大庭が言うので、木本はね、旦那から30万円もらったら田舎にいって親孝行ができるって喜んでましたよと早崎は教える。
すると大庭は、俺は確かに30万円渡したぜと言うので、、だけどその金でピストルの弾買う才覚は木本にはねえはずだと早崎は答えると、おめえ、見てきたような口聞くじゃねえかと大庭は言い返す。
ねえ旦那、木本はあんたのためにあれだけのことをしたんですぜと早崎が言うと、おめえより見込みがあると楽しみにしてたんだが、惜しいことしたよと大庭は人ごとのように答えたので、はぐらかしちゃ嫌ですよ、木本にどんな落ち度があったんです?と早崎は問い詰める。
すると大庭は、馬鹿野郎!そんなこと俺の知ったことかい!死んだものは仕方ねえじゃねえか、それより明日のおめえの見積もりを聞こうじゃねえか、え?赤木、明日ドジ踏むんじゃねぞと赤木にも釘を刺す。
房江のいた大庭の寝室にやってきた萩原は、大庭さんはここでずいぶん大きな顔してるらしいじゃねえかと話しかけていた。
お金がなくなったので、少し慌てているんだよと房江はからかうように答える。
そこに大庭が早崎と赤木を連れて戻ってきたので、萩原が大庭の前に進み出ると、遅くなりました、萩原ですと挨拶したので、房江から聞いている、まあ、しっかりやってくれと大庭は答える。
房江も、頼りになるわよ、この人達よりも…と早崎たちをからかうように言う。
すると赤木が、旦那、この男も仲間ですかい?こいつは金でどうとでもなる男です、俺は嫌だよいくらマダムの推薦でも、筋が通らねえや文句を言う。
大庭は、今度はわかる、競馬場には大事な人なんだからと答え、それに力を得たのか、早崎の前に来た萩原は、昨夜はお世話さんだったねと話しかけるが、いきなり早崎は殴りつけ、倒れ込んだ萩原を赤木も足蹴にする。
すると大庭に縋りついた房江は、私胸がスーッとしたわ、前から癪に触ってたの、この男には…と、萩原を見限るようなことを言い出す。
そこに黄と共にやってきた王深は、大庭さん、警察手帳です、地下室に放り込んであります、あなたの良いように処分してくださいと言いながら手帳を渡したので、早崎、おめえ、変な紐をつけてきたなと言いながら手帳を見せると、黄から拳銃を受け取り、久保刑事の元へと向かう。
離れて見ていた早崎の目の前で、プール脇に連れてきた久保刑事を前に大庭は、馬鹿野郎!てめえなんか犬の来るところじゃねえんだと言うなり拳銃を発射する。
悲鳴をあげて久保刑事はプールに落ちるが、それを見た大庭は、赤木怖いか?息の根はプールの水が止めてくれるんだ、俺は足を撃っただけだと嘯く。
見かねた早崎が近づき、旦那胸を撃ってやった方が…、後生ですぜと言いながら、大庭の拳銃を使って自分が撃とうとするが、てめえのさ鈴なんか受けねえと振り払った大庭は、見ろ、もがいてやがらあと冷酷に言い放つ。
その頃、寝室に残っていた房江は萩原を相手に、明日はしっかりしなきゃダメよ、相手はね、いざとなったら1人で美味い汁を吸おうって奴ばかりとと言い聞かせていあ。
わかってるよ、俺にも考えがあるんだ、奴らばかりに勝手なことはさせるもんか、おめえも一緒に来てくれと維持を張って見せる。
プールに久保刑事の死体が浮かんだのをじっと見つめる赤木の横で、早崎、おめえも一緒に来てくれ、どうしても片付けなきゃ気のすまない仕事が一つある、黄さん、頼むよ、例の件と言っている時、赤木は2階の寝室の窓に浮かぶ房江と萩原が重なってキスをしているのを目撃する。
その赤木の視線に気づいた大庭も2階の窓の影に気づくが、癪に触ったのか赤木をプールに突き飛ばす。
赤木がプールの縁に泳ぎ着くと、赤木、おめえはここを引き上げる準備をしろ、良いか!と言いながら、赤木の髪の毛を引っ張ったので、赤木はええと答えるが、早崎は苦い表情でそんな大庭の横柄な態度を見ていた。
その後、大庭が運転する車の助手席に乗った早崎は、途中で停まった車の後部座席から黄が降りていくと、これが住めば、もう日本には要はねえんだ、香港に来さえすれば大っぴらに歩けるんだ、それに明日の金だと大庭が言うのを聞いていた。
大庭さん、何をしようってんだ?と早崎が聞くと、まあ見てろと言って、大庭は車を発進する。
向かい側からチャリに乗った戸川巡査が接近してくるが、大庭はブレーキも踏まずにそのまま戸川巡査を跳ね飛ばす。
車を停めた大庭は振り返り、見てみろ、これが俺の復讐だという。
そこに黄が戻ってきて何事もなかったかのように後部座席に乗り込むと、そのまま車は走り出す。
夜、事務所の二階のベッドの所へ戻ってきた早崎は、釈然としない気持ちのまま横になるが眠れない。
起き上がって水を飲むが、その時突然目覚まし時計が鳴り始めたので、早崎は驚いてコップの水をこぼしてしまう。
そのまま気持ちを鎮めようとレコードをかけるが、今日の大庭の残虐行為を見た早崎の気持ちはおさまらなかった。
ガラス戸から夜の風景を見るともなく見つめていた早崎だったが、そこに外階段を登ってやってきたのは佐々木部長刑事だった。
気づいた早崎が戸を開けてやると、どうした?こんな蒸し暑いのに締め切ってしまって…と佐々木は笑顔で話しかけてくる。
こっち来て話さないかと言いながら、自分で窓を開けた佐々木は勝手にソファーに座り込んだので、ウィスキーでも、飲みませんか?と早崎は勧める。
佐々木は笑顔になり、ありがとう、もらおうかなと答え、早崎の方も、今日は飲み相手が欲しかったんだと言いながら、ウィスキーのボトルを持ってくる。
そうかい…と言ってウィスキーを注いでもらった佐々木は、実は君の頼みがあってきたんだと打ち明ける。
我々が大庭の逮捕でどれほど苦労してるかわかってるだろう?mぅ三日目になるのに捕まらんので、新聞まで我々を無能呼ばわりしてるだろうと佐々木はいう。
そんなことより、今日は酔い潰してくださいよと早崎は答え、ウィスキーを一人で開けてゆく。
そんな早崎を見つめながら、君とは君の友達だったな?我々は大庭が殺したと見通してるんだ、他に殺す理由がある奴はいないんだ、君は友情から我々に協力してくれても良いはずだな?なあ?早崎…と話しかける。
すると早崎は。佐々木さん、そんな話なら帰ってくださいよ、俺が大庭とどんな関係があるってんだ!といきりたつ。
俺は警察に協力しなくちゃならねえ義理はねえよと早崎は答えるが、その様子を見た佐々木は、そうか…、わかったよ、早崎といい、立ち上がって帰ろうとする。
その時突然、1階の事務所の電話が鳴り出したので、驚いた佐々木と早崎が競うように階段を降りる。
先に電話の場所に来たのは佐々木で、あ、もしもし?早崎事務所ですと答えるが、戸川?何!戸川君が!と驚く。
電話の主は貴美子で、早崎さん、兄が車に飛ばされて重症を負わされたんです、すぐ来て!私一人では心許ないの、早崎さん!と訴えるので、あ、ちょっと待ってくださいと言い、佐々木は受話器を早崎に渡す。
しかし早崎はその受話器をそのまま電話機に戻し、あいにくの電話でしたなというので、君、見舞ってやらんのか?戸川君は君の幼馴染じゃないかと聞く。
しかし早崎は、ただそれだけのことじゃないですかと吐き捨てたので、妹さんが来て欲しいよ言って産んだと佐々木は訴える。
早崎、戸川巡査は大庭逮捕の殊勲者だった…、もしも単なる事故ではなかったとしたら、これで2人目の犠牲者が出たんだ、早崎!君の両親に訴える、いや、人間としての両親に聞くんだ、早崎!と佐々木部長刑事は迫る。
これ以上の犠牲者を防ぐためにも、我々に協力してくれないか!一緒に病院に行こうと訴える佐々木刑事。
しかし早崎はドアの鍵を開けると、佐々木さん、電灯消しますよと言い、自分は二階へと上がってゆくので、ドアの前でもう一度、早崎と呼びかけた佐々木は、諦めてドアから帰ってゆく。
二階へ戻り、開けっ放していた外階段に出るガラス戸を閉めようと下は矢先だったが、そこにウィスキー瓶を片手に黙って入ってきたのは黄だった。
何か用か?と早崎が聞くと、黄は黙って封筒を差し出す。
封筒の中には、「戸川復讐の成功と明日の成果の前祝いにジョニーウォーカーを贈る 明日午後6時10分、橋畔にて待て 念の為」と書かれたカードが入っていた。
黄は、早崎が佐々木と飲んでいたウィスキーグラスを階段の外に投げ捨てたので、今、表で誰かと出会わなかったか?と聞くと、早崎が持っていたカードと封筒を受け取ってその場で破り捨て、ポケットから拳銃を取り出して早崎に渡す。
そして早崎が銃を受け取ると、さらに封書を細かく破り捨て、それを自分のポケットに入れると、事務所の階段を降りてゆく。
早崎は、今黄が持ってきた大庭から贈られたウィスキーを、鬼の形相でその場で投げつけて割る。
その後、早崎は、病院の戸川巡査の入院した病室の前で佐々木部長刑事と再会する。
睨みつけてきた佐々木に、早崎は今、黄から受け取った拳銃をポケットから出して、佐々木さんと笑顔で見せる。
佐々木は驚いたように、その拳銃を受け取る。
四日目
停泊中の船に横付けしたボートから降り立った中国人部下は、後始末は全部すみましたと、タラップの途中で待っていた王深に報告する。
ありがとう、大庭さんお方はどうですか?と王深が聞くと、は、予定通り進んでおります、それから黄さんから6時畔まで迎えにくるように言われましたと中国人部下は答える。
そう、じゃ、君頼みますと王深は依頼する。
モデルの仕事をしていた貴美子は、女性仲間が伝えに来たので、ビルの外に出てみると、そこに女性が待っていたので、兄が悪いんですって?と聞くと、ええ、病院でお迎え頼まれましたのよと女性が言うので、その女性房江から手を引かれ、待っていた車に乗せられる。
運転手は大庭だったが、貴美子は会ったことがなかった。
早崎は事務所の前で、電話がないか、そわそわしていた。
早崎は女事務員宮沢に、おい、赤木から電話かかってこなかったか?と聞くが、宮澤が首を横に振った途端電話が鳴り始める。
宮沢が受話器に手を伸ばすが、それを押さえて自分で受話器を取った早崎は、もしもし?あ、萩原かと答え、予定通りだな?と聞き、うん、よしと了解する。
警察署では、佐々木部長刑事を前に、富永捜査係長が、ねえ君、早崎は信用できるんだろうね?と確認していた。
とんかく、やるか、やらんかを発揮入りせんことには、銀行や競馬場に通報せなならんからなと言うので、係長、事前通告はやめてくださいと佐々木は言い返す。
通告せんでやるのか?と富永が聞くので、どこで秘密が漏れるかわかりませんと佐々木は案じる。
それを聞いていた遠藤署長は、佐々木の思う通りにやらしたらどうだと提案する。
しかし富永は、早崎は大庭の一味だったんだ、いい加減な陳述をして逃げおったのかもしれない、奴を泳がすこと自体危険なんだよと抵抗するので、責任は私が取りますと佐々木は答える。
競馬場ではその日のレースが終了し、大勢いた客たちが誰もいなくなる。
その競馬場に待機していた佐々木は、富永から、時計を合わせておこう、今6時15分前だと言われ、他の刑事たちと時刻を合わせる。
良いか?犯行時間は6時2分前からせいぜい5〜6分の間だ、6時きっかりに銀行の車が競馬場を出発するんだからなと富永捜査係長は刑事たちに言い聞かせる。
佐々木部長刑事は、久保刑事の弔い合戦だ、みんなしっかりやってくれと刑事たちに頼む。
刑事たちが外に出ると、ちょうど銀行車が到着したところで、刑事たちはめいめい散らばって行く。
そこに早崎が橋の袂に姿を現す。
その早崎の横にタクシーが近づき、停まってクラクションを鳴らすが、早崎が無視するとそのまま立ち去るのを佐々木たちは監視していた。
早崎は腕時計で、6時7分前と知る。
5分前…と佐々木はつぶやく。
遅いじゃないか、奴らの車…と富永が言うので、もう来るでしょうと佐々木は答える。
すると、その直後に、萩原が運転する車が来て、反対方向に向くと停まったので、早崎はその車に近づく。
そして、その車に乗り込むと、競馬場とは逆方向に走り去ったので、襲撃の場所を変えたのかな?追っかけてみますと、予想外の展開に驚いた佐々木は答え、貼っていた建物の外に出ようとする。
待て!奴らんえらっているのは銀行の車だ、そいつを護衛してやれと富永は命じるので、はあ、しかし…と佐々木は狼狽する。
そこに銀行車が近づいてきたので、銀行の車だ、佐々木一緒に行け!と富永は命じ、佐々木もやむなく他の刑事が運転する車に乗って銀行車を追う。
銀行車は件の踏切でギリギリ降りてきた遮断機を掻い潜ったんで、追尾していた佐々木たちの車は遮断機の前で列車の通過を待つしかなかった。
遮断機が上がると、佐々木は反対車線を銀行車が向かってくるのを見つけ、銀行の車じゃないかと驚き、おかしいな、止めてみてくれと同乗の刑事に頼む。
車を降り、銀行車を停めた増田刑事(鴨田喜由)は、銀行の車か?と確認した後、なぜ戻るんだと聞くと?戻る?いや、これから競馬場に出かけるところなんですよ、ヘッドライトのガラスを壊されましてね、修理にてこずちまったんですよろ運転手は答える。
その間にも、背後の車がクラクションで急かすので、仕方なく銀行車はノロノロ前進し始めるが、ガラスが?と増田刑事が聞くと、ええ、誰かのイタズラらしいんですよと運転手は言う。
途中で、これと同じ車に出くわさなかったか?と聞くと、おお、それだったら、この先の三叉路を左の方へ行きましたよと運転手は答える。
その頃、問題の「東亜銀行」と書かれた湯瓶車は、途中で狭い道を通過する際、自転車の男を押しつぶし、煉瓦塀を壊しながら逃走していた。
その偽銀行車を運転していたのは黄で、助手席に乗っていたのは赤木だった。
警察署に戻った佐々木部長刑事は、どうするんだよ、この手落ちは!大庭を捕まえるどころか、早崎までまんまとんがしてしまったじゃないか!と富永捜査係長から責められる。
大庭は倉庫の中の部屋の中で房江と抱き合ってキスしていたが、そこに早崎がきたので、良く来たな、待ってたと大庭が出てきたので、どうして襲撃中止したんです?と早崎が聞くと、中止?中止なんかしやしない、安全策を取っただけだと大庭が言うので、安全策?どんな?とは矢先は聞く。
おめえが一番知ってるはずだよ、お前、昨夜病院へ行ったな?と大庭は聞いてくる。
病院?とは矢先が聞くと、小屋から出てきた房江に、おい房江と大庭は声をかける。
すると房江は奥から手を縛った貴美子を連れてきたので、早崎は驚く。
ヤキが回ったな、てめえも…、女恋しさに病院行くなんて自首して出るのと同じじゃねえかと大庭がバカにしてきたので、確かにやつは俺の女だけども…と早崎が言い返そうとすると、しらばっくれるな、ネタは上がってるんだ!それがてめえの恩返しか!と大庭が叱りつけたので、そうかね…と早崎は受け流す。
俺はね、お前さんが無性に憎くなったんだと早崎が言い出し、いきなりスーツの内側からナイフを取り出して大庭に襲い掛かったんで、大庭は抵抗する。
挙げ句の果て、大庭は拳銃を取り出し撃ってきたのでm院校舎から奪った金を運んでいた赤木は何事かと驚く。
みてこいと黄に言われた赤木が倉庫の小窓を開けて中を覗くと、戸川が助かりやがったんで、女は代わりに俺がもらってくぞ、出てこい!早崎!さもねえと女をぶち殺すぞ!と倉庫に積まれた麻袋の奥に隠れた早崎に大庭が呼びかけていた。
そこに赤木が揉み手をしながら近づき、旦那!予定通りに行きました、閉めて6350万円!と嬉しそうに報告し、どうしたんです?と聞いたので、早崎の野郎が逃げ込みやがって…tと大庭が教えると、兄貴が!と赤木は驚いて見せる。
赤木は奥に向かって、おい兄貴!おめえさんの面が見てみてえもんだ、旦那はな、おめえさんみたいなヘマはやらないんだと呼びかける。
それでも返事がないと、自分の銃を取り出した赤木は、おい、なんとか言ったらどうなんだい?こちらには言いたいことが山ほどあるんだぞと言いながら、自ら奥に向かってゆく。
赤木はわざと銃声を響かせながら、奥へと進むと、おい兄貴!と呼びかける。
一方、倉庫内の重量計の上に奪った金の袋を乗せた萩原は、大庭さん、早いとこ、お宝の顔、拝ませてくださいよ、急がねえと、いつサツの手が回るとm小限らねえとねだる。
俺には答えず、貴美子に近づいた大庭は、どうせ早崎は冥土行きだと吐き捨てると、かまわねえからぶち殺してしまえと命じる。。
赤木は木箱の奥で、兄貴!見損なったぞ!裏切られるとは思わなかった¡とまだ呼びかけていた。
その時、木箱の奥に潜んでいた早崎が、赤木!話があるんだと小声で話しかけてくる。
強奪した金を台の上に置いた大庭は、じゃあ、約束通り俺が半分もらうぜと言い出すと、いきなり銃を出した萩原が、手を上げろ!手を上げるんだ!と脅す。
大庭は手をあげ、黄はおかしな素振りを見せかけたので、萩原から怒鳴られ、マダム房江も動揺していた。
大庭が、てめえ!と文句を言うと、うるさい、黙ってろ!と萩原が制止し、後ろを向くんだと命じたので、黄と大庭は素直に後ろを向く。
その間に、萩原と房江は、それぞれ袋に入った現金袋を引きずって倉庫から出ようとする。
その様子に気づいた赤木が銃を構えたまま木箱の中から出てくると、萩原は赤木を撃つ。
その時、拳銃の調子が悪くなったことに気づいた大庭が銃を取り出して萩原の方に近づいてくる。
大方こんなことだろうと思って、てめえのピストルには1発しか弾を入れてねえんだと大庭は言うと、萩原と房江の両名を撃ち殺す。
しかし振り返った大庭は、黄が銃を構えているんkに気づき、黄さん、止せよ、冗談は…と手でいなすが、左利きの黄は銃を下さないので、両手を上げながら、止せよ、冗談は…、危ねえよ…と大庭は繰り返す。
その時、倒れていた赤木が銃を持ち上げ、黄を背後から撃つ。
その時、早崎も積まれた木箱の反対側から出てきていた。
大庭動くな!と制しながら進み出た早崎は、拳銃を手にしていた。
早崎は、貴美ちゃん、警察に電話してくれと呼びかける。
警察内は昼間の捜査の失敗で空気が弛緩していたが、そこにかかってきた電話を受けた富永は、最初は違うよと言って切るが、二度目にかかった電話に出ると、何?早崎!台場倉庫!台場倉庫だね?と声を上げる。
それを聞いた刑事たちは一斉に部屋を飛び出し、おい佐々木!と冨永から呼ばれた佐々木刑事は、来ましたねと嬉しそうに出かけようとするが、たくさんのブンヤに足止めされてしまう。
早崎は銃で大庭を狙いながら、倒れた赤木を抱き起こそうとするが、兄貴、俺兄貴の言うこと聞かなかった…、それ、裏切りたくなかった…と虫の息で赤木は言う。
その赤木に早崎が気を取られた瞬間、その場を逃げ出し、倉庫内にいた貴美子に襲いかかった大庭だったが、早崎が囮が邪魔で撃てないことん気づくと、そこを動いてみろ、女を絞め殺すぞと脅してくる。
早崎、ピストルを捨てろ、ああ?締め殺しても良いのか?早くしろと大庭は急かす。
早崎がピストルを捨てると、そこに往診の部下の中国人が大庭さんと言いながらピストルを持ってきたので、それを受け取った大庭は、木箱の奥へ逃げた早崎に発砲しながら、貴美子を連れたまま、中国人と二人で金の入った袋を引きずって倉庫から脱出する。
倉庫脇の海に浮かべた中国人のボートに金袋を積み込むが、ボートのエンジンが故障して動かないと知った大庭は焦る。
すでにパトカーのサイレン音が間近に迫っていた。
大庭は、倉庫の外に停めてあった偽の銀行車に乗って逃走するが、そこに警察車両が到着する。
木箱の影から、腕を撃たれた早崎が出て来て、落ちていた拳銃を拾ってポケットに入れたところに佐々木部長刑事らが飛び込んできて、速さ機能での応急手当てをしてやる。
倉庫内には、萩原、房江、赤木の死体が転がっていったので、刑事たちが調べるが、大庭の姿はなかった。
大庭の乗った銀行車は、引き込み線の金網がある行き止まりに入り込んだので、車を乗り捨てた大庭は側の木の塀を一人で乗り越え、日本石油のコンビナートに入り込む。
近くを通った工員が、どうだね、売春禁止法は?ああ、おじさんにはもう用はないねなどと話しかけて来たので、大庭は無視して葉巻を吸い始める。
近くを巡回していた警備員が大庭に気付き、きみ!危ないじゃないか!タバコなんて吸って!と言いながら葉巻を奪い取ったので、苛立った大庭は警備員と揉み合いになる。
警備員を倒した大庭は、その場で警備員の制服を着て偽装する。
停めてあった銀行車の中には、後ろ手に縛られ、猿轡をされた貴美子が残っていたが、近くを人が通ったので、クラクションを鳴らして知らせる。
その音に気づいた作業員が、どうしたんです!と近づいてくる。
一方、警備員に偽装した大庭は、殺した警備員の体を近くにあった水槽の中に落とし込む。
その大庭に気づいた別の工員が、多い!どうした?どうかしたのかい?と声をかけて来たので、大庭は拳銃を取り出し射殺する。
貴美子発見を知った警察は、おい、犯人はこの工場内だ!すぐ署長に連絡してくれ!と、現場に到着したトラックに乗せた大量の警官を下ろして送り込む。
大庭は、逃げ回っているうちに、熱いスチームを顔に浴びたりするが、近くを刑事が通りかかったので身を隠す。
工場にはさらに大量の警察官を乗せたトラックが到着していた。
その大量のサイレン音に気づいた大庭は、さらに工場の奥深くに逃げ込む。
工場内には危険を知らせる非常サイレン音が鳴り始め、刑事たちが集結してくる中、大庭は上へ上へと逃げていた。
そんな大庭を発見した刑事は、大庭から撃たれてしまう。
現場にいた富永捜査係長や署長たちのもとに来た工場関係役員が、火気厳禁ですから発砲はお断りしますと頼みにくるが、死者が出ても良いというのかね?と遠藤署長は言い返す。
万一のことがあれば、この400億の資産が吹き飛びます、それに我々の生命すら危険ですと関係役員は訴える。
非常サイレンが鳴り響く中、大庭は大量の刑事・警官の探索から逃げ回っていた。
接近して来た警官を撃つ大庭。
警官隊も大庭に気付き、包囲網を狭めてくる。
大庭は弾が切れたので、焦って弾を入れる。
そんな大庭を銃で狙っていた警官の腕を背後から取ったのは駆けつけた早崎で、ばか!撃つな!危険区域だと注意する。
そして早崎は、佐々木さん、大庭は弾がある限り犠牲者が出る、俺が弾を吐き出させる、警官を引いてくださいと佐々木部長刑事に頼むが、早崎!早崎!と呼び止め、死にに行くようなものだ、止めろ!と佐々木は早崎の背後から説得する。
それ以外に値打ちのない男と早崎は自嘲したので、いや、いかん、いかん!と佐々木は食い下がろうとするが、それを振り払った早崎は、大庭のことは俺にまかしてくれ!と言って大庭に接近する。
そんな中、貴美子が工場内に立ち入ろうとしたので、おいおいどこに行くんだと警官が止める。
遠藤署長の元に来た佐々木は、早崎が出ていった、包囲対象を取って、弾の消耗を待ってくださいと進言する。
大庭!早崎だ!と、近づいた早崎が呼びかける。
しかし大庭の姿は見つからない。
大庭が見える位置にいた警官隊は、笛を吹いて、今の位置から後退し始める。
早崎はなおも、大庭!と呼びかけながら工場内を進む。
その時、銃声が響き、早崎は倒れ込む。
死を撃たれたのだが、そんな早崎のすぐ背後に佐々木が隠れて見ていた。
さらに大庭は早崎に発砲し、愉快そうに嘲笑うが、次の瞬間、弾切れに気づいてその場を逃げ出す。
それを見た早崎は、大庭!と呼びかけながら接近する。
しかし大葉は、タンクの階段を登りかけ、来てみろ!来たらタンクをぶっ放すぞと銃をタンクの壁面に向け脅してくる。
しかし、すでに大庭の弾が切れていることを知っている早崎はジリジリと迫って来たので、大庭は階段を降りてその場から逃げ出す。
早崎は走ろうとするが転んでしまうが、大庭の方もすでに警官隊に包囲されていることに気づく。
大葉は鉄柵を乗り越えると、石油用のドラム缶が集積されている地域に侵入する。
その鉄柵のところに駆けつけた早崎は、大庭!出てこい!と呼びかけるが、すぐに駆けつけた佐々木部長刑事が、早崎!と言いながら柵の横の壁に身を避けさせる。
早崎は、大場にはもう弾がないはずだと主張するが、奴のことだ、何をするかわからんと佐々木は訴える
それでも早崎は、大庭は俺に任してくれ!と言い返し、佐々木を振り切る。
その頃、ドラム缶の影に隠れていた大庭は、ポケットに残っていた最後の一発の弾を銃に詰め、近づいてくる早崎の足音に耳を澄ます。
早崎は柵を越え、ドラム缶の集積場の中に忍び込んでいた。
近づく早崎に怯える大庭。
早崎は、わざとドラム缶を落とし、その音を大庭に聴かせながら接近する。
大庭は近づいた早崎に気付き、ドラム缶の山を崩す。
早崎が驚いた隙に大庭は鉄柵の方向に逃げようとするが、それに気づいた早崎も姿を表す。
大庭は振り向いてそんな早崎に向かって銃を撃つが、早崎が撃った銃弾に倒れる。
それでも最後の力を振り絞って、鉄柵にしがみついた大庭だったが、そこで力尽きて崩れる。
そこに撃たれた脇腹を押さえた早崎が顔を顰めながら近づいてくる。
柵の側には警官と貴美子が待っていたので、早崎の顔は綻び、貴美子は早崎に縋り付く。
開いた鉄柵の下に倒れた大庭の死体にカメラが近づき、「終」の文字が出る。
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